2018年6月9日土曜更新.3,289記事.5,378,270文字.

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痛風患者はビール飲んじゃダメ?

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痛風患者はビール飲んじゃダメ?

痛風患者にビールはダメ、という強いイメージがあります。
ビール=プリン体というイメージ。
プリン体ゼロのビールも売れています。

しかし、ビール中のプリン体含有量はそれほど多くないと言います。

蒸留酒にはプリン体はあまり含まれず、醸造酒の方が多いです。
特に、地ビール、紹興酒には10mg/100mL以上のプリン体が含まれます。
実際量に換算すると、通常のビールには1缶あたり12~25mg/350mL、大瓶1本あたり21~44mg/630mL、地ビールには1本当り19~55mg/330mL、紹興酒には1合当たり21mg/180mLのプリン体が含まれることになります。
量的には多くないにもかかわらず、ビールを1缶毎日飲む人では6年間に血清尿酸値が0.5~1.0mg/dL上昇すると報告されています。食品・飲料中のプリン体含有量/公益財団法人痛風財団

だから、ビールを飲んでもいいというわけではありません。
アルコール自体が尿酸値を上げる可能性があります。
ビールに限らず、飲酒は控えた方がよいです。

近年の生活指導では、厳格すぎるプリン体の摂取制限は避ける傾向にあります。
プリン体は多くの食品に含まれているため、ともすれば摂食食品のバラエティを崩すことになるからです。

しかし、プリン体を特に多く含む食品は制限するのがよいです。
もつ煮込みなど内臓料理はなるべく食べないように注意する必要があります。

一方、野菜類に含まれているプリン体は意識しなくてもよい。
野菜類には繊維が多く含まれ、繊維とともにプリン体も排泄されうるからです。

また、一部の野菜にはインスリン抵抗性を下げる効果もあります。
アルコールに関しては、ビール中ビン1本/日までは許容範囲とみなし、週2日はアルコールを摂取しない日をつくることができればよしとしている。

嗜好品では、果糖入りのソフトドリンクが要注意。
果糖は尿酸値を上昇させる。

同じ果糖でも生果物にはビタミンCが含まれ、ビタミンCは尿酸値を下げる効果が期待できる。
また、乳製品も尿酸値を下げるといわれており、低脂肪乳製品も積極的に摂取すべき食品の一つである。

痛風にはビールより発泡酒がいい?

プリン体を多く含む食品として有名なビール。
ビールの主原料である麦芽には多くのプリン体が含まれています。

一方、近年市場に多く出回るようになった発泡酒は、麦芽使用率が低く、プリン体はビールの1/2から1/4程度です。
しかし、アルコールそのものに尿酸値上昇作用があるので、高尿酸血症患者にはアルコール飲料は種類を問わず控えるべきとされています。

お酒のアルコールは肝臓で尿酸が作られるのを促進し、尿酸濃度をあげてしまいます。
そのため、アルコールを多く飲んだ後に痛風の発作がおこりやすいようです。

痛風患者はお酒を飲んではいけない

アルコール飲料はプリン体の有無に拘らず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため、高尿酸血症・痛風の患者は、過剰摂取を慎むべきである。

特にビールはプリン体を多く含むばかりでなくカロリーも高いため、肥満を助長する可能性もある。

血清尿酸値への影響を最低限に保つ目安は500mL程度だ。

ちなみに日本酒は1合、ウィスキーでは60mLが目安となる。

ビールと発泡酒の違いは?

ビールは、麦芽(モルト)、ホップ及び水を原料として発酵させたものです。

発泡酒は麦芽の比率を低くして、米とかとうもろこしを使います。

これでコストが安くなるというわけではなく、発泡酒のほうが酒税法での税率が安く設定されているので発泡酒は安いんです。

何がちがうのかというと、「麦芽比率」。
簡単にいうと、麦芽比率が67%未満のものが発泡酒となるのですが、 実際にはその67%以下のなかでさらに三つに区分されており、課税も三段階に分かれています。
発泡酒といえども、そのなかでいちばん高い麦芽比率の場合はビールと同じ課税!となるため、 メーカーは努力を重ねて、味と旨さを追求。課税がもっとも低くなる麦芽比率が25%未満でも十分においしい発泡酒を作りました。
現在わたしたちが飲んでいる発泡酒のほとんどがこの麦芽比率25%未満の発泡酒です。 ビールは67%以上ね。ビール vs 発泡酒 [家事] All About

第三のビールは麦芽を使用しないことで、さらに税率が安くなっています。

アルコールと尿酸

アルコールによる尿酸値上昇(痛風の悪化)の原因については、プリン体含量のみでなく、乳酸値の上昇も関与している。

エタノール代謝酵素であるアルコール脱水素酵素はNADを補酵素とするが、エタノールが代謝されるとNADH2が増加し、乳酸脱水素酵素による乳酸合成を促進する。
その結果、増加した乳酸が尿酸と腎分泌を競合し、尿酸値が上昇すると考えられている。

ちなみに、アルコールのプリン体含有量はビールが最も多いが、ウイスキーは少なく、焼酎はほとんど含有しない。
したがって、どうしても禁酒できない痛風患者にはビールを避け、焼酎を薦める(ただし、焼酎の1日適切量は0.4合である)。

ビールは飲んでも太らない?

アルコールのカロリーは1gあたり約7kcalです。
しかし、人間はアルコールの持っているカロリーを全ては使えないらしいです。

そのため、お酒だけ飲んでも太りません。
ビールで太るのは炭酸ガスが胃酸分泌を促し食欲を増進するからです。

痛風の原因は生活習慣?

痛風は100%生活習慣が原因であるとの誤解がある。

血清中の尿酸は7.0mg/dLを超えると結晶化するため、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)」では血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものを高尿酸血症と定義している。

本邦では近年、男性において高尿酸血症、痛風患者が増加傾向にあることが報告されている。

このことから、痛風・高尿酸血症は環境要因に起因する典型的な生活習慣病と認識されているが、その原因のすべてが生活習慣にあるわけではない。

近年、腎臓の近位尿細管において尿酸の排泄と再吸収に関与するトランスポーターの存在が確認されている。

URAT1をはじめとするトランスポーターが血清尿酸値に影響する遺伝要因の大半を占め、排泄低下型の高尿酸血症を惹起する。

生活習慣に加え、遺伝要因も忘れてはならない要素であり、両者は密接に関連する。

参考書籍:ファーマトリビューン2012.2、薬の相互作用としくみ

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