更新日:2017年1月5日.全記事数:3,169件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

マクロライド耐性マイコプラズマが増えている?


スポンサーリンク

マクロライド耐性マイコプラズマは怖くない

耐性菌は、リボソームの23SrRNAドメインVに点突然変異が生じ、マクロライド系抗菌薬が結合できなくなっている。

ただし、蛋白質を作る重要な器官であるリボソームに変異が生じたことで、耐性菌の増殖力は感受性菌よりも低い。
また、M.pneumoniaeの菌体内ではプラスミドやトランスポゾンのような外来遺伝子が機能しないため、他の菌で問題になるリボソームのメチル化や薬剤排出ポンプなどの耐性機構が存在しない。

これらの理由から現在の耐性菌は、必ずしも臨床的脅威にはならないとみられている。

参考書籍:日経DI2012.2

【マイコプラズマ肺炎】小児で流行‐分離菌の9割近くがML耐性 薬事日報ウェブサイト

 マイコプラズマ肺炎が流行しているが、治療に用いる抗菌薬であるマクロライド(ML)の耐性菌が小児に多く見られる。国立感染症研究所や北里大学北里生命科学研究所、慶應義塾大学感染制御センターなどのグループの調査で分かった。現在、MLを処方したが、臨床症状が改善せず入院加療となった患児には、多くの場合、ミノサイクリン(MINO)が投与されている。
 同グループの調べでは、15歳以下の入院肺炎患者の2割が近くマイコプラズマ肺炎だという。今年は、第22週(5月30~6月5日)辺りから増え出し、学童の夏休み期間中はやや減少したが、2学期以降再び増加し、この10年間を見ても、最大の流行となっている。
 ML耐性マクロライドが分離されたのは2000年からで、同グループでは02年に小児肺炎例から分離し、その後、経年的に耐性率が高くなってきている。03年には5・0%と低かったが、06年の流行期には30・6%、今年は89・5%に達している。この耐性化は全国規模で見られ、一度クラスで発症者が出ると、潜伏期間や咳嗽の強さもあって、瞬く間に周囲に拡散していくことが、広がりの原因として考えられている。

私も最近咳が続いていて、ジスロマックを使ったのですが、まだ咳が治まらない。

マクロライド耐性か。
2006年に30%だった耐性率が今年は90%って急激な上昇。

小児にミノサイクリンはあんまり使いたくないな。
オゼックスのほうが良いんじゃないのか。

耐性マイコプラズマ

マクロライド耐性マイコプラズマが急増:日経メディカル オンライン

 マクロライド系薬に耐性を持つマイコプラズマが、2006年に30.6%(121株中37株)と急増していることが、北里大北里生命科学研究所などの調べで分かった(図1)。同研究所の諸角美由紀氏が、第55回日本化学療法学会総会で発表した。
 マイコプラズマの薬剤耐性については、2000年を境に報告が出始め、最近は15%前後あるとされていた。今回明らかになったのはその2倍の検出率であり、さらに耐性化が進んでいることを示す証拠として注目を集めそうだ。
 諸角氏らは、ARD(Acute Respiratory Diseases)研究会に所属する病院および診療所の合計9施設から得られた小児肺炎の検体から、リアルタイムPCRおよび培養によってマイコプラズマを検出している。今回の報告によると、マクロライド耐性マイコプラズマは2003年から検出され始め(120株中6株、5.0%)、2004年(40株中5株、12.5%)、2005年(52株中7株、13.8%)と増加していた。そして、2006年には121株中37株(30.6%)と急増した。
 今回の研究で感受性を調べたマクロライド系薬は、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、ロキタマイシンの6種類。2003~2006年に検出された全55株のマクロライド耐性マイコプラズマは、いずれにも耐性を示した。
 遺伝子的な解析では、23SリボソームRNA遺伝子上、ドメインVの2063番目あるいは2064番目のアデニンのいずれかが、グアニンに変異していることが確認された。
耐性菌を見越してかミノサイクリンへの変更多い
 治療については、薬剤の変更の仕方に違いが出ていた。感性菌による症例58例と耐性菌による症例53例について、抗菌薬の処方変更の違いを比較したところ、感性菌の場合はマクロライド系薬からミノサイクリンあるいはレボフロキサシンに変更する例が6.9%(58例中4例、うちレボフロキサシンへの変更は1例)と低かったが、耐性菌の場合は34.0%(53例中18例、うちレボフロキサシンへの変更は1例)と、有意に増加していた。
 この発表に関しては、「紹介患者の多い病院では、マクロライド系を使って改善しない例が集まりやすいため、耐性率が高くなる傾向にあるのでは」という意見があった。今回の検討では、紹介患者とそれ以外の患者に分けた検討を行っていない。しかし、同一の研究手法で検討した結果で経年的に増加していることを考えると、耐性率が上昇していることは確かだろう。
 ミノサイクリンは、歯牙の着色や骨発育不全などの影響があるため8歳未満の小児には使用しにくく、耐性菌の増加は今後も悩ましい問題となりそうだ。

この記事は古いのですが、最近マイコプラズマ患者が増えていて、その背景にマクロライド耐性の問題もありそうなので勉強。
マイコプラズマといったら、クラリスやジスロマックが処方されるケースが多いです。

大人だと記事中のミノマイシンとかニューキノロンという選択肢もあろうかと思いますが、子供だと難しい。
最近、小児にも適応を持ったオゼックス細粒小児用が出たので、そこらへんを使うとか。

