更新日:2017年1月27日.全記事数:3,089件

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イトリゾールカプセルと内用液は生物学的に同等ではない?


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イトリゾールと食事の影響

空腹時にイトリゾールカプセルを服用すると、食直後に服用した場合に比べて血中濃度が低下し、十分な治療効果が得られない可能性があります。
食事によってなぜカプセル剤のバイオアベイラビリティーが上昇するのかについては、現時点で不明。

難溶性のイトラコナゾールが食事中の脂肪によって溶解したり、胆汁(摂食により分泌が促進される)中の成分によって可溶化されることで、吸収が促進される可能性が考えられます。

しかし、イトリゾール内用液は空腹時に投与したほうが、イトラコナゾールとその主活性代謝産物であるヒドロキシイトラコナゾールの血漿中濃度が、摂食時と比較して高くなります。

イトリゾール内用液の用法は、

通常、成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与する。

イトリゾールカプセルの用法は、

通常、成人にはイトラコナゾールとして100~200mgを1日1回食直後に経口投与する。

空腹時と食直後、の違いがある。

イトリゾールカプセルと内用液の違い

本来、イトラコナゾールは低pH条件で溶解性が高く、また脂溶性であることから、摂食による胃酸分泌の増加や食事の脂肪成分により消化吸収が高まる。
そのため、カプセル剤は食直後投与とされている。

それに対し内用液は、溶解補助剤のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)によりイトラコナゾールが可溶化され、胃での製剤の溶出過程が必要ないため、空腹時でも吸収が高まる。
カプセル剤の食直後投与に比べて、内用液の空腹時投与では、血中濃度が約2時間早く最高値に達し、相対的な生物学的利用率(バイオアベイラビリティー)が1.9~3.2倍上昇する。

血中濃度が高くなるのは、初回通過効果が一時的に飽和状態になるためだと考えられている。
このように内用液はカプセル剤と生物学的に同等ではないため、内用液への切り替え時には血中濃度上昇による副作用の発現に注意する。

イトリゾールカプセルと内用液の切り替え

イトリゾールカプセルの添付文書には、

本剤はイトリゾール内用液と生物学的に同等ではなく、イトリゾール内用液はバイオアベイラビリティが向上しているため、本剤からイトリゾール内用液に切り替える際には、イトラコナゾールの血中濃度(AUC、Cmax)の上昇による副作用の発現に注意すること。また、イトリゾール内用液の添加物であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに起因する胃腸障害(下痢、軟便等)の発現に注意すること。
一方、イトリゾール内用液から本剤への切り替えについては、イトラコナゾールの血中濃度が低下することがあるので、イトリゾール内用液の添加物であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに起因する胃腸障害(下痢、軟便等)による異常を認めた場合などを除き、原則として切り替えを行わないこと。

イトリゾールカプセルと内用液は生物学的に同等ではない。
剤形変更には注意しなければなりませんね。

イトリゾールカプセル→イトリゾール内用液への切り替えは、血中濃度が上昇するので副作用の発現に注意して行う。
イトリゾール内用液→イトリゾールカプセルへの切り替えは、血中濃度が低下するので原則的に行わない。

イトラコナゾールをコーラで服用?

イトラコナゾールカプセル剤をコーラなどの酸性飲料とともに服用すると、AUCは水で服用した場合と比べ2倍以上に増加していた。
同様にコーラで服用した場合、Cmaxは水に比較して有意に高く、Tmaxについても水に比べ延長していた。

イトラコナゾール内用液は、2006年より登場した新薬であるが、これについてはカプセル剤とは対照的に、酸性条件や食物の影響は見られないとされている。
内用液はむしろ、逆に空腹時に服用した方がイトラコナゾールならびにヒドロキシイトラコナゾールのAUCやCmaxが有意に高く、Tmaxは短いことが報告されている。

イトラコナゾールの場合は、カプセル剤の場合は食事とともに服用したり、酸性溶液での服用が薬効の最適化につながる(わが国ではコーラによる服用は胃腸障害など副作用を起こすと紹介されている場合が多いが)と考えられるが、内用液の場合は、逆に空腹時の服用が有効である。

薬物の剤形により食物との相互作用の様態が変化する例として注意しなければならない。

イトリゾールを牛乳で服用?

イトリゾールは脂溶性が高いので、牛乳と一緒に飲むと吸収が上がるという話も。

コーラで飲むと胃腸障害が気になるが、牛乳なら逆に胃腸障害を防げそう。

イトリゾールとH2ブロッカーの相互作用

イトラコナゾールとH2受容体拮抗薬との併用時には、単独投与時に比べ、イトラコナゾールの血漿中濃度が約50%低下した報告があり、この吸収低下を回避する方法として、両剤の服用時間を可能な限りあけることや、酸性飲料での服用が報告されています。

一方、プロトンポンプ阻害薬は作用時間が長いために投与間隔の調節により影響を回避することは難しいとされています。
イトラコナゾール200mg/日とオメプラゾール40mg/日の併用により、イトラコナゾールのAUCが64%、Cmaxが66%低下する結果が報告されています。

参考書籍:日経DIクイズ9、参考書籍:調剤と情報2008.12

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コメント

  1. 私は一時的に駅剤から錠剤に変更してもらいました。
    造血幹細胞移植から約10ヶ月。
    症状は落ち着いてることで、仕事で海外出張のために薬を持って行くのですが。
    液状の薬は以前に一度スーツケースでビンが割れたことあったので、、
    相談したら、吸収率弱くなるけど、水虫とかないな問題ないかなってことで、錠剤で一月いただきました。
    多分来月にはまた戻るのかな。
    そろそろ15ヶ月飲んでますが、大丈夫ですか?

    匿名:2017/1/26

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職業:管理薬剤師
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