更新日:2016年12月21日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

統合失調症は治るのか?


スポンサーリンク

統合失調症は治る

統合失調症において「治る」とは、病気がなかった時期に戻るのではなく、病気というつらい経験を通して成長し、発病前より安定し、ゆとりある状態にすることです。

この「治る」の根底にあるのは、病気による何らかの制限はあっても、満足いく生活をし、希望を持って何かに貢献できる人生を歩む「回復」という概念です。

参考書籍:調剤と情報2012.1

薬を飲めば統合失調症は治るのか

残念ながら、薬物療法のみにより精神分裂病を治すことができないことは多くの研究により指摘されています。

薬物療法による「治癒」は医学的モデルとしての「疾患の治癒」であって、薬物によって脳の異常機能を適切に矯正できても、精神障害の発症の誘引となる心理社会的要因の調整や、罹患の結果として起こった社会不適応状態を回復されることはできません。

したがって、精神療法や社会復帰活動、行動療法などの併用が必要となります。

しかし、薬を服用していれば、再発のリスクを軽減することは可能です。

精神分裂病の薬物療法では、患者さん自身の病気であることへの自覚、あるいは家族などの理解の不足により、服薬の継続が難しくなる場合が少なくありません。

抗精神病薬は病気の治療薬であると同時に再発の予防薬でもあります。

したがって、退院後も規則正しい確実な服薬の継続が必要です。

抗精神病薬の服用は、急性期から回復して退院した患者さんの再発・再入院を減少させる効果が少なくとも2年間まではプラセボに比べて優れているといわれていますが、その再発予防効果も3~5年で限界に達するといわれています。

しかし、再発時の急性度・重症度、自傷・反社会的行動、社会性・作業能力、入院の自発性、入院期間、治療薬量などについて、非服薬群は服薬群より有意に悪く、しかも元の水準に戻るのがかなり難しくなると報告されており、維持療法の一般的な必要性と有効性を示しています。

また、長期間症状の安定している慢性の精神分裂病の患者さんで薬剤の減量を試みた調査の結果からは、薬剤を減量した患者群と減量しなかった患者群では、2年間の比較で症状を悪化させずに減量はできなかったと報告されています。

これらの報告からは抗精神病薬の再発予防効果は疑いなく、一定の効果が得られますが、一方で服薬を継続していても再発する場合や、服薬を中断しても再発しない患者さんが存在することも報告されています。

しかし、再発群と非再発群を区別することは事実上不可能であり、維持療法をきちんと継続することが重要であるといえます。

再発防止のために、大部分の精神分裂病患者には抗精神病薬の長期にわたる維持療法が必要であり、再発防止のための薬物はいわゆる治療用量に比してごく少量でよく、日常生活の障害になる副作用の少ないものを選び、持効性の注射薬なども推奨され、症状が寛解していれば、薬物の種類や用量よりも、続けて服用することが重要であり、患者さんや家族の病気に対する正しい理解、医師-患者間の信頼関係、日常生活への助言、社会復帰への援助が再発防止のためきわめて重要であること、そしてそのためには服薬維持が前提になります。

症状が改善されていれば服薬を中止してよいか

症状が安定している患者さんにおいても、再発の可能性があり、服薬を中止してしまうと再発の可能性はさらに高くなります。

また、服薬を継続していても再発することはありますが、服薬を中断しての再発と比較してその重症度に大きな違いがあります。

服薬の中断は再発に対する最大の危険因子であり、社会心理的介入の有効性は抗精神病薬の維持療法を基盤としているため、長期にわたって治療関係を継続し、患者さんの服薬受容性を確保することは、再発予防のための最も基本的な前提です。

服薬の中断による再発率は1年以内に60~70%、1年半では70~90%といわれていることからも、服薬の継続は必要です。

また、長期通院患者においても3人に1人は服薬不良者であり、薬物コンプライアンスへの影響因子としては、アカシジアの不快感、自我親和的な誇大性の精神病理、病識、誇大性と疾病感・病識の欠如、病識ではなく抑うつ、などさまざまな因子が考えられています。

したがって、服薬に関する正しい知識の提供と理解により、服薬の中断による再発の防止に務めなければなりません。

治癒ではなく回復を目指す

一生付き合っていかなきゃならない病気。

統合失調症を、病気を起こす前に戻すことは無理。

不安定な状態から安定した状態にすることは、薬物療法を続けることで可能。

医療にできることは限られている。

でも、病気のことを忘れていられる時間が少しでもできれば、より良い人生が送れるのではないかと思う。

精神分裂病と呼ばなくなったのはなぜ?

2002年に精神分裂病の名称は統合失調症に改められました。
日本では「精神分裂病」という名称が「精神が分裂する病気」→「理性が崩壊する病気」と誤って解釈されてしまうケース(統合失調症患者であっても、理性が崩壊するとは限らない)が見られたため、患者・家族団体等から病名に対する偏見が著しく強いという苦情が多かったのです。
それに「精神分裂病」という名称から多重人格をイメージする誤解も多かったです。

スポンサーリンク

コメント

  1. 私も、当初、統合と、診断され、今は、双極と、
    診断され、20年に、なります。
    その間、いろいろなことが、おこりましたが、
    今は、薬を服用し、安定した、生活を、
    送っています。仕事も、といっても、バイトですが、
    やりがいをもって、前向きに、頑張っています。
    今、つらいと思いますが、希望を持ってください。
    応援しています。

    希望:2017/9/9

  2. 二十年統合失調症で最近双曲障害も併発していると診断されました 落ち込んでいて助けてほしいです

    ゆうゆ:2017/6/6

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」
follow us in feedly

人気の記事

最新の記事

資料

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサーリンク