更新日:2017年1月4日.全記事数:3,169件.

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アクトスが脂肪肝に効く?


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NASHにアクトス

ピオグリタゾンのNASHへの作用機序については、インスリン抵抗性に関連し、特に脂肪細胞で高い発現が認められる核内受容体PPAR-γのアゴニストとして脂肪細胞に作用し、脂肪細胞の小型化を促したり、アディポネクチンなどのアディポサイトカイン産生を制御することによりインスリン抵抗性を改善すると考えられている。

しかし一方、インスリン抵抗性を有意に改善することなく、NASHが改善する症例も多く存在する。

脂肪肝ラットの実験では、肝細胞やクッパー細胞へのピオグリタゾンの直接作用が脂肪肝改善の重要な要因になることが認められており、インスリン抵抗性改善以外のメカニズムも重要と考えられる。

メトホルミンについては、脂質や糖の代謝に重要な制御因子AMPキナーゼやアセチル-CoAカルボキシラーゼ(脂肪酸合成の律速酵素)の活性化を抑制して脂肪酸酸化を促進する作用や、脂肪酸合成にかかわる酵素や転写因子の発現を抑制し、肝臓での脂肪蓄積を減少させる作用がある。

一方、NASHの肝臓で上昇するTNF-αの産生を抑制することで病態の改善に寄与している可能性も考えられる。

ピオグリタゾンやメトホルミンなどが単独で処方されることは少なく、肝機能や脂肪肝を改善する薬剤や、ベザフィブラート、イコサペント酸エチル、プロブコール、ビタミンC・Eなどのいずれかと併用されることが多い。

また最近、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤のロサルタンカリウム(ニューロタン)にNASHの改善効果が認められており、その併用処方が見られることもある。

アクトスで脳梗塞予防?

2005年、チアゾリジン誘導体のピオグリタゾン塩酸塩(アクトス)が心血管疾患のリスクを直接軽減させるとする大規模臨床試験の結果が発表され、注目を集めた。

ピオグリタゾンの心血管疾患の抑制には、3つの経路があるとみられている。
まず、脂肪組織に多く発現している生理活性物質「アディポネクチン」の分泌を促進し、間接的に動脈硬化を抑制する経路。
次に、脂肪細胞のペルオキシゾーム増殖活性化受容体(PPAR)γを活性化し、インスリン抵抗性を改善して動脈硬化の危険因子を減らす経路。
3つ目は、直接、血管壁やマクロファージに作用して、血管内皮の肥厚を抑えるという経路である。

ピオグリタゾンの抗動脈硬化作用については06年、2型糖尿病患者462人をピオグリタゾン投与群とグリメピリド(アマリール)投与群に分け、動脈硬化の進展の指標である頸動脈内膜中膜肥厚度(IMT)の変化を調べた臨床試験でも、ピオグリタゾン群がIMTを有意に(p=0.02)抑制することが判明している。

参考書籍:日経DIクイズ ベズトセレクション STANDARD篇

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