更新日:2015年10月22日.全記事数:3,190件.

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下痢にウルソ?


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イリノテカンによる下痢

ウルソを使って下痢になるという話はよく聞く。

胆汁の流れがよくなると下痢になりそう。

そのウルソが抗癌剤による下痢に使われるという話。

質疑応答 2009年3月

Q:抗がん薬のイリノテカンが投与されている患者に炭酸水素ナトリウムとウルソ錠が処方されたが,なぜか?

A:抗がん薬のイリノテカン(トポテシン注,カンプト注)の副作用である遅発性下痢の軽減を目的に使用されることがある。イリノテカンの活性代謝物SN-38は,グルクロン酸抱合体となり不活化されて胆汁排泄されるが,一部は腸内細菌により再び活性体のSN-38となり腸肝循環し,腸管細胞を障害して遅発性の下痢を生じる。その対策として,腸管や胆汁のアルカリ化と排便のコントロールを行い,SN-38の再吸収を遅らせ,排泄を促進すると効果的であるという報告がある。経口アルカリ化として炭酸水素ナトリウム(腸管内のアルカリ化),酸化マグネシウム(排便によるSN-38の排泄促進),ウルソ錠(胆汁のアルカリ化とグルクロン酸抱合体の維持)が用いられる。

抗癌剤の副作用は難しいなあ。

炭酸水素ナトリウムとウルソの処方があったとして、院内で抗癌剤の点滴を受けているとは思い浮かばないな。

ただ、炭酸水素ナトリウムの処方なんてそう出るものでは無いから、今後はピンとくるだろう。

早発型の下痢と遅発型の下痢

イリノテカンによる下痢には、投与中または投与直後に発現する早発型と、投与後24時間以降から数日後に発現する遅発型がある。

前者はイリノテカンのカルバミル基に起因するコリン作動性の下痢と考えられ、多くは一過性で、副交感神経遮断薬が有効とされる。

一方、後者の遅発型下痢は、イリノテカンの活性代謝物SN-38が腸管粘膜を傷害することで起こると考えられている。
イリノテカンは、肝臓のカルボキシルエステラーゼによってSN-38に変換され、さらにグルクロン酸転移酵素UGT1A1によりグルクロン酸抱合体SN-38Gに変換される。
胆汁を介して腸管内に排泄されたSN-38Gの一部は、腸内細菌が産生するβグルクロニダーゼにより脱抱合されてSN-38に変換し、再吸収される。

また、SN-38の構造はpHに応じて可逆的に変化する。
腸管内が酸性に傾くとSN-38の非イオン型が増えるのに対し、中性からアルカリ性ではイオン型になる。
イオン型は非イオン型に比べ、腸管で再吸収されにくく、細胞傷害性も低い。

イリノテカンと併用する薬

ウルソデオキシコール酸と炭酸水素ナトリウムは、それぞれ胆汁と腸管腔内をアルカリ化する作用を持つ。

酸化マグネシウムは、炭酸水素ナトリウムによる便秘を防ぎ、SN-38を含む便の排泄を促すために使用する。

このほか、SN-38Gの脱抱合を抑制する効果がある半夏瀉心湯を用いることもある。

参考書籍:日経DI2013.9

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