更新日:2017年1月2日.全記事数:3,136件.

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胎児に異常が見つかったら中絶する?


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着床前診断と出生前診断の違いは?

着床前診断も出生前診断も、生まれる前に遺伝子検査をして、先天異常が無いかどうか調べる医療技術です。

着床前診断とは、体外受精した受精卵を、子宮内に戻す前に行う診断なので、もし異常が見つかったとしても、中絶の必要はなく、母親の負担はありません。

出生前診断となると、妊娠した後に、胎盤になる絨毛や、羊水に含まれる胎児の細胞、胎児の血液などを用いて、胎児の染色体や遺伝子の異常を調べるため、異常が見つかり出産を望まない場合、中絶しなければなりません。

法的には、出生前診断で異常が見つかった場合でも、中絶は認められていません。

着床前診断で異常が見つかった場合はどうかというと、法的には何も定められていないので自由です。

命の選択というのは難しい問題です。

出生前診断で異常発見し中絶

 胎児の染色体異常などを調べる「出生前診断」で、2009年までの10年間、胎児の異常を診断された後、人工妊娠中絶したと推定されるケースが前の10年間に比べ倍増していることが、日本産婦人科医会の調査でわかった。
 妊婦健診の際に行われるエコー(超音波)検査で近年、中絶が可能な妊娠初期でも異常がわかるためとみられる。技術の進歩で妊婦が重大な選択を迫られている実態が浮き彫りになった。
 調査によると、染色体異常の一つであるダウン症や、胎児のおなかや胸に水がたまる胎児水腫などを理由に中絶したと推定されるのは、2000~09年に1万1706件。1990~99年(5381件)と比べると2・2倍に増えた。
 調査は横浜市大国際先天異常モニタリングセンター(センター長=平原史樹・同大教授)がまとめた。
 全国約330の分娩(ぶんべん)施設が対象で、毎年100万件を超える全出産数の1割をカバーする。回答率は年によって25~40%程度だが、調査では回答率が100%だったとして「中絶数」を補正した。
 人工妊娠中絶について定めた母体保護法は、中絶が可能な条件に「胎児の異常」は認めていない。だが「母体の健康を害する恐れがある」との中絶を認める条件に当たると拡大解釈されているのが実情だ。平原教授は「ダウン症など染色体異常の増加は妊婦の高年齢化も一因だ」と話す。
 調査結果は22日から都内で開かれる日本先天異常学会学術集会で発表される。
 玉井邦夫・日本ダウン症協会理事長の話「個々の選択がどうだったかわからないが、エコー検査が、ダウン症児は生まれてこない方が良いという判断を助長していると考えられる」
 妊婦に十分な説明必要
 出生前診断の結果を受け中絶したと推定されるケースが倍増した背景には、エコー検査の画像精度が向上し、異常が妊娠初期の段階でも把握できるようになったことがある。
 同じ出生前検査でも、腹部に針を刺し、羊水を採取する検査は、流産や死産の危険が約0・5%あることなどから受診率は全妊婦の約1・2%にとどまっている。エコー検査はそうした危険はなく、妊婦健診でほぼ全員が受けている。
 近年、エコー検査で胎児の首の後ろのむくみ(NT)の厚さが一定以上だと、ダウン症など染色体異常や心疾患の可能性が増すことがわかった。
 しかし、検査でNTが厚くても結果的に異常はないことも多い。胎内で成長する間にNTが小さくなることもある。そうした説明や遺伝カウンセリングもなく、突如、医師から異常の可能性を告げられた妊婦が中絶という重大な選択を迫られているとすれば問題だ。
 検査を赤ちゃんの顔が見られるサービスと考える妊婦も少なくない。そもそも「胎児の異常を理由にした中絶は生命の選別につながり、行うべきではない」との指摘もある。妊婦には正しい知識、医師には適切な説明が求められる。(医療情報部 加納昭彦)

 出生前診断 胎児の染色体や遺伝子の異常を調べる検査。エコー検査の他、ダウン症など染色体異常を調べる羊水検査や絨毛(じゅうもう)検査、妊婦への血液検査で胎児に異常のある確率を割り出す母体血清マーカーなどがある。
(2011年7月22日 読売新聞)出生前診断で異常発見し中絶、10年間に倍増 医療ニュース yomiDr.-ヨミドクター(読売新聞)

