記事
めまいの原因は水分のとりすぎ?
公開. 投稿者:めまい/難聴/嘔吐.この記事は約7分8秒で読めます.
2,967 ビュー. カテゴリ:目次
水毒とめまい
漢方医学的にめまいのことを水毒症といいます。
水毒症とは、体の中の水の流れが滞ってしまったような状態です。
水はからだにとって必要なものですが、過ぎたるは及ばざるがごとし。
水分のとりすぎに注意しましょう。
漢方では、めまいを「水」の流れの異常によるものと考え、「水」の流れを正す苓桂朮甘湯がよく使用されます。胃腸虚弱で冷え性や頭痛を伴う場合には半夏白朮天麻湯、更年期障害で抑うつ傾向のある女性のめまいには加味逍遙散などを使うこともあります。
頭が痛いのは水分のとりすぎ?
漢方の世界では頭痛の原因を「水毒」といって、水分の代謝が悪いことととらえています。
頭痛に使われる主な漢方薬には「川きゅう茶調散」「釣藤散」「呉茱萸湯」などがあります。
水毒とは、漢方医学において、人体に水分が溜まり、排出されないことによって起こるとされる諸々の症状のこと。
冷え・めまい・頭痛・アトピー・鼻炎・喘息・疲労感・頭重感・むくみなどは水毒による症状であることがある。
原因として水分の摂りすぎや運動不足で水分が排出されないことが挙げられる。
特に日本の気候では大気中の湿度が高いため、体内の水分が排出されにくい環境であるといわれている。
水滞(水毒)
水滞とは、体液の偏在が起こった状態をいい、正常であれば水分のたまらない所に余計な水分がたまり各所に異常を来すことである。
また水の変調は、気や血の変調と絡みあって起こることが多い。
自覚症状としては身体沈重感や拍動性頭痛、頭重感、眩暈、眩暈感、立ちくらみ、車酔い、水様性鼻汁、唾液分泌過多、泡沫状喀痰、悪心を伴う嘔吐、朝のこわばり、浮腫、尿量異常、膣水症などがみられ、他覚所見として浮腫や舌腫大、心下振水音、腸蠕動亢進などが観察される。
水滞の治療には茯苓や朮、猪苓などを含有する処方が用いられる。
めまいの原因は抗精神病薬
ふらつきに関しては、抗精神病薬の中枢性のアドレナリンα1受容体の遮断作用と、ヒスタミンH1受容体の遮断作用が関連します。
α1受容体の遮断は起立性低血圧を誘発し、立ちくらみを起こします。
H1受容体の遮断も過鎮静からふらつきを起こします。
α1遮断作用やH1遮断作用はいずれも抗精神病薬の投与初期には注意が払われますが、抗精神病薬を続けていくうちに、慣れにより起立性低血圧を起こす頻度が低下するので、いつのまにか忘れ去られてしまします。
めまいとメニエール病
内耳性めまい疾患では最も古くから知られていた疾患です。聴覚症状として、耳閉感・難聴・耳鳴とともにめまい発作が起こり、数十分から3~4時間、長くても班日くらいのめまいが続きます。落ち着くと耳閉感や耳鳴りが軽快します。これらが繰り返し起きるのが特徴です。めまい発作の数が増えてくるに従い、聴力の回復は悪くなり、難聴が進行します。
原因は、内耳内リンパ水腫が起こるためだと言われていますが、水腫が起こるメカニズムは明らかになっていません。
治療は、病態が内リンパ水腫であることから水腫の改善をさせるためにステロイドホルモン剤、利尿薬を使用します。軽いめまい感が続く場合には抗めまい薬や内耳循環改善薬の投与とともに利尿薬を続け、吐き気が出てくるようであれば酔い止め役を頓服で使用します。耳鳴りやじへいかんのが強くなってくるのはめまいの準備状態でもあるので、精神を落ち着けるようにします。
薬により半年以上聴覚症状が悪化せず、めまいもない時期が続いてくると薬の中止が可能です。しかし、神経質な性格の人はメニエール病にかかりやすいと言われ、そのような人がストレスを与えられると発症しやすいためストレスを与えない環境の整備なども治療には必要です。神経質で不安症な性格の人は治ったからとすぐに薬を中止してしまうことは再発時の不安を逆に煽ってしまい悪化してしまいがちなので、中止する時は3~6ヶ月かけて減量して中止します。
よく使用されるイソバイドは、即効性に乏しい利尿薬で、短期の投与で効果を期待することは難しいです。最低数ヶ月投与して効果を確認します。めまい改善についての効果は大きいのですが、聴覚障害の改善は乏しいという報告があることは知っておいたほうが良いでしょう。
めまいと前庭神経炎
前庭神経炎は、突然強いめまいが始まり、数日~数週間持続します。非常に強いめまいが続き、平衡感覚を司る内耳半規管機能が高度に低下することによって、急な左右内耳機能のアンバランスがおきます。内耳機能の回復が悪い場合にはめまいは長く続き、半規管機能が戻らない場合には内耳機能の左右差が残るために動いたときのふらつきやめまい感が続くことがあります。
めまいと突発性難聴
突発性難聴は、急に耳の聞こえが悪くなるとともにめまいを起こすことがあり数日持続します。
