更新日:2017年1月22日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

高齢者のかゆみに抗ヒスタミン薬は効かない?


スポンサーリンク

乾皮症

高齢者に認められるかゆみの多くは、皮膚乾燥に由来する乾皮症のかゆみである。

ヒスタミンはよく知られる起痒物質であり、臨床現場では抗ヒスタミン薬(H1受容体拮抗薬)が繁用されている。

しかし、乾皮症のかゆみは抗ヒスタミン薬で制御することが困難であるため、本疾患ではヒスタミン以外のかゆみ発生機序の存在が示唆される。

乾皮症のかゆみ

乾皮症のかゆみは、抗ヒスタミン薬が奏効しにくい場合が多い。

この原因として、ヒスタミン以外のかゆみ発現機序の関与が示唆されており、その一つに、表皮内知覚神経の稠密化によるかゆみ閾値の低下が推定されている。

実際に、高齢の乾皮症患者の皮膚では、健常者と比較し、神経線維が表皮内に侵入し、角層直下にまで伸長していることが観察された。

さらに、乾皮症は皮脂減少性湿疹、アトピー性皮膚炎と同様にドライスキンを呈する疾患でもある。

ドライスキンは、環境的要因(季節、湿度)や遺伝的要因(フィラグリン遺伝子変異)を背景に、角層の皮脂膜、角質細胞間脂質、天然保湿因子が減少し、角質水分量が低下することで起こる。

このような皮膚では、前述した神経線維の表皮内侵入とともに、バリア機能が低下し、物理、化学、生物学的な外部刺激に対し過敏である。

これら外部刺激は、表皮内神経(特にC-線維)を活性化させ、その興奮が脊髄-視床経路を通って脳に伝達され、かゆみとして認識される。

このかゆみ発現経路には、ヒスタミンが関与していない。

そのため、乾皮症を含む表皮内神経の稠密化が関与するかゆみには、抗ヒスタミン薬が奏効しにくいと考えられる。

高齢者の乾燥肌とアトピー患者の乾燥肌の違い

肌の乾燥状態は高齢者の多くにみられ、とくに冬季に悪化してかゆみの原因となります。

このような状態は老人性乾皮症といわれ、時に湿疹化して貨幣状湿疹などの治りにくい皮膚炎を併発します。

一方、アトピー性皮膚炎患者では乳幼児期から成人に至る比較的若年者にも肌が乾燥しており、湿疹病変とともに解決すべき大きな問題となります。

これらの2つの疾患における肌の乾燥は見た目には大きく変わりませんが、そのメカニズムは異なります。

老人性乾皮症においては皮脂腺からの皮脂の分泌量が低下し、天然保湿因子が減少しているために角質層の水分保持能が低下しています。

さらに角質層の蛋白質分解酵素の作用が弱いために角質層が厚く積み重なっています。

そこで乾燥した角質層にひび割れが生じやすく、外的な刺激因子が作用しやすくなっています。

一方、アトピー性皮膚炎では、角質層のバリア機能の主役を担う角質細胞間脂質のセラミドの含有量が低下しており、微生物やアレルゲンの侵入が起こりやすくなり、そのために皮膚炎が持続してさらに角質層のバリア昨日が低下する悪循環を形成しています。

いずれの疾患においても、肌の乾燥対策としてのスキンケアには入浴時の身体の洗浄方法と、入浴後の保湿剤の使用方法の2つの点が問題となります。

保湿剤は入浴後できるだけ早い時間のうちに上手に塗ることが大事です。

乾燥肌と入浴

入浴時に身体を石鹸で洗浄することは、皮膚表面に付着した微生物やアレルゲンとともに古い角質層を除去して皮膚を清浄に保つ有益な意義がある一方で、皮脂腺から分泌されて皮膚表面を保護している皮脂を除去し、角質細胞間脂質や遊離アミノ酸などの天然保湿因子の流出を促してしまうという、乾燥肌の悪化原因ともなり得ます。

そこで乾燥肌の人は入浴時に石鹸を使うべきでないという議論も成り立ちますが、現代のわが国の清潔観念や、治療として軟膏を塗布している患者さんの場合を考慮すると、たとえ乾燥肌の人にでも石鹸の使用を常識的には勧めて良いでしょう。

とくにアトピー性皮膚炎の患者さんは自己の汗に含まれるアレルゲンによって即時型反応を示すことが近年知られており、皮膚を洗浄することは治療上も重要です。

おもに身体を洗浄する石鹸の種類は固形であるか液状であるか、主成分である界面活性剤は何であるか、香料などの添加物は何が含まれるかなどが異なる種々の製品が市販されていますが、個々の製品間で洗浄力や乾燥肌に対する影響などを客観的に比較検討したデータはありません。

基本的にはどの種類を選んでも良いと思われますが、患者さんによっては添加物として含まれるラノリンや色素などにより過敏性を示す人もいますので、その点は十分注意が必要です。

少なくとも使用によりかゆみや皮疹の悪化がないものを選ぶことが重要です。

石鹸の種類よりも重要なのが、皮膚のこすり方です。

老人性乾皮症にしてもアトピー性皮膚炎にしても、身体を洗う際にはかゆみのために強くこすりがちです。

しかし皮膚を強くこすることは角質層の過度の剥離と水分喪失を引き起こし、皮膚炎を誘発してしまいます。

洗う道具としてはナイロン100%のタオルは使用せず、綿や麻の配合割合の高い生地のタオルが肌に優しいといわれています。

そのようなタオルでしっかりと泡立たせ、過度にこすらないように用心し、洗浄後は十分にすすぐことが重要です。

血糖値が高いと痒い?

食後血糖値と全身性掻痒症には正の関連性があり、糖尿病患者では良好な食後の血糖コントロールが、全身性掻痒症を軽減することに有益性をもたらす可能性があることが、台湾国立大学病院のMei-Ju Ko氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、糖尿病患者において掻痒は頻度の高い症状にもかかわらず、血糖コントロールとの関連についてはほとんど明らかにされていなかったという。食後血糖値と全身性掻痒症の関連が明らかに CareNet.com

糖尿病による痒みってのは、糖尿病性末梢神経障害によるものなのかな。

かゆみ→しびれ→痛み、みたいになっていくのかな。

血糖コントロールで痒みが抑えられる。

スポンサーリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」
follow us in feedly

人気の記事

最新の記事

資料

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサーリンク