更新日:2017年1月4日.全記事数:3,169件.

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タミフル耐性の仕組みが解明された?


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タミフル耐性の仕組み

タミフル耐性の仕組み解明 インフルエンザで米チーム – 47NEWS(よんななニュース)

 インフルエンザウイルスが感染力を保ったまま治療薬タミフルに対する耐性を持つ仕組みを解明したと、米カリフォルニア工科大の研究チームが4日付の米科学誌サイエンスに発表した。ウイルス表面の「ノイラミニダーゼ」と呼ばれるタンパク質で、特定の3カ所に変異が起きることが原因という。新型インフルエンザが耐性を獲得して拡大するかどうかを監視するのに役立ちそうだ。
 インフルエンザウイルスは細胞内に侵入して増殖し、これらが細胞表面から放出されて別の細胞に感染する。放出の際、細胞とウイルスの結合を切り離す役割を担うのがノイラミニダーゼだ。
 タミフルはノイラミニダーゼの働きを妨げ、ウイルスの増殖を抑える。しかし、ノイラミニダーゼの274番目のアミノ酸が別の種類に置き換わってしまうとタミフルは効かなくなる。一方、この変異が起きると通常はウイルスの感染力は低下するが、季節性インフルエンザAソ連型はこの変異を持ちながら世界中に拡大しており、その仕組みは不明だった。
 研究チームは、ノイラミニダーゼの274番目のほか、222番目と234番目のアミノ酸も変異したウイルスを細胞に感染させたところ、通常のウイルスと同等に増殖し、タミフルを加えても増え続けた。

インフルエンザウイルスはまず、ウイルス表面にあるヘマグルチニンと、ヒトの細胞表面にあるシアル酸がくっつきます。

そしてウイルスが細胞の内部に侵入します。

細胞の内部で増殖します。

増殖したウイルスが放出されて他の細胞にも感染しようとします。

しかし、はじめに感染した細胞の表面にはまだシアル酸が多数あるため、放出されたウイルスはまた同じ細胞に感染してしまいます。

これではそれ以上増殖することができません。

そこで働くのがノイラミニダーゼ。

細胞表面にあるシアル酸を切り離す酵素です。

タミフルはこのノイラミニダーゼを阻害する薬です。

タミフルはシアル酸と似た構造でノイラミニダーゼとくっついて離れません。

そのためにウイルスが増殖できなくなる、というメカニズム。

耐性を獲得するために、ノイラミニダーゼの形を変えてタミフルとくっつきにくくしますが、それだとシアル酸ともくっつきにくくなってしまうので、通常感染力が低下します。

が、感染が拡大しているという不思議。

を、解明したのが今回の件ということですね。

タミフル耐性ウイルスはラピアクタにも耐性?

タミフル耐性株、新薬効かず…新型インフル 科学 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 新型インフルエンザウイルスのうち、治療薬タミフルに耐性を持つものは、今年1月に製造販売が承認された新薬ラピアクタ(一般名・ペラミビル)にも耐性を持つことが、国立感染症研究所の研究でわかった。

 感染研の小田切孝人・インフルエンザウイルス研究センター第1室長によると、昨シーズンに国内で流行した新型ウイルス6915株のうち75株(約1・1%)が、タミフルが効かない耐性株だった。この75株を調べたところ、すべてラピアクタにも耐性があった。別の治療薬リレンザに対しては、どの株も耐性がなく、投薬の効果がみられた。米疾病対策センターの調査でも、米国の新型ウイルス6781株中64株(約0・9%)がタミフル耐性で、すべてラピアクタにも耐性を持っていた。ウイルスに働く仕組みが互いに似ているためとみられる。

ラピアクタって使われてるのかな。

イナビルを使った臨床試験では、タミフル耐性ウイルスにも効果があったらしいので、やはりイナビルに期待。

でも抗菌剤のようにイタチごっこになるのでしょうか。

ラピアクタ

2010年1月13日の記事
asahi.com(朝日新聞社):国産初の抗インフル薬、発売へ 厚労省、スピード承認 – ビジネス・経済

 塩野義製薬は13日、同社が開発した抗インフルエンザ薬「ペラミビル」について、製造販売の承認を厚生労働省から得たと発表した。国内で開発された「国産」薬としては初めての承認事例で、早ければ今月中にも販売を開始する見込み。発売にあたって同社は「ラピアクタ」という商品名をつけ、新たな治療の選択肢として年300万~400万人分の生産を目指す。
 ラピアクタは1回の投与が15分程度の点滴剤で、成人でのインフルエンザ感染では1回の投与で済み、重症度に応じて複数回の投与もできる。高齢者やせき、嘔吐(おうと)がひどい患者など、飲み薬のタミフルや吸入薬のリレンザの使用が難しい場合にも使え、医療現場のニーズも高いとされる。
 抗インフル薬は国内ではほかに第一三共、富山化学工業が開発中だが、ラピアクタは昨年10月末に国産第1号として承認申請した。新型インフルエンザの流行をふまえ、通常は1~2年かかるところを約2カ月半という異例のスピードで承認された。塩野義は「優先審査品目の指定を受けるなどした努力の結果。一日でも早く患者に届けられるようにしたい」(広報室)としている。
 発売は厚労省による薬価の決定後だが、同省も薬価の決定を急ぐとみられ、同社は米国のメーカーから薬の原材料を初年度分はすでに確保するなど生産体制を整えつつある。現在はまだ承認が得られていない小児への使用についても、年度内を目標に申請を行う準備を進めている。

年300~400万人分ですか。そんなに需要はあるのでしょうか。

海外も含めてかな。

耐性ウイルスとか、異常行動とかの問題もあるし、点滴のほうが効果が高くて副作用も少ないとなれば、それほど重症でない患者さんでも希望する人は増えるかも。

スピード承認された薬なので、副作用も含めて見守る必要がありそうです。

リレンザ耐性ウイルスは少ない?

タミフル耐性ウイルス、リレンザより出現率高め 科学 YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 インフルエンザ治療薬「タミフル」は、服用した小児患者の8%で、この薬が効かなくなる耐性ウイルスが見つかり、同じインフルエンザ治療薬「リレンザ」よりも耐性があらわれやすいことが、東京大などの研究でわかった。
 米国の感染症専門誌に発表した。
 タミフルの耐性ウイルスは多く見つかっているが、リレンザでは報告は少ない。タミフルの使用量が多い分、耐性が出現しやすいともみられていたが、薬の性質の違いで、あらわれやすさに差がついている可能性がある。
 東大の河岡義裕教授らは、2005~09年、季節性インフルエンザでタミフルの治療を受けた4~15歳の72人と、リレンザの治療を受けた同年代の72人を調べた。タミフルのグループは6人(8・3%)で耐性ウイルスが見つかったが、リレンザのグループからは見つからなかった。

タミフル耐性ウイルスも思ったより少ないですね。

2005~09年の5年間の調査って、長くないかな。

2005年ころは少ないかも知れないけど、最近は増えてきた、って傾向があるかと思いますが。

リレンザ耐性ウイルスは出現しにくい

季節性Aソ連型の97%はタミフル耐性だとか、新型インフルエンザでもタミフル耐性ウイルスが出たとか騒がれてますが、リレンザ耐性ウイルスは今のところあまり聞きません。

リレンザ耐性ウイルスが出現しない理由は、感染部位の薬剤の濃度の違いにあるといわれます。

リレンザは吸入により、MICをはるかに越えた濃度で感染部位に到達します。ウイルスが低濃度の薬剤にさらされて耐性化することがありません。

また作用機序の違いもウイルスの耐性化に影響していると言います。

どちらもノイラミニダーゼ阻害薬ですが、リレンザは酵素の構造に変化を起こさないのに対し、タミフルの場合、 その結合により活性部位の構造を変化させ、新たな疎水ポケットを形成します。

この機序に関わるアミノ酸残基の変異が耐性獲得に繋がることが解っており、単純にはまり込むだけの機序であるリレンザと比べ、耐性化を起こしやすい原因の一つであると考えられています。

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