2018年12月14日更新.3,343記事.5,772,518文字.

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手足が冷えるのは閉塞性動脈硬化症?

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手足が冷えるのは動脈硬化のサイン?

夏でも手足が冷える。水虫や、傷が治りにくい。いつも歩いていた道が、足が痛くて歩けなくなる。
このような症状の中には閉塞性動脈硬化症(ASO)によるものがあります。

60歳以上の2割以上の方にASO患者さんが存在することが報告されています。
原因は下肢に動脈硬化が起こり血管が閉塞することによります。
下肢に動脈硬化が起こっているということは、すでに脳血管や冠動脈など、全身においても同様に動脈硬化が進行していると考えられます。

閉塞性動脈硬化症は足の動脈硬化です。
動脈硬化というと、心筋梗塞や脳梗塞の原因として、怖いものという認識があるかと思います。
しかし、足の動脈硬化への関心は低く、全身の動脈硬化のサインであるにも関わらずその初期症状は見逃される傾向にあるのが現状です。

閉塞性動脈硬化症の初期症状としてよくみられる「冷感」や「間歇性跛行」を「年のせい」とは判断せずに、診察時に訴えることも必要です。

足が痛いのは動脈硬化のせい?

整形外科の患者さんで、「歩くと足が痛い」という患者さんは多い。

歩くと痛いけど、休むと楽になる。
「間歇性跛行」という症状。

これが見られる病気に、腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症がある。

腰が痛ければ、腰部脊柱管狭窄症。
足の付け根が痛ければ、閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は、名前のとおり動脈硬化によって起きる病気で、血管が閉塞する。
そう考えると、心筋梗塞や脳梗塞も、同じようにとらえることができるけど、「閉塞性動脈硬化症」という病名の場合には「脚の血管にあらわれた動脈硬化」という意味合い。
閉塞性動脈硬化症はこの病気と診断された段階で、脚だけでなく、脳や心臓などの血管にも動脈硬化が及んでいます。
つまり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高い状態になっているのです。
閉塞性動脈硬化症の5年相対生存率は約70%で、大腸がんとほとんど変わりません。その割に病名があまり知られていないのは、閉塞性動脈硬化症そのものよりも、脳卒中や心筋梗塞などが原因で亡くなることが多いからです。脚が痛いだけだと放置している間に、受診が遅れ、動脈硬化が進んでしまうのです。
内科で糖尿病や高血圧、高脂血症の薬をもらっている患者さんが、足の痛みで整形外科も受診していたら、その関連性を疑うことも必要です。

閉塞性動脈硬化症とABI

ASO(閉塞性動脈硬化症)の診断にABI(足関節上腕血圧比)が行われます。
ABI= 足首最高血圧 ÷ 上腕最高血圧

正常値は0.9~1.25ですが、通常1.0以上、1.2程度を示します。
ABI<0.9だと狭窄または閉塞の疑いありです。
1.3<ABIでも動脈に石灰化の疑いがあり、正常値でも閉塞性動脈硬化症ではないとは言えません。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは、腸骨動脈から膝窩動脈以下の下肢動脈に、動脈硬化性変化による狭窄または閉塞が起こり、下肢に虚血が生じた病態である。
わが国では、arteriosclerosis obliterans(ASO)と呼称されることが多いが、欧米では、peripheral artery disease(PAD)の名称が一般的である。

欧米の複数の疫学研究で報告された総有病率は3~10%であり、70歳では15~20%とされている。
高齢者、男性に多い。
閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化性疾患であるため、動脈硬化の危険因子がその原因となりうる。
若年層では男性、加齢、喫煙、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、慢性腎不全などが閉塞性動脈硬化症の発症および進行の危険因子と知られている。
下肢動脈の狭窄・閉塞により、違和感、冷感、歩行時の筋肉のこわばり、だるさ、痛みが出現する。
虚血が高度になれば、安静時の疼痛や組織の壊死が生じる。

タバコを吸うとバージャー病になる?

慢性動脈閉塞症について調べていたら、バージャー病にたどり着いた。

高齢者は閉塞性動脈硬化症が多く、若年者はバージャー病が多い。

バージャー病の原因は不明ですが、タバコと関係があるらしい。

発症には喫煙が強く関与しており、喫煙による血管攣縮が誘因になると考えられている。最近の疫学調査では患者の93%に明らかな喫煙歴を認め、間接喫煙を含めるとほぼ全例が喫煙と関係があると考えられる。歯周病との関連が疑われ検討が行われている。難病情報センター ビュルガー病(バージャー病)(公費対象)

20~30代で手足を切除とかなったら、絶望しますね。

バージャー病で効能効果検索したら、ヘプロニカートという薬が出てきた。
効かなそう。

慢性動脈閉塞症に適応があるのは、アンプラーグ、ドルナー、プロサイリン、パナルジン、プレタールあたりの抗血栓薬。

喫煙は腹部大動脈瘤との関係もあり、動脈硬化を進行させるので、長生きしたい人は禁煙しましょう。

間歇性跛行と閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症

歩行中足が痛むけど少し休めば回復する。

そんな症状を「間歇性跛行」といいます。

閉塞性動脈硬化症(ASO)や腰部脊柱管狭窄症の患者などによくみられます。

間欠性とは、連続的ではなく、とぎれとぎれに生じること。
跛行とは正常な歩行ができない状態。

閉塞性動脈硬化症による間歇性跛行は歩行をやめ、立っているだけで回復するのに対し、腰部脊柱管狭窄症による症状は、「立ったままでは痛みが治まらない」「しゃがみ込むか座ると楽になる」「前かがみで歩くと痛みが起こらない」など腰の姿勢に関連して表れるのが特徴です。

末梢動脈疾患

末梢動脈疾患(PAD)は、冠動脈以外の動脈との分枝の動脈硬化に伴う閉塞や狭窄を総称する疾患概念である。

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)や、バージャー病などの閉塞性血栓血管炎(TAO)が含まれる。

日本では従来、PADの6~7割をTAOが占めていたが、近年、ライフスタイルの欧米化によりASOが増加し、現在ではPADの9割以上をASOが占めるようになった。
最近は、ASOのことをPADと呼ぶのが一般的となっている。

PADの特徴的な症状は、間欠性跛行である。
しばらく歩くと下肢のだるさや疼痛で歩けなくなり、少し休むと再び歩けるようになる。

これは下肢動脈の閉塞や狭窄により、歩行運動に伴う筋肉酸素需要の増大に供給が追い付かなくなるために生じる。

なお、間欠性跛行を生じるほかの疾患としては、腰部脊柱管狭窄症がある。
同症は加齢などにより脊柱管が変形し神経を圧迫することで発症するため、前かがみの姿勢を取ると症状が治まる点でPADと異なる。

歩くと痛い、けど歩くこと

運動療法も側副血行路を発達させ、跛行症状を改善させることから、PAD患者には積極的に歩くように指導したい。

末梢動脈疾患に使う薬

プラビックス(クロピドグレル)などを用いた抗血小板療法が推奨される。

また、プレタール(シロスタゾール)は唯一、間欠性跛行を改善させる効果についてエビデンスがあるほか、エパデール(イコサペント酸エチル)もPADに伴う疼痛への効能効果が認められている。

参考書籍:日経DI2013.11

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