2018年9月18日更新.3,327記事.5,530,374文字.

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ホクナリンテープのジェネリックは使えない?

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ホクナリンテープの薬物動態

ホクナリンテープは「結晶レジボアシステム」という特許を取得した徐放化の技術を使っていて、他のメーカーでは採用されていません。

そのためホクナリンテープ以外のジェネリックではすぐに成分が血液の中に入ってしまい、翌日まで有効血中濃度を保てないという問題があるようです。

それ以外に貼り薬では、粘着力の差というのも効果に影響してきます。

ホクナリンテープとその後発品8製剤との水への溶出性を比較した報告によれば、ホクナリンテープは特許を取得した製法により24時間かけて主成分が徐々に水中に放出されるのに対し、後発品は5製剤において、3時間で主成分の大半が放出されることが確認されました。

さらに、後発品1剤についてラットを用いた皮膚移行試験でホクナリンテープと比較したところ、健常皮膚と角質除去皮膚のいずれにおいても、後発品のほうが皮膚移行速度が速いことが明らかになりました。

これらのデータは、汗のかきやすさや皮膚の状態によっては、後発品に変更した際に血中薬物濃度に違いが出る可能性を示唆しています。

結晶レジボアシステム

ホクナリンテープの最大の特徴である結晶レジボアシステム(結晶リザーバーシステム)は、テープからの薬物の放出を制御する技術です。

経皮吸収型テープ製剤には、膏体中に薬物を溶解させているマトリックスタイプと、袋状の貯蔵槽の中に薬物を入れ、そこから膏体中へ薬物をリザーバータイプがあります。

現在は、マトリックスタイプが主流になっていますが、膏体中に含ませる薬物の量が制限されることが問題になります。

膏体中の薬物濃度は、薬物を体内へ移行させていくためのドライビングフォース(推進力)になっており、薬物が吸収されて濃度が低下すると、体内への移行量も減少し、有効血中濃度が維持できなくなります。

この問題を解決するために開発されたのが、結晶レジボアシステムです。

ホクナリンテープはマトリックスタイプですが、膏体に結晶型と分子型のツロブテロールが含まれており、分子型のツロブテロールが吸収されて減少すると、結晶型のツロブテロールが溶出してそれを補い、膏体中の分子型の濃度を維持します。

結晶は、薬物のリザーバーとして機能しており、使用前と使用後の膏体を、顕微鏡で観察して比較すると、使用後の膏体では、使用前と比べて結晶が大きく減少していることがわかります。

つまり、結晶レジボアシステムは、マトリックスタイプとザーバータイプの利点を併せ持っているともいえ、ホクナリンテープは、この結晶レジボアシステムによって、血中濃度を長時間維持し、明け方の喘息発作の抑制などにも対応できるように設計されています。

皮膚の角層はバリア機能を有していますが、その機能が障害されている場合、膏体に含ませている薬物が短時間で経皮吸収されてしまう可能性があります。

しかし、結晶レジボアシステムでは、ラットの正常皮膚と角層を除去した傷害皮膚において薬物の経皮吸収に大きな差はなく、経皮吸収の差が生じにくいことも確認されています。

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