2024年3月28日更新.2,749記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

錠剤を砕いて飲んでもいい?

【PR】

錠剤が飲めない?

お子さんで錠剤が大きくて飲めないから砕いて飲んだ、という人がいます。

錠剤のまま飲んでも、砕いて飲んでも効果は同じ、と思っているようです。

ほとんどの薬はそうです。砕いて飲んでも構わないものが大半です。

苦味があるので、コーティングされているものは多いですが、苦味さえ我慢できれば粉砕しても問題ないでしょう。

しかし、薬を砕いたら効果に影響が出てしまう薬、というものもあります。

徐放錠と呼ばれるものや、腸溶錠と呼ばれるものは注意が必要です。

徐放錠は、薬が少しずつ溶け出すように製剤設計されている薬で、本来1日3回飲まないといけない薬を、1日1回の服用にしたものなどがあります。粉砕すると強く効きすぎて副作用が出たり、薬の効果がすぐに切れてしまうということになります。

腸溶錠は、胃酸で効果が弱くなってしまうような薬を、胃酸の影響を受けずに腸まで届けるために製剤設計してある薬なので、粉砕してしまうと効果が弱くなってしまいます。

粉砕してはいけない薬?

「粉砕」に関して添付文書に記載のある薬を調べる。

医薬品名添付文書の記載
アサコール錠400mg本剤は放出調節製剤であることより,かまずに服用すること。また,乳鉢による粉砕は避けること。
シナール配合錠/シナール配合顆粒配合時の粉砕は避けること。
スタリビルド配合錠粉砕時の安定性データは得られていないため,本剤を粉砕して使用しないこと。
スローケー錠600mg粉砕して調剤しないこと。
チアトン顆粒2%顆粒は調剤時粉砕を避けること.
ノイロトロピン錠4単位本剤はフィルムコーティングを施しているので、粉砕混合は避けること。
ノウリアスト錠20mg本剤は光安定性の確保のためフィルムコーティングを施しているので、粉砕して使用しないこと。
バリキサ錠450mg本剤には催奇形性及び発がん性のおそれがあるので、錠剤を割らないこと。また、粉砕しないこと。やむを得ず割った場合及び粉砕した場合は、皮膚や粘膜に直接触れないこと。もし、触れた場合は石鹸と水で十分に洗浄し、眼に入った場合も水で十分に洗浄すること。
パンスポリンT錠本剤は苦味防止の目的でフィルムコーティング錠としているため、粉砕して使用しないこと。
フォスブロック錠250mg口中に長く留めていると膨潤するため、咀嚼せず速やかに嚥下させること。なお、粉砕しての服用は避けること。
プロペシア錠本剤を分割・粉砕しないこと。
ペルマックス錠本薬の動物試験で眼刺激性及び吸入毒性が認められており、また、本剤の粉砕時に眼刺激、異臭、頭重感等が認められたとの報告がある。このため、粉砕は避けること。
ペンタサ錠本剤は二分割して服用可能であるが、放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
ラジレス錠150mg本剤を分割、粉砕しないこと。
レナジェル錠250mg口中に長く留めていると膨潤するため、咀嚼せず速やかに嚥下させること。なお、粉砕しての服用は避けること。

【PR】
薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

【PR】

2 件のコメント

  • ぶたさん のコメント
         

    60才女性です。30代で癌になり以後他の癌にならない様気をつけています。今、ノイロトロピンとクレストールを着色料の発ガン性が怖くて、砕いて飲まない様注意書きがあるにもかかわらず着色されている表面を溶かして取って飲んでいます。そのまま飲んだ時より胃の具合が悪いのですが、これはよくないでしょうか?微量だから大丈夫という人もいますが一生飲む物なので、すごく抵抗があります。薬効面と発ガンの怖さ天秤にかけても結論が出ず悩んでいます。yakuzaicさんは薬の着色料の安全性についてどう思われますか?他の所を見ずにここだけ見て質問してるので、ピントがずれてるかもしれませんがよろしくお願いいたします。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    薬の着色料の安全性について、ですが、あまり気にしていませんでした。

    おそらく自分が癌にかかっていないので、楽観的になれるのだと思います。
    もし、癌になってしまったら、少しでも長く生きられるように、あらゆる危険性を排除したいという気持ちになる、かも。

    個人的には、医薬品として用いられている量であれば、そんなに大量にならないし、問題ないだろうと思います。
    もし、医薬品として販売されているもので、着色料の含有量が多く、発がん性が危惧されるようなものがあれば、そのような副作用報告が上がってくるであろうと思われ。
    食品よりも医薬品のほうが厳しいでしょうし。

    このとおり自分も「微量だから大丈夫」派なのですが、恐らくこれで悩みが解決されるとは思えません。

    ノイロトロピンやクレストールを使用時に粉砕して飲んでも薬効上の問題は無いかとは思います。
    しかし、表面部分を削って、量が少なくなれば、期待されている薬効は発揮できないかも。
    それ以前に、着色料が入ってるのって表面部分だけでしたっけ?中身も色ついてませんか。

    着色料の入っていない白色の錠剤は無いか、医師にご相談されてはいかがでしょうか。
    クレストールには同じ系統の薬が何種類かありますし。
    ノイロトロピンは、そのような不安を抱えてまで続けて服用するべき薬なのか、医師に確認したほうがよさそうですし。

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


カテゴリ

本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
プライバシーポリシー
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

最新の記事


人気の記事

検索

【PR】