更新日:2016年12月21日.全記事数:3,117件.

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長時間型より短時間型睡眠薬のほうが安全?


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転倒の危険性

ベンゾジアゼピン系薬剤では、短時間作用型のほうが長時間作用型より転倒の危険度は低いと考えられていたが、イタリアの研究では、オッズ比は長時間型1.45倍、短時間型1.32倍と有意差を認めていない。

つまり、「短時間型だから安全」とはいえない。

日本でも短時間型の転倒率の高さが指摘されている。

これは急激な血中濃度の上昇により眠気が急速に現れるため、思わぬ転倒につながっているためと考えられる。

よって睡眠導入剤の服薬指導時には転倒防止のため、服用後すぐに布団に入るように必ず指導することが必要となる。

これは年齢を問わない。

長時間型は日中夜間通して転倒の危険性が高く、短時間型は服用後しばらくの時間帯が危険といえる。

短時間型睡眠薬は副作用が多い?

一般的に、長時間作用する薬よりも短時間しか作用しない薬のほうが副作用は少ないと思われています。
睡眠薬の場合は、そうとも言えない。

睡眠には、脳が休息していて比較的深い眠りのノンレム睡眠と、脳が活動している状態のレム睡眠がある。
就寝後は、まずノンレム睡眠になり、その後レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返す。
夢を見るのはレム睡眠中である。

睡眠随伴症状は通常、入眠後早期の、最も深い眠りに至るノンレム睡眠の時間に生じる。
発症メカニズムは明らかではないが、セロトニン神経系の機能異常との関連が示唆されている。

ゾルピデムやベンゾジアゼピン系などのGABAA受容体に作用する睡眠薬による睡眠随伴症状の発現機序としては、次の仮説が提唱されている。
セロトニン神経系はGABAA神経系の制御を受けており、GABAA受容体に作用するゾルピデムやベンゾジアゼピン系の薬物を服用すると、セロトニン神経系の興奮が一過性に高まる。
通常、セロトニン神経系の活性が高まると、自己調節のメカニズムを介してセロトニンの放出は減少するが、このメカニズムが働くまでにタイムラグがあるため、一時的に、セロトニン神経系が活性化した時間帯ができる。
その結果、運動ニューロンの興奮が増加して、通常は睡眠中に起こらない運動が引き起こされることがあると考えられている。

GABAA受容体に作用する睡眠薬のうち、特に、ゾルピデムやトリアゾラムなど消失半減期の短い超短時間型の薬剤は、セロトニン神経系の興奮が一過性に増加したときに、血中濃度が下がっていることが多いため、睡眠随伴症状を起こしやすいと考えられる。
一方、短時間型の睡眠薬については、ブロチゾラム(レンドルミン)で、一過性前向性健忘、もうろう状態の報告があり、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事などを行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。
また、ロルメタゼパム(ロラメット、エバミール)では、夢中遊行症や夢遊症の報告はないが、健忘などの報告がある。

参考書籍;日経DI2013.2

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