技術の進歩で異常が発見されやすくなった、と。

高齢出産の増加で、異常が増えている、のも影響してるかな。

経済的理由、とかも、バブル期に比べたら増えてるでしょう。

中絶に対する罪悪感とかも薄れてきてるのかなあ。

中絶なんて可哀想。

生まれてきた方が可哀想。

それぞれが悩んだうえでの結論。

妊婦エコー検査は同意が必要

 妊婦の超音波検査について、日本産科婦人科学会は、胎児の染色体や遺伝子の異常を調べる「出生前診断」になり得ると位置づける見解(指針)案をまとめた。超音波検査は近年、画像の精度が上がり、画像上の特徴から異常が推測できるようになった。夫妻に十分説明し、出生前診断として実施する際は同意を得るよう求めている。
 見解は学会(理事長=吉村泰典慶応義塾大教授)の自主規制としてのルール。今月下旬に理事会で最終的に議論し、4月の総会で正式に決める。
 通常の妊婦健診では従来の出生前診断はしないが、超音波検査(エコー)は実施されている。近年は胎児の染色体の数が多いなどの異常の可能性もある程度わかるものの、医師も妊婦もこれが出生前診断になるという認識は薄い。日本周産期・新生児医学会の昨年の調査では、半数の産婦人科医が妊婦の同意をとらずに検査していた。
 超音波検査で染色体異常がわかる確率は妊婦の年齢などにより違う。検査での異常の可能性の指摘のうち、最終的に異常だったという確率は数%~30%程度。検査で指摘されても、実際は胎児に何の異常もないことが多い。
 こうした超音波検査にルールはなく、染色体異常などが分かった後の夫婦の悩みや疑問に応じる態勢も乏しかった。学会は今回初めて、通常の超音波検査も出生前診断になり得ると明示。出生前診断を目的とせず偶然、異常が見つかった場合でも、告知では十分に説明し、その後の相談にも応じるよう求めた。
 また見解案には、妊婦から採血し、特定のたんぱく質を分析して染色体異常などの可能性を調べる「血清マーカー検査」についての新ルールも盛り込まれた。
 厚生労働省も学会も推進してこなかったが、適切なカウンセリングが十分提供できる場合は「産婦人科医が妊婦に対してこの検査の情報を適切に伝えることが求められる」とした。国内のカウンセリング態勢の整備が進んだことなどを踏まえたという。asahi.com(朝日新聞社):妊婦のエコー「出生前診断になり得る」 学会が見解案 – アピタル(医療・健康)

軽い気持ちでエコー検査して、染色体異常が見つかったらショックです。

医師も告知すべきかどうか悩むのではないでしょうか。

患者のことだけでなく、医師のことを考えても事前に同意を得ておくのは必要かと。

 もともとは安全で健康な出産のために赤ちゃんの発育状況を確認する超音波検査(エコー)。最近は染色体の状態まで推測可能になり両親が深刻に悩む例も増えている。しかし、妊婦の同意を得て検査している医療機関が半数程度にとどまることが、日本周産期・新生児医学会倫理委員会の調査でわかった。同学会は13日、神戸市で開く学術集会で結果を発表し、検査や結果告知のあり方の議論を始める。
 同学会倫理委員会は、安全な妊娠・出産に必要な超音波検査の性能が向上して、染色体異常まで推測できるようになっているため、医療現場での実態を知るために調査した。今年2月、地域の産婦人科医会の協力で東京都や大阪府など4都府県の産婦人科医を対象に調査を実施。170人から回答があった。62%が診療所の医師だった。
 通常の超音波検査で、書面で同意を取っていると回答した医師は7人(4%)、口頭同意は44%で、合わせても半数ほどだった。同意を取っていない医師は42%、無回答が10%だった。
 人工妊娠中絶手術が受けられる妊娠22週未満の超音波検査で、胎児に明らかな異常がある場合、72%の医師が「すぐに専門機関へ紹介する」と答えた。染色体異常は羊水検査をしないと確定診断できず、20%の医師は「羊水検査を勧める」と回答した。22%の医師は、「人工中絶という選択肢があることを説明する」と答えた。
 超音波検査の結果が人工中絶の誘因とならないように、中絶ができない22週以降になるのを待って異常を伝え、「専門機関に紹介する」とした医師も5%いた。
 調査結果をまとめた大阪大総合周産期母子医療センターの和田和子講師は「尿検査ぐらいの軽い気持ちで超音波検査を受ける妊婦さんが多いが、重い結果を伝えられ、深刻な衝撃を受ける夫婦も少なくない。告知後の夫婦に対するケア、知りたくないという権利を守る態勢などが必要ではないか。議論を深めたい」と話している。asahi.com(朝日新聞社):妊婦のエコー検査、同意得て実施は半数 医療機関調査 – アピタル(医療・健康)

エコー検査でダウン症などの染色体異常までわかるらしい。

後頭部のむくみ、後頸部浮腫(NT)が3mm以上だと、ダウン症の可能性が高まるという。

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