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妊婦は予防接種しちゃダメ?
公開. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約3分57秒で読めます.
1,736 ビュー. カテゴリ:妊婦に禁忌のワクチン
一般に生ワクチンは胎児への影響を考慮して、全妊娠期間を通じて接種は行いません。
特にMRワクチンと風疹ワクチンは絶対に妊娠していない時を選んで接種し、接種後2ヶ月の避妊が必要とされています。
なお、不活化ワクチンやトキソイドの接種が胎児に影響を与えることは考えられていません。
授乳に関しては、ワクチン接種による授乳中止の必要はないと考えられています。
水痘ワクチン
妊婦への接種は禁忌。
妊娠可能な女性は避妊後に接種し、その後も2ヶ月間、妊娠しないように注意する必要があります。
生ワクチンはダメ
一般に生ワクチンは、弱毒ウイルスによって人工的に感染が引き起こされ、ウイルスが胎盤を通過し、胎児にウィルスが移行する危険があるため、原則としては禁忌と考えられています。
胎児への影響としてよく知られているものに、妊娠初期における風疹ウイルス感染による先天性風疹症候群が挙げられますが、風疹ワクチンを接種することにより、これらが起こることは立証されていませんし、現段階では報告されていません。
しかし、それらのウィルスに罹患する危険性の高い場合ではウィルスに罹患することで胎児あるいは妊婦が被ると考えられるリスクと、ワクチンを接種することにより生じるリスク及び利益を考慮して、妊婦へのワクチン接種が決定される必要があります。
インフルエンザワクチンなどの不活性化ワクチンは妊娠中でも接種して安全と考えられています。
妊婦とインフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは不活性化ワクチンであるため、強い全身反応が生じない限り、母体と胎児に異常が出る確率が高くなったというデータは報告されていません。
逆に妊娠期間中にインフルエンザ感染症による自然流産の発生率が高まることがあります。
また妊婦がインフルエンザウイルスに感染した場合、非妊婦に比べて重篤な症状になるという報告もあることから、米国では、妊娠期間がインフルエンザシーズンと重なる女性は、インフルエンザシーズン前にワクチン接種を行うのが望ましいとされています。
インフルエンザワクチンはウイルスの病原性をなくした不活化ワクチンであり、胎児に影響を与えるとは考えられていないので、妊婦は接種不適当者には含まれていません。
添付文書には、「妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。なお、小規模ながら、接種により先天異常の発生率は自然発生率より高くならないとする報告がある。」と記載されています。
「産婦人科診療ガイドライン」では、妊婦はインフルエンザに罹患すると重篤な合併症を起こしやすいことから、妊婦がインフルエンザワクチンの接種を希望する場合は接種してよいとなっています。
現在までのところ、妊娠中にインフルエンザワクチンの接種を受けたことで、流産や先天異常の発生頻度が高くなったという報告はありません。
よって、妊婦自身が希望し、主治医が接種の必要性を判断した場合は、接種することが可能です。
また、授乳婦に対しては、インフルエンザワクチンに限らず、全てのワクチンの接種が可能です。
ワクチンの種類
ワクチンは生ワクチン、不活性化ワクチン、トキソイドに分類されます。
①生ワクチン
免疫のない人に病原性を弱めたウイルスや細菌を接種して、人工的に感染を起こします。
接種後に得られる免疫は強固で、自然感染後に得られる免疫と同等の強さです。
ポリオ、麻疹、風疹、麻疹・風疹混合、おたふくかぜ、水痘、黄熱、BCG
②不活性化ワクチン
ウイルスや最近を精製・処理し、病原性・毒性を消失させ、無毒化させたものです。
日本脳炎、インフルエンザ、狂犬病、B型肝炎、A型肝炎、三種混合DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、コレラ、肺炎球菌、ワイル病、秋やみ
③トキソイド
ジフテリア菌や破傷風菌などの毒素産生能力が高い菌の毒素を精製し、無毒化したものです。
ジフテリア、破傷風、DT(ジフテリア・破傷風)混合
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