2018年11月18日更新.3,346記事.5,747,633文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

クローン病患者に絶食療法?

スポンサーリンク


クローン病患者は絶食?

クローン病の治療では、食事療法として絶食が行われます。
腸管を安静におくことで緩解状態に導入し、炎症が抑えられて症状の改善がみられる。

クローン病では、通常の食事を摂取すると症状が悪化しやすく、再燃率(症状が悪くなる確率)は80~100%と高くなると言われています。
高エネルギー、高たんぱく質、低脂肪、低残渣が基本的な食事療法となります。

クローン病の食事療法では、低脂肪かつ低残渣で、十分なカロリー(1日2000kcal程度)を摂取することです。
脂肪は30g/日よりも少ない方が、クローン病の再燃を抑えられると言われています。
特に肉類の油、バター、卵黄に代表される飽和脂肪酸と、ゴマ油やマーガリン、種実油といったn-6系脂肪酸は炎症を悪化させるので避け、魚介類、菜種油、エゴマ油などのn-3系脂肪酸の比率が高くなるようにします。

低残渣については、海藻、ゴボウ、糸こんにゃくといった不溶性繊維を多く含む食材は避けます。逆にリンゴやバナナといった水溶性繊維を多く含む果物は下痢を抑える効果があるので、勧めるとよいでしょう。
このほか、飲酒や香辛料、喫煙、暴飲暴食も避けるように伝えます。

クローン病患者はタバコ禁止?

潰瘍性大腸炎と異なり喫煙はリスクファクターであり、喫煙者はインフリキシマブ投与例でも効果減弱例が多い。

禁煙は大変重要であり、禁煙により65%再燃のリスクが低下するとも報告されている。

免疫調整薬投与と同等の数字であり禁煙は必須である。

潰瘍性大腸炎と絶食

クローン病においては栄養療法の有効性が示されているが、潰瘍性大腸炎において栄養療法(絶食療法)が有効であるという科学的なデータは示されていません。
潰瘍性大腸炎において、食事が病気の増悪に影響を与えるという明らかなデータは今のところない。

急性増悪基に一時的な絶食や低残渣食を勧めることはあるが、寛解期においては特に制限を設けない。
また、貧血などが認められなければ運動制限もない。
通常通り社会生活を送っていただく。

低残渣食

食事中の繊維成分を抑え、消化管に負担をかけないように調整した食事のこと。

クローン病の薬物療法

・サラゾピリン(SASP)
クローン病や潰瘍性大腸炎で第一選択になることの多い、そしてもっとも使用頻度の高い薬剤である。
SASPは小腸病変よりも大腸病変に対して有効性が高い。
SASPが大腸の細菌で分解されてできる5-ASAが抗炎症作用を発揮するからである。
重篤な副作用はほとんどなく長期間投与されることが多い。
投薬開始時にはこの薬剤の副作用として発疹などのアレルギー症状や男性不妊(精子数減少)のあることを特に丁寧に患者に説明する。
精子数は薬剤を中止すると正常に戻る。

・プレドニン
SASPや栄養療法で治療効果が不十分の場合に使用することが多い。
しかし、副腎皮質ステロイド薬は減量・離脱がしばしば困難であること、そして長期投与になると種々の副作用が出現する。
したがって、副腎皮質ステロイド薬の副作用の軽減のためには局所療法が有効である。
すなわち直腸の病変に対しての局所療法として坐剤(リンデロン坐剤)や注腸用製剤(ステロネマ)がある。

・成分栄養剤
経腸栄養剤のうち、窒素源(蛋白源)が合成アミノ酸のものを、特に「成分栄養剤」といいます。
エレンタールはその代表です。消化を必要とせず、そのまますべて吸収されるので、便にほとんど残りません。

エレンタール
クローン病患者の食事の原則は低脂肪、低残渣、低ミルクである。
ED製剤はその条件をすべて満たしている。
さらにED製剤の窒素源は蛋白やペプチドではなくアミノ酸なので抗原性もほとんど問題にならない。
クローン病患者にとって成分栄養療法は、単に栄養状態の改善だけではなく、腸管病変そのものにも著名な効果がある。

クローン病とクローン人間

クローンと聞くとクローン人間のクローン(clone)を思い浮かべる。

クローン病のクローンは、このクローンとは全く関係ない。

1932年ニューヨーク・マウントサイナイ病院の内科医であったB.B.Crohnらによって初めて報告されたため、報告者の名前をとってクローン病(Crohn`s Disease)と名付けられた。

参考書籍;日経DI2014.4

クローン病(CD)

消化管の慢性炎症性疾患の1つ。
遺伝的素因に環境因子が関与し、腸管免疫の過剰応答が生じて、発症、増悪すると考えられているが、本質的な病因は明らかになっていない。
口腔から肛門まで消化管のどの部分にも病変を生じ得るが、小腸、大腸(特に回盲部)、肛門周囲に好発する。
好発年齢は10代後半から20代で、男女比は2対1。腹痛、下痢、血便、発熱、肛門周囲症状、体重減少などの症状を呈し、寛解と再燃を繰り返して持続するため、QOLが低下し、社会生活が損なわれることも少なくない。
厚生労働省の定める指定難病の1つ。
現時点では根治療法はなく、治療目標は、炎症反応の抑制、組織の治癒、症状の軽減とされる。

・病変は口腔から肛門までの全消化管に及ぶ(小腸から大腸〔特に回腸末端部〕、肛門周囲に好発)
・非連続性の病変(縦走潰瘍、敷石像など)
・消化管壁全層に及ぶ炎症
・栄養障害に陥りやすい
・再燃を繰り返す経過中に狭窄や瘻孔*4、腸閉塞などの腸管合併症をきたす
・主病変(縦走潰瘍、敷石像、狭窄)の存在部位により、大きく〔小腸型〕、〔大腸型〕、〔小腸大腸型〕に分類される

スポンサーリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう
follow us in feedly

最新の記事

人気の記事

最近のコメント

  • 11/11 悪夢をみる薬? (おかる) たいへん参考になりました。 ありがとうございました。。 ...

検索

スポンサーリンク

リンク

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