更新日:2015年10月22日.全記事数:3,117件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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高齢者はうつ病になりやすい?


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高齢者にうつが多い理由は?

・身体機能、認知機能の低下(加齢、骨折後遺症、心筋梗塞、パーキンソン病)
・がんなど重篤な疾患への罹患
・地位、社会的役割の喪失
・経済力の低下
・配偶者との死別/離別(再婚率が低い)
・夫婦のみの世帯、独居世帯が多い
・脳血管障害などの後遺症/続発症
・服用している薬剤の相互作用

高齢者はうつ病になりやすい?

高齢者にうつ病が多い理由として、加齢による認知機能の低下、定年退職などによる社会的役割の喪失や経済力の低下、そして配偶者や近親者との死別などが考えられます。

また、核家族化による独居、近隣との希薄な関係、公的サポート体制の不備なども高齢者の孤立感を深めます。

こうした心理的・社会的要因のほかに、身体的要因もうつ症状の原因となっています。

例えば、甲状腺機能低下症、パーキンソン病、がん、さらに糖尿病や虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの疾患は、うつ病を合併することが知られています。

また、脳血管障害の後遺症によってうつ状態になる高齢者も少なくありません。

実際、高齢者うつ病患者の93.7%に潜在性脳梗塞が認められたという報告もあります。

また、服用している薬剤によってうつ状態になっている高齢者も見られます。

例えば、ステロイド剤、インターフェロン、化学療法剤、抗エストロゲン薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、H2受容体拮抗薬などが、うつ症状の原因になることもあるのです。

高齢女性はうつ病になりやすい?

日本の高齢女性にうつ病患者が多い理由の1つは、独居による孤立です。

日本の女性は再婚率が低いので、配偶者と死別あるいは離婚すると、多くの方が独身のままです。

また、子供たちと同居する方も少ないため、多くの高齢女性が独居生活で孤立しているのです。

さらに、寿命が延びたことも、わが国の高齢女性にうつ病が多い原因の1つです。

どれほどのお金があれば死ぬまで生活できるか分からないため、常に経済的な不安に苛まれることになります。

例えば、平均寿命が75歳だった頃は65歳で独居生活を始めても10年ぐらい生活できる余裕があれば十分でした。

しかし今は20年以上生活を支える資金が必要です。

ですから高齢者は、たとえ貯蓄があってもお金を使えないのです。

つまり、寿命が延びても、その余生をのんびり楽しく過ごせる高齢者はごくわずかで、多くの高齢者、特に独居の高齢女性は厳しい経済環境におかれているのです。

こうした経済的問題も高齢女性にうつ病患者が多い理由の1つなのです。

高齢者のうつ病はわかりにくい?

高齢者のうつ病は目立ちにくい。

一般診療の場面ではうつ症状の存在に気がつきにくい。

気分の落ち込みと自発性の低下が前景に出ることが多く、運動制止症状などの明らかな症状がみられることは少ない。

気分の落ち込みさえも明確にみられない場合もあり、その際は、不定愁訴、心気的症状、または身体症状(不眠、易疲労感、めまい、頭重、頭痛、肩こり、食思不振、便秘、下痢、腹痛、胸痛など)を訴えることが多い。

高齢者のうつ病治療は難しい

高齢者のうつ病は治療抵抗性になりやすい(遷延化しやすい)といわれています。

その原因については、老化によって神経機能が低下している点、また副作用のために十分量の抗うつ薬を投与することが難しく、副作用によってさらにうつ状態が悪化する点などが指摘されている。

神経機能の低下は、老化にともなって神経細胞数が減少し、さらに神経新生能(新しい神経を産生する能力)が低下するために起こると考えられています。

そのために高齢者はうつ状態に罹りやすく、治療に難渋するケースが多いのです。

薬でうつ状態?

服用薬がうつ症状を修飾している場合も治療を難しくします。

患者さんの状態がうつ病によるものか、服用薬によるものか見極めるのが困難だからです。

三環系抗うつ薬の抗コリン作用は注意力の低下や記憶障害などの認知機能の低下を惹起し、α1遮断作用は眠気や活動性の低下を起こします。

さらに降圧薬やH2受容体拮抗薬もうつ状態を惹起する場合があり、抗不安薬や睡眠導入剤は活動性低下の原因になり得ます。

こうした薬剤によるうつ症状は本来のうつ症状との鑑別が難しいため、的確な判断を行わないとうつ状態を遷延化させることになるのです。

高齢者は元気がない?

高齢者においては、原因不明の活動性の低下を呈することが多い。

これをすべて「うつ病」と考えるのは極めて危険である。

単純な脱水(夏期に多い)や、がんなどの身体疾患であることが多いため、まず身体面の精査は必須であり、そのうえで認知症の併存も含めて考えていくことが重要である。

また、種々の薬剤の副作用により、活動性の低下や認知機能障害を起こしていることも多く、正確な薬歴を聴取することも肝要である。

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