更新日:2015年10月22日.全記事数:3,136件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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副作用の発現率は何%?


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副作用の発現率

添付文書には医薬品の副作用発現率が○○%と明記されている。

しかし、これは「この医薬品により○○%の人が副作用を発現する」という意味ではない。

この数字にどのような意味があるのかをよく理解しておかなければ大きな誤解の基となる。

添付文書の副作用情報の基となるデータは、承認時までの治験および市販後の使用成績調査において収集されたものである。

しかし、ここで言う「副作用」は薬物投与後に起こったすべての有害事象であって、医薬品と関係のない被験者自身の体調変化や疾患自体による影響、疾患の増悪などがすべて含まれている。

真の「医薬品の副作用」の頻度は、プラセボとの二重盲検比較試験におけるデータを比較するとある程度推定できるが、それぞれの副作用項目になると、症例数が少なくはっきりしたことは言えない。

新薬の副作用情報では、承認時までの治験データをまとめたものが用いられる。

治験ではいくつかの用量が用いられているが、通常、薬物投与例としてまとめて示されることが多い。

治験と市販後の使用成績調査では副作用の検出率が大きく異なる。

治験では治験薬の副作用に対して患者も医師も非常に敏感であり、少しでも症状があればすべて副作用としてとりあげられる傾向があるので、一般に副作用発現率が高い。

これに対して、市販後の調査では副作用に対してある程度気にするにしても、治験時と比較するとその程度ははるかに低い。

従って、治験に比べて市販後の使用成績調査の副作用発現率は一般にかなり低くなる。

現在の添付文書には、承認時までのデータと市販後のデータが別々に記載されることが多いが、以前はまとめて示されていたため、新薬ほど副作用頻度が高く示されるといったことになっていた。

メタ解析

メタアナリシスとは過去に行われた複数の研究結果を統合し、より信頼性の高い結果を求めること、またはそのための手法や統計解析のこと。

メタアナリシスは単独研究よりも信頼性が高いとされる。

バイアス

バイアスとは偏りのこと。

研究者がポジティブな結果が得られたときにのみ発表する「報告バイアス」。

学会誌等の編集者が,統計学的に有意な結果の得られていないものはリジェクトする「出版バイアス」。

例えば、新薬に効果があることを実証したい研究者が、効果が出た、という結果が出るまで研究を続けるみたいな。

出版バイアス

出版バイアスとは、否定的な結果が出た研究は肯定的な結果が出た研究に比べて出版され難いことによるバイアスのこと。

この出版バイアスがメタアナリシスの限界とも言えるのですね。

お蔵入りバイアスとも言います。

出版バイアスのかけられた論文を集めてメタ解析しても意味が無い。

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