更新日:2017年1月4日.全記事数:3,169件.

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アクトスで膀胱がん?


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アクトスで膀胱がん?

アクトスと膀胱がんの関係について。

アクトスのせいで膀胱がんになったと訴えられていた武田薬品が原告団と和解したというニュース。

米国における2型糖尿病治療剤「アクトス®」に起因する膀胱がんを主張する 製造物責任訴訟の和解に向けた合意について 2015年4月~6月 ニュースリリース 武田薬品工業株式会社

このニュースはアクトスと膀胱がんの関係というよりも、なんで武田がこんな巨額の賠償金を払う羽目になったのか、という点でアメリカという訴訟社会の怖さを認識させられたセンセーショナルなニュースでした。
患者目線で考えると、「アクトス飲むと膀胱がんになるの?」「武田はアクトスの副作用を認めたの?」「金で解決したの?」的な疑問を持ちます。

アクトスで膀胱がんのリスクが1.2倍に増えるという話がある。
ちなみに喫煙で膀胱がんのリスクが2~3倍に増えるらしい。
そもそも糖尿病自体でがんのリスクが20~30%上昇する。

リスク(デメリット)とメリットをどうとらえるか。

アクトスの添付文書の「重要な基本的注意」には、

海外で実施した糖尿病患者を対象とした疫学研究において、本剤を投与された患者で膀胱癌の発生リスクが増加するおそれがあり、また、投与期間が長くなるとリスクが増える傾向が認められているので、以下の点に注意すること。
(1) 膀胱癌治療中の患者には投与を避けること。また、特に、膀胱癌の既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断すること。
(2) 投与開始に先立ち、患者又はその家族に膀胱癌発症のリスクを十分に説明してから投与すること。また、投与中に血尿、頻尿、排尿痛等の症状が認められた場合には、直ちに受診するよう患者に指導すること。
(3) 投与中は、定期的に尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、投与終了後も継続して、十分な観察を行うこと。

という記載がみられる。

海外の研究でアクトスが膀胱がんの発症率をわずかに増加させるとする報告があります。
ただし、この薬が膀胱がんの原因と断定されたわけではありません。

 アクトスは動物やヒトのデータで潜在的な膀胱がんのリスクが示されていたことから、武田薬品はアクトスと膀胱がんが関連するかについて、10年間の疫学研究を行った(1997年1月〜2008年)。このほど5年間時点の中間データがFDAに提出され、FDAは検討を開始し概要を発表した。193,099人の40歳以上の糖尿病患者でのデータで、アクトスの投与期間の中央値は2年間である。全体でアクトスのハザード比は1.2ではあるが、95%信頼区間は0.9-1.5で有意ではなかった。しかし、投与期間が長くなるにつれ、またアクトス投与の増加に伴って膀胱がんリスクが増加し、24ヶ月の使用では有意であった。FDAは現時点でアクトスが膀胱がんと関連するとの結論に至っていないとしている。
 米国ではアクトスが1999年に認可されているが,動物実験では臨床使用量レベルの血中濃度でラットに膀胱がんが監察されており、また、3年間のランダム化比較試験 (PROactive 試験と肝安全性試験の二つ)の結果もアクトス使用群で高い割合で膀胱がんが発生している。ピオグリタゾン(アクトス)の膀胱がんリスク 薬害オンブズパースン会議 Medwatcher Japan

フランス、ドイツでは使用停止。
類薬のアバンディアも販売中止に追い込まれた。

これでますますDPP-4阻害薬の処方に拍車がかかるか。
せっかくジェネリックが登場したのに、残念ですけど。

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