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膀胱炎にホスミシン?
公開. 更新. 投稿者:皮膚/汗/体臭. タグ:膀胱炎. 閲覧数:917回
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尿路感染症の治療
尿路感染症は、臨床経過により急性と慢性に、その発症に関わる起訴疾患の有無により単純性と複雑性に、感染部位により上部尿路感染(腎盂腎炎など)と下部尿路感染(膀胱炎など)に分類される。
急性単純性膀胱炎の起炎菌は、大腸菌が7〜8割で、そのほか肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリスなどを加えたグラム陰性菌がほとんどを占める。
頻度的には低いものの、グラム陽性菌の腐性ブドウ球菌や、セフェム系薬に対してほぼ100%耐性がある腸球菌などが起炎菌となる場合もある。
単純性尿路感染症の初期化学療法としてニューキノロン系薬の3日間投与、新世代セフェム系薬の3〜7日間投与などが推奨されている。
欧米では、スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST)合剤の3日間投与、ホスホマイシンのトロメタモール塩(日本未発売)の単回投与などが推奨されている。
耐性菌の増加
従来、これらの抗菌薬に対する患者の反応性は良好で、治療において大きな問題はなかった。
ところが近年、キノロン耐性大腸菌や基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌など、大腸菌の耐性化が問題視されるようになってきた。
ESBLとは、主としてペニシリン系薬を分解するβラクタマーゼが、第3世代や第4世代を含む全てのセフェム系薬、モノバクタム系薬も分解するようになったものである。
このESBLをコードする遺伝子はプラスミド上にあり、プラスミドを介してESBL産生菌が急速に広がる可能性があり、世界的に警戒されている。
ESBL産生大腸菌は、セフェム系薬、モノバクタム系薬のみならず、キノロン系薬にも耐性を示す菌株が多い。
カルバペネム系薬が治療の中心として挙げられるが、小児用薬であるテビペネムピボキシル(オラペネム)を除き、注射製剤以外の剤形が存在せず、外来治療での有用性が明らかな経口抗菌薬は存在しないのが現状である。
ホスホマイシンと膀胱炎
ホスホマイシンは、大腸菌やブドウ球菌属などに有効で、膀胱炎にも適応があり、経口薬が存在する。
ホスホマイシンは、近年、海外において有用性が注目されてきており、感性を示すESBL産生大腸菌に対して、ホスホマイシントロメタモールの3g単回投与で有効であったという報告がある。
これを国内で認可されている製剤・投与法で再現するには、ホスホマイシンカルシウム塩1回1gを1日3回、2日間投与するのが妥当とされる。
参考書籍:日経DI2012.4
膀胱炎と腎盂腎炎
膀胱炎 家庭の医学 – Yahoo!ヘルスケア
膀胱炎では熱はでません。熱がある時は、細菌が腎盂まで上っていって腎盂腎炎を起こしていると思われます。
知らなかったです。
膀胱炎でも熱が出るものだとばかり。
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ビス剤の内容で不適切なのは

下記は経口ビスフォスフォネート(BP)製剤について記述したものである。不適切な内容はどれか。2つ選べ。
a. 経口BP製剤を服用する際には硬水系のミネラルウォーターは避けた方が良い
b. 経口BP製剤の消化器症状を予防するために食後に服用した
c. 経口BP系製剤を服用した後、直ぐに横になった
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e. 経口BP系製剤による顎骨壊死の発生を防ぐためにデンタルケアを指導した

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