2018年9月18日更新.3,327記事.5,530,374文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ロゼレムは効かない?

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ロゼレムの効果はどの程度?

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比べてロゼレムは即効性がなく、患者の効き目の実感が薄いです。

ロゼレムは、体内時計に働きかけることで、夜になったら眠くなる、という人間本来の生活リズムを取り戻すような薬です。
夜勤の看護婦さんとかで、眠れないけど日中眠らないといけない、というようなケースには使えない。

ロゼレムがどのくらい効くのか、というと、眠るまでの時間が30分から20分になった、という程度らしい。
強制的に体を眠らせるような働きはありません。
朝になったらカーテンを開ける、体を動かす、ラジオ体操をする、というほうが、生活リズムを整えるには有効かと思われます。

ロゼレムはすぐには効かない?

効果発現には1週間投与、効果判定には2~4週間投与が必要。

ラメルテオンの効果については、毎日就寝前に服用することで、通常は投与開始1週間後ぐらいに効果が発現しはじめ、3ヶ月間の投与により概ね最大の効果が得られる。

有効性の判定については投与開始2~4週間後に行うのが望ましい。

投与初期には、翌朝に眠気が残っているケースがあるが、これは体内時計が調節されている段階と推測され、数日で解消されると考えられる。

ロゼレムは寝起きを改善する?

ロゼレムは、従来の睡眠薬と異なり、体内時計の昼夜の同調を促し、生体リズムの乱れを整えて、夜になったら眠くなるように、自然な睡眠覚醒のリズムへと導く薬剤である。
「眠れない」という患者の訴えに対して、「寝つき」ばかりを重視して「寝起き」を軽視してしまう傾向がある。
ロゼレムの服用によって、「寝つき」だけでなく、「寝起き」も改善し、朝の目覚めがよくなる可能性が期待できる。

ロゼレムで時差ボケ改善?

ラメルテオンには体内時計のリズムを変化させる作用が認められている。
午後から夕方にかけてラメルテオンを服用すると、睡眠時間の位相が前進し(朝型化)し、早朝から午前中にかけて服用すると後退(夜型化)する。
このため、時差ボケに対し、ラメルテオンを出発日2~3日前から、到着地で予想される入眠時刻に少量を服用し、到着後も2~3日服用するという方法が提唱されている。

ロゼレムは副作用が少ない?

受容体に作用する薬剤として実用化されているものの多くは阻害薬(アンタゴニスト)です。
阻害薬は一般に、受容体に対する特異性が高く、結合力が強い。
狙った作用をピンポイントに出しやすい。
一方の作動薬(アゴニスト)は受容体に対する特異性が相対的に低いものが多く、想定外の副作用を生じやすいため、実用化へのハードルが低い。

ロゼレムは受容体の作動薬ではあるが、ターゲットであるMT1、MT2受容体の分布が視交叉上核に高密度であるため、あれもこれもスイッチを入れるような節操のないことにはならない。
これで実に都合良く、睡眠という現象にターゲットを絞った作用が実現され、余計な副作用を生じにくいことにつながっている。
もちろん副作用が皆無というわけではなく、傾眠、頭痛、体重増加やうつ病発症のリスクを高めることが指摘されている。

高齢者にはロゼレムがいい?

不眠症の治療において、中心的な役割を果たしている薬剤はベンゾジアゼピン系薬剤である。

近年では、依存性や耐性などの副作用が少ないω1受容体に選択性のある非ベンゾジアゼピン系薬剤も使用頻度が増加しているが、その作用機序は、ベンゾジアゼピン系薬剤と同様である。

一方、ロゼレムは鎮静作用や抗不安作用によらず、MT1受容体およびMT2受容体に選択的に作用し、睡眠中枢を優位に導くことで自然に近い生理的睡眠を誘発することから、以下に示した入眠困難の患者への投与が適していると考えられる。

①初めて不眠に対する薬物療法を受ける患者
②ベンゾジアゼピン系睡眠薬の服用に対する不安が強い患者
③神経症的傾向が弱い、脱力(転倒)・ふらつきのリスクの高い患者
④高齢の患者

ロゼレムでベンゾジアゼピン系からの離脱ができる?

ロゼレムによってベンゾジアゼピン系睡眠薬離脱の可能性が期待できる。

BZP系睡眠薬はその抗不安作用のため、離脱は容易ではないが、BZP系睡眠薬を休薬する際にはラメルテオンを併用し、徐々にBZP系睡眠薬を減量することで、BZP離脱に成功する可能性が期待できる。

睡眠は、睡眠不足を是正しようとする「恒常性維持機構(ホメオスタシス)」と、日常的に夜になると眠るという「体内時計機構」の2つの機構でコントロールされている。
しかし、何らかの原因でこれらのコントロ-ルが崩れると不眠症に陥り、さらに症状が慢性化することで、うつ病などのリスクが高くなることが認められている。
こうしたことから、不眠症は早期に治療する必要があるとされている。

不眠症治療は現在、ベンゾジアゼピン系薬をはじめとする催眠剤を用いた薬物療法が中心となっている。
ただし、ベンゾジアゼピン系薬は、鎮静・催眠作用以外に、抗不安作用、運動障害作用、筋弛緩作用、記憶障害なども有しているほか、長期的な使用による依存性や耐性なども問題となる。近年では、そうした副作用が少ない、ゾルピデム(アモバン)などの非ベンゾジアゼピン系薬剤も登場し、使用頻度も増加している。
ラメルテオンの最大の特徴は、従来のベンゾジアゼピン系薬とは異なり、視交叉上核以外の脳内作用がないことであり、従来の睡眠薬に高頻度で発現していた反跳性不眠や退薬症候がなく、自然に近い生理的睡眠を誘導する。

参考書籍:日経DI2013.11、日経DI2015.11

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コメント

  1. コメントありがとうございます。

    ロゼレムはメラトニン受容体作動薬です。メラトニンという睡眠ホルモンの代わりにメラトニン受容体に働き、睡眠を促す薬です。
    メラトニンは強い光の元では分泌されにくいという特徴を持っています。
    PCや携帯は強い光を発しています。薬の効果がなくなるというよりも、本来持っている自然な眠りを促すメラトニンの分泌を狂わせてしまう、不眠を助長することは考えられます。

    yakuzaic:2017/9/5

  2. 初めまして。大変参考になりました。高2の息子が概日リズム睡眠障害で服用しています。一つ、質問があります。夜8時に服用し、やがて眠気が起き、それを我慢して寝ずに起きていた場合、薬の効果がなくなり、眠れなくなってしまうことはあるのでしょうか? 携帯やPCも、“あと5分”で止めるつもりがどんどん延びている日もあり、心配しております。宜しくお願い致します。

    たかきひろみ:2017/8/31

  3. メラトニンのt1/2はかなり早かったはずです。また、メラトニンよりロゼレムの方がMT3に対する選択性が高いことが報告されています。MT3は脳以外にも分布するため、メラトニンはあまりよろしくないのでは?

    薬学生:2013/7/17

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