更新日:2017年1月22日.全記事数:3,169件.

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アスピリンで血栓ができる?


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アスピリンジレンマとは?

頭痛薬として使われることのあるアスピリンですが、現在は血液をサラサラにする目的で使われることが多いです。
このアスピリンですが、使う量が薬の効果に大きく影響します。

少ない量だと、血栓ができにくくなりますが、多い量だと逆に血栓ができやすくなってしまいます。
これをアスピリンジレンマといいます。

アスピリン・ジレンマとは、アスピリンに期待する抗血小板作用において、用量の多寡によって血小板凝集の抑制と促進という相反する作用が現れることをいいます。

アスピリンは、COXを阻害することで、血小板凝集促進および血管収縮作用を有するトロンボキサン(TXA2)の生成を抑制し抗血小板作用を示します。
また同時に血小板凝集抑制および血管拡張作用を有するプロスタサイクリン(PGI2)の生成も抑制します。

アスピリンはいわば、悪玉(TXA2)と善玉(PGI2)の両方を抑制するわけですが、少量では、TXA2の作用が抑制され、血栓はできにくくなり、大量の投与では、PGI2の作用が抑制され、血小板凝集が生じやすくなります。

ではなぜ、用量の違いによってこのようなアスピリンジレンマが現れるのでしょうか。
それは、TXA2とPGI2の産生細胞の違いが、最も大きな要因です。

TXA2は主に血小板において生成されますが、PGI2は血管内皮細胞において生成されます。
アスピリンは、血管内皮細胞のCOXよりも血小板のCOXに対してはるかに高い親和性をもつため、低用量では血小板におけるCOXの作用のみが阻害され、TXA2の生成が抑制されて、血小板凝集抑制効果を発現します。

しかし、高用量になると血管内皮細胞におけるCOXの作用も阻害されるため、PGI2の生成が抑制されて、血小板凝集促進作用が発現してくるのです。
また、核のない血小板では、アスピリンによって不可逆的に阻害されたCOXの作用が、その血小板の存在する限り代償されないという点も、アスピリンによる血小板凝集抑制作用の重要なポイントの1つです。

このため、アスピリンによる抗血小板作用は、アスピリンの投与後、血小板の寿命である7~10日間は持続します。
なお、抗血小板作用を期待したアスピリンの投与量は、メタ解析の結果からは75~150mg/日が適量として推奨されていますが、各種のガイドラインでは325mg/日が上限とされているものも多く、日本でも1日投与量として324mgまで承認されています。

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