発作時の治療にはステロイドホルモン剤の点滴を行います。半規管機能低下が残る場合には、抗めまい薬と内耳循環改善薬などの薬物治療とともに、運動療法をおこないます。左右の耳の平衡感覚のアンバランスの影響を改善させるための運動を含めたリハビリを行います。こごくことでフラツキをもろに感じてしまうのでどうしても動かない生活をしてしまいがちですが、頭部の動きを与えるリハビリを行うことで、耳だけでなく脳が慣れていきふらつきの軽減を図ることができます。
めまいと良性発作性頭位めまい症
内耳性めまいの中では最も多いめまいの病気です。内耳性めまいの6割がこの病気と言われるほどです。頭を動かしたときにめまいが起こり、安静にしていると起こらないという特徴があります。これは内耳内の傾きセンサーである耳石器から耳石が半規管に入り込んで塊を作り出すことで生じます。内耳半規管の耳石の塊が頭を動かしたときに移動するとめまいが生じます。このため、起床時や寝るとき、髪を洗うとき、うがいするときなどに起こりやすいです。
基本的な治療は耳石を元の耳石器に戻す理学療法、浮遊耳石置換法です。抗めまい薬や酔い止め薬を症状に合わせて投与することもありますが、根本治療にはなりません。あくまで補助的なものです。しかし、浮遊耳石置換法と薬の併用で早期治療を図ることができます。頭部の動きが少ない生活で繰り返しやすいので、普段の運動も再発予防には重要です。
メリスロン
日本で最も一般的に使われている抗めまい薬です。海外ではベタヒスチン二塩酸塩が使用されています。ベタヒスチンメシル酸塩のRCTでは、メニエール病において少なくとも1日あたり24mg以上の服用でプラセボに対するめまいへの有効性が示唆されています。また副作用が多いという印象はありません。
James AL, Burton MJ.Betahistine for Menière’s disease or syndrome.Cochrane Database Syst Rev. 2001;(1)
薬理作用はヒスタミンH1受容体作動作用とH3受容体拮抗作用です。H1受容体作動作用によって脳や内耳の血管を拡張させ、H3受容体拮抗作用で前庭機能の左右差で生じる興奮性のアンバランスを調整することで症状を緩和していると考えられています。
副作用は稀ではありますが、吐き気や嘔吐、発疹などがみられることがあります。
めまいに対する明確な予防効果が確立されている薬ではないので基本症状がなくなれば飲む必要はありません。
セファドール
ベタヒスチンとともに抗めまい薬として、よく使用されています。薬理作用としては、延髄にある嘔吐中枢を抑制することにより、前庭性嘔吐を含む様々な嘔吐を抑制します。このため海外では制吐薬としての適応もあります。比較的短時間で効果が出るので、眠気の少ない、めまい時の頓服としても利用可能で、めまいの原因疾患にかかわらず効果が期待できます。
副作用は抗コリン作用による喉の渇きが比較的頻度が高いです。さらに抗コリン作用があるため緑内障や前立腺肥大症の病気にかかっている方は症状を悪化させる恐れがあり注意が必要です。
ジフェニドールにはめまいの予防効果はありません。喉の渇きの副作用も強く出ることがあるので、ダラダラ飲み続けることはおすすめできません。症状がなくなった時点で中止するのが望ましいです。
アデホス
ATPは体内ですぐにアデノシンになり、プリン受容体を介して血管を拡張させます。これにより椎骨動脈の血流を増加させ内耳の血流循環を改善させることが知られています。
イソバイド
浸透圧利尿薬という分類の薬です。内リンパ水腫が原因となるメニエール病などが適応になります。ブーンという低音の耳鳴りが数時間続くようなめまいであればメニエール病の可能性が高く効果も期待できます。一方で、内リンパ水腫のない他のめまいには無効です。イソソルビドの長期投与は血漿浸透圧を上昇させ、ストレスホルモンの一つである抗利尿ホルモン(ADH)を上昇させるとの報告があります。ADHは近年、メニエール病の発生機序としての関与が示唆されているため、漫然とした長期投与は避けたほうが良いでしょう。
トラベルミン
血液脳関門を通過する抗ヒスタミン薬です。脳幹にある嘔吐中枢に作用してめまいに伴う吐き気や嘔吐を抑制します。
副作用には眠気があります。しかし、めまいの急性期では睡眠も回復のために重要な場合が多いのでこの眠気の副作用を利用することもあります。アレグラなど新しい抗ヒスタミン薬は脳に作用しないため眠気は誘発しないのですが、同様にめまいにも効果は期待できません。また、緑内障にかかっている患者さんには、緑内障を悪化させる恐れがあるため慎重に投与します。ただ、頓用で用いられることがほとんどなので問題になることは少ないと考えられます。
メイロン
めまいの発作の治療として注射で使用します。作用機序については明らかではありません。経験的に汎用されていますが、めまい症状の抑制効果については疑問視されるようなことはありません。メイロンは炭酸水素ナトリウムの濃度が下がると効果が減弱するとされているので、他の輸液や薬剤に混合して投与すると効果が少なくなるので注意です。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。