耐性マイコプラズマに何使う

ガイドラインでは、マイコプラズマ肺炎にマクロライド系抗菌薬を適切に処方しており、かつ患児の服薬アドヒアランスにも問題がないにもかかわらず、症状改善が認められない場合、トスフロキサシン(オゼックス)、あるいは8歳以上ではミノサイクリン(ミノマイシン)の投与を考慮するとしている。

耐性マイコプラズマにケテック

黄色ブドウ球菌や肺炎球菌では、近年特にマクロライド耐性菌の増加が問題となっており、なかでもアジア地域での肺炎球菌の約80%はマクロライド耐性と報告されている。

これに対し、テリスロマイシンは細菌リボソームRNAへの結合部位を他のマクロライドより多くすることで、マクロライド耐性肺炎球菌に対しても強い抗菌活性を示し、かつ耐性を誘導しにくいことが特徴である。

リカマイシンと耐性マイコプラズマ

近年、マクロライド系に耐性を示す肺炎マイコプラズマが問題となっています。
患者から分離された肺炎マイコプラズマ76株のうち、エリスロマイシンに耐性を示す13株では、他のマクロライド系薬にも耐性を示しました。
しかし、リカマイシンはこれらの耐性菌に対して抗菌力を有していました。

スポンサーリンク

コメント

  1. 昨日からミノマイシンの点滴が始まりました。
    すると今朝から解熱してきています。咳はまだひどいようですが。
    「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2011」の本文によると
     2000年以降わが国においてもマクロライド耐性肺炎マイコプラズマの増加が報告されている。病院ばかりでなく診療所においてもマクロライド耐性肺炎マイコプラズマが増加している。最近では日本ばかりでなく海外でもマクロライド耐性肺炎マイコプラズマの増加が報告され注目されている。しかしマクロライド耐性肺炎マイコプラズマをマクロライドで治療した場合、平均2~3日程度発熱期間が延長するのみで自然治癒する傾向が強い。また、マクロライド耐性肺炎マイコプラズマによって重症感染症や重篤な合併症が増加した報告を認めていないため、ガイドライン作成委員会は現時点ではマクロライド耐性か感受性かが不明時の肺炎マイコプラズマに対する初期治療はマクロライド系薬と考える。
    と記載されています。でも、「平均2~3日程度発熱期間が延長するのみ」ってことではありませんよね。調べれば調べるほどマイコプラズマ感染症は奥が深いです。
    ご参考までに、その後ネットで調べると、ミノマイシン5日程度であれば、副作用を心配することはない、との情報もありました。

    小児呼かけだし小児科ナース:2011/12/15

  2. コメントありがとうございます。
    一つ目の質問ですが、近隣の小児科が耐性マイコプラズマにオゼックスを使っているもので、あまり保険請求上のことは考えずに、使ったら良いのではないかとつぶやいてしまいました。
    確かに適応菌種には無いので、保険請求上「マイコプラズマ肺炎」だと切られる可能性は無いとは言えませんね。
    「肺炎」ならOKでしょうか。
    二つ目の質問のリカマイシンに関する記述については、古いものを拾って書いてしまったようです。
    大変申し訳ありません。
    今後可能な限り参考資料を載せるように致します。
    あまりガイドラインの実物を読む機会がないので、クラリスロマイシンを続けるべき、というのはどうなのかよくわからないのですが、
    「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2011」の改訂ポイントと小児用ニューキノロン系薬の位置付け|日経メディカル オンライン
    http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/tt/ozex1.html
    市中肺炎の治療開始後48時間以内に解熱しないなど、マクロライド耐性株の関与が疑われる場合に本ガイドラインでは、トスフロキサシンまたはミノサイクリンの使用が推奨されている。
    ということも書いてあるので、発熱が持続しているようなら、使用を試みてもよろしいのではないかと思いますが。

    yakuzai:2011/12/14

  3. 「マクロライド耐性マイコプラズマ」で検索してこのページにたどり着きました。
    二つほど質問させていただいてよろしいでしょうか?
    まず、
    >オゼックスのほうが良いんじゃないのか。
    >最近、小児にも適応を持ったオゼックス細粒小児用が出たので、そこらへんを使うとか。
    という部分です。
    手元の資料では小児用のオゼックスはマイコプラズマが適応菌種に入っていないのですが、
    最近適応菌種となったのでしょうか?
    もし適応菌種でないとすれば、保険で切られた場合はどうなるのでしょうか?
    もう一つは
    >リカマイシンはこれらの耐性菌に対して抗菌力を有していました。
    となっていますが、お示しになった日経メディカルの記事には、
    >今回の研究で感受性を調べたマクロライド系薬は、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、ジョサマイシン、ミデカマイシン、ロキタマイシンの6種類。2003~2006年に検出された全55株のマクロライド耐性マイコプラズマは、いずれにも耐性を示した。
    とかかれております。
    ロキタマイシン=リカマイシンですよね。
    どちらが正しいのでしょうか。
    今自分が受け持っている患者が恐らくこのマクロライド耐性マイコプラズマです。
    前医でクラリスロマイシン4日で効果なく、アジスロマイシン3日でも効果なく入院しております。
    かなり咳は激しく、レントゲン上改善は無く、また発熱が持続しているのですが、院内を走り回っています。
    最近でた小児呼吸器感染症ガイドラインでは、耐性であってもクラリスロマイシンを続けるべきというようなことが書かれています。
    主治医は、そろそろステロイドを使ってみるということですが、
    薬剤師様からのご意見をいただければ幸いです。

    かけだし小児科ナース:2011/12/13

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」
follow us in feedly

人気の記事

最新の記事

資料

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサーリンク