2018年5月25日金曜更新.3,290記事.5,382,014文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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うつ病患者を励ましてはいけない?

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励ましていけない

うつになる人の多くは、ある特徴的な性格をもっています。
それは責任感が強く、真面目という性格です。

うつになれば誰でも回復を焦りますが、特に責任のある仕事をもつ中高年の方は、治療で静養することを自分が怠けているかのように受け止めていることがあります。
そんなときにはうつになりやすい性格を考えて、「休養して充電することも仕事のひとつです」「回り道をすることも大事です。急がば回れといいます」などとアドバイスするのもよいでしょう。

こんなときに「がんばれ」と励ますと、「がんばれと励まされる状態=だめな状態である」と強く認識してしまうため、さらにもがき苦しみ、うまくできない自分を再認識し、症状はますます悪化する。
そのような理由から、ある程度症状の改善がみられるまでは、できればあまり刺激を加えないという意味で見守りに徹するべきです。

見守りの最大のポイントは、衝動性の観察と、事故を未然に防ぐことといえるでしょう。

頑張れは禁句

うつ病の患者さんに「ガンバレ」などと励ますのは逆効果だといいます。
頑張りすぎて疲れ果てた状態がうつ病だからです。

うつ病の患者さんは、うつ状態であることを周囲に申し訳なく感じています。
なので、無理をして元気に振舞います。

「ガンバレ」と言われて、顔は笑顔で心は泣いています。

健康と元気の違い

元気とは、国語辞典の記載では「心や身体の活動力」あるいは「心や身体が穏やかなこと」という意味です。

漢方医学的には「気血水が充実しており、バランスもよく、その流れも順調であるという」という解釈がなされます。

西洋医学では、疾病の無い身体の状態を「健康」と呼びます。

「健康」と、漢方医学由来の「元気」とは意味がやや異なります。

うつ病患者の考え方のクセ

・全か無か思考
完璧でなければ意味がないといった考え方。
白黒思考。
灰色(曖昧な状態)に耐えられず、すべて白か黒かと極端な考え方で割り切ろうとする。

・一般化のしすぎ
「いつも私はこうだ」といった決めつけ。
極端な一般化。
少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまう。

・心のフィルター
他者からの否定的な指摘だけを取り上げて気にする。
情緒的な理由づけ。
そのときの自分の感情に基づき、現実を判断してしまう。

・マイナス化思考
自分を正当評価せず、よい仕事であっても「誰でもできること」と考える。

・結論への飛躍
物事を悪く解釈して悪い予想をたてる。

・拡大解釈と過小評価
自分の短所を誇張し、よいところを過小評価する。
過大評価・過小評価。
自分が関心のあることは拡大してとらえ、自分の考えや予想に合わない部分はことさらに小さくみる。

・感情的決めつけ
否定的感情は現実を反映していると考える。
根拠のない決めつけ。
証拠が少ないままに、思いつきを信じ込む。

・すべき思考
「常にそうすべきである」と自分にも人にも要求する。
べき思考。
「こうすべきだ」、「あのようにすべきではなかった」と、自分の行動を自分で制限して自分を責める。

・レッテル貼り
「自分はダメ人間だ」などと、自分に否定的なレッテルを貼る。

・個人化と責任の押し付け
すべて自分の責任だと考える。
自己関連づけ。
何か悪いことが起きると、自分のせいで起こったのだと自分を責める。

・部分的焦点づけ
自分が着目していることだけに目を向け、短絡的に結論づける。

・自分で実現してしまう予言
自分で否定的予測を立てて自分の行動を制限し、制限するために予測どおり失敗する。その結果、ますます否定的な予測を信じ込むという悪循環に陥る。

躁うつ病患者に言ってはいけない言葉

「がんばれ、気分転換したら?」
→本人は何とかしなければと思っているが、特にうつのときは何もできない。

「急がず、あせらず、ゆっくり、のんびり」
→躁のときは、時間が惜しいと思っているので、かえって怒りだしてしまう。

「~してはだめ」
→躁状態のときには人格を否定されたように感じる。

「薬に頼るな、気力で治せ」
→薬は飲みたくないが、本人は飲まなければならないこともわかっている。

うつ病患者は完璧主義

うつ病になりやすい性格に、完璧主義というのがあります。
なんでも100点を目指してしまう。
失敗にとらわれてしまう。

80点を目指せばいいんです。
1つ失敗しても、他で補えればいい。
28の法則です。

パレートの法則とも。
全体の8割の数値は全体を構成する2割の要素が生み出しているという法則。
100%の努力で100点が取れるとしたら、20%の努力で80点が取れるのです。

それでいいじゃないか。
いいじゃないか、と思えないのが完璧主義者なんですけどね。

うつ病は治るか?いつまで治療を続ける?

症例によって差があり、一概には言えないというのが正直なところですが、2〜3ヶ月しっかり治療すれば回復する方がほとんどです。

回復後も維持期を同じぐらい設けて、再燃がないことを確認しながらゆっくりと薬を減らして治療を終えます。

再発

うつの発現のメカニズムの最初のステップはまだ解明されていませんので、再発するかどうかははっきりいってわかりません。

ただ、再発と再燃は違います。

治療が終わって抗うつ薬を服用しなくなって3ヶ月以内に不調となったら、それは一連のうつであって、再発ではなく症状が再燃したと考えるべきです。

治療者、当事者ともに回復を焦ったときに起こりやすいという印象を受けます。

再発や再燃は確かに避けたいものですが、避けられないことも多くあります。

そんなとき重要なのは、本人が、「一度経験したうつだから、軽微なうちにすぐ治療して早く回復させるのだ」という建設的な考えをもてるようにすることです。

うつ病は治る

うつ病は治りますか?

こんなストレートに質問をぶつけてくる患者さんはいませんが、いつまで薬を飲み続ければいいのか?この薬は効いているのか?など、不信感を抱いている人は多いと思います。

うつ病は治ります。

うつ病はね。

でも性格は治りません。

うつ病になりやすい性格、というのはあるでしょう。

治っても再発するリスクは高い。

抗うつ薬は効く

抗うつ薬は効くのか。
効く人もいますが、効かない人もいます。
当たり前ですが。

ただ、効かないと判断するまでの時間が短い、短気な人が多いです。
薬が効き始めるまで2週間から4週間かかります。
治るまで少なくとも3ヶ月はかかります。
焦らないで服用を続けることが大事です。

抗うつ薬の働き

うつ病はセロトニン不足が原因と言われています。

セロトニンは感情のブレーキの役割をしている物質です。

感情にブレーキがかからないと、沈んだ状態から抜け出せなかったり、満足感を得ることができません。

抗うつ薬はそのセロトニンを増やすような働きのある薬です。

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