2018年9月18日更新.3,327記事.5,530,374文字.

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透析患者は胃薬飲んじゃダメ?

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透析患者と胃薬

アルミニウムやマグネシウムなどは主に腎から排泄されるため、腎機能障害時には体内濃度が高くなることがある。

医薬品としても制酸剤や下剤など、それらの金属イオンを含有するものが少なくない。
特にアルミニウムは骨や中枢神経系に蓄積して定着し、アルミニウム骨症(骨軟化症の一種)やアルミニウム脳症(透析脳症ともいう)の原因になることが知られており、アルミニウム含有製剤は透析患者には原則として使ってはならない。

アドソルビンやスクラルファートといった名前でもアルミニウムが含有されているものがある。

各アルミニウム含有製剤の添付文書上の注意をみると、
アドソルビン:禁忌「透析療法を受けている患者[長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれることがある。]」
アルサルミン:禁忌「透析療法を受けている患者[長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれることがある。]」
つくしA・M 配合散:禁忌「透析療法を受けている患者〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある〕」
バファリン:禁忌「重篤な腎障害のある患者[血中濃度が上昇し,重篤な副作用が発現するおそれがある.]」
バファリン81に含まれるダイアルミネートのアルミニウムは無視できる程度の量かな。

例えばつくしAM散には乾燥水酸化アルミニウムゲルが70mgが含有されている。
WHOではアルミニウムの1週間の暫定耐容摂取量(PTWI)として2mg/体重1kgとしている。
アルミ鍋を使うと、1食当たり約4ミリグラムのアルミを摂取する可能性があるらしい。
水道水中のアルミニウムの規制値は0.2mg/L以下。
医薬品中に含まれるアルミニウム含有量は、食品の比ではない。

マグネシウム製剤(酸化マグネシウム)は主に下剤として広く使われており、腎不全患者では容易に高Mg血症を引き起こすが、その毒性はアルミニウムほどではない(とされている)ため、禁忌ではないが大量投与を避け、血中Mg値をモニターする必要があろう。

以下注意すべきアルミニウム含有製剤

医薬品名成分名
アドソルビン天然ケイ酸アルミニウム
つくしA・M 配合散炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ジアスメン、ケイヒ末、ニガキ末、ショウキョウ末、ウイキョウ末、カンゾウ末、オウバク末
キャベジンUコーワ配合散メチルメチオニンスルホニウムクロリド、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
S・M配合散タカヂアスターゼ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、チョウジ(丁子)末、ウイキョウ(茴香)末、ケイヒ(桂皮)末、ショウキョウ(生姜)末、サンショウ(山椒)末、オウレン(黄連)末、カンゾウ(甘草)末
アルサルミン細粒90%/内用液10%スクラルファート水和物
イサロン錠100mg/顆粒25%/顆粒50%アルジオキサ

透析患者とカマ

透析患者は便秘しやすい。

水分制限しているので、便秘しやすい。
カリメートなどの高カリウム血症の薬を飲んでいると、ますます便秘しやすい。

非水溶性の陽イオン交換樹脂で、体内に吸収されないため。
水分を多く摂取できないため、便秘の症状に合わせた下剤の使い分けが必要です。

浸透圧性下剤や膨張性下剤は推奨されない。
酸化マグネシウムも、腎臓の悪い人だと、マグネシウムが蓄積されて高マグネシウムになりやすいので、投与されないらしい。

禁忌とはなっていませんが。
透析していれば、大丈夫な気もしますが、実際のところどうなのか。

キャベジンコーワ錠にアルミニウムは入っていない?

胃薬にはよくアルミニウムが含有されているので、透析患者には注意を要します。

医療用の「キャベジンUコーワ配合散」の成分は、

メチルメチオニンスルホニウムクロリド 50mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 400mg、沈降炭酸カルシウム 200mg、炭酸マグネシウム 150mg

メタケイ酸アルミン酸マグネシウムというアルミニウムとマグネシウムが入っている成分を含みます。

なので、禁忌の項目に「透析療法を受けている患者〔長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症があらわれるおそれがある。〕」との記載があります。

一方、同じキャベジンでも「キャベジンUコーワ錠25mg」の成分は、メチルメチオニンスルホニウムクロリドだけで、アルミニウムを含有していないため、禁忌の項目には何も記載されていません。

錠剤なら透析患者でも使えるというわけですね。

しかし、OTCの「キャベジンコーワ錠」の成分には

メチルメチオニンスルホニウムクロリド 150mg 、合成ヒドロタルサイト 360mg 、炭酸水素ナトリウム 1500mg 、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 540mg 、ロートエキス3倍散 90mg (ロートエキス30mg) 、ホップ乾燥エキス 30mg (ホップ428.6mg) 、センブリ末 28mg 、ビオヂアスターゼ2000 30mg

としっかり、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが入っております。
医療用が大丈夫だから市販薬も大丈夫だろうという安易な考えをしてはノーです。

添加物のアルミニウム

医薬品の添加物にアルミニウムが含有されているものもある。
OTCのパブロン50には「メタケイ酸アルミン酸マグネシウム」が入っている。
オメプラールには「合成ヒドロタルサイト」が入っている。
いずれも透析患者に禁忌とはなっていない。

無視できる量と解してよいのか。
ベーキングパウダーにもアルミニウムが入っていますが、ホットケーキを透析患者が食べてはいけないということでもないので、その程度に注意が必要と考えればいいか。

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コメント

  1. 叔母が透析を受けています。
    太田胃散をたまに、服用しますが
    ダメだと言っても、聞き入れません。
    胸焼けがする時に服用すると、ゲップが出て
    楽になる様です。
    空腹時なると痛み、食べ過ぎても痛くなります。
    今、処方さいる薬はパリエット錠、ムコスタ錠
    ビオフェルミン錠剤、タフマックE配合カプセルの
    胃腸薬です。
    太田胃散に替わる、薬は何が良いでしょうか?

    島田:2017/4/5

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