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モーラステープは妊婦に禁忌?

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妊婦とモーラステープ

妊娠中の飲み薬には当然気をつけると思いますが、湿布などの貼り薬でもお腹の赤ちゃんに影響が出ることがあります。

モーラステープの添付文書が、2008年12月に改訂され、慎重投与の項に「妊娠後期の女性」、妊婦・産婦・授乳婦などへの投与の項に「本剤を妊娠後期の女性に投与したところ、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある」という注意書きが追記されました。

NSAIDsはプロスタグランジンの合成を抑制することで鎮痛・抗炎症作用を発揮しますが、胎児の動脈管を収縮・閉鎖させる働きもあります。
特に妊娠後期は、胎児のNSAIDs感受性が高まり動脈管が閉塞しやすい状態になります。

たかがシップ、と痛み止めの貼り薬を家族で共用するケースがありますが、とくに妊婦に対しては、安易に譲り渡すことは止めましょう。

2014年3月、厚生労働省はテープ剤やクリーム剤などケトプロフェンの全ての外皮用剤(エパテック、セクター、ミルタックス、モーラス他)について、妊娠後期の女性への使用を禁忌とし、また妊娠中期では必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用する旨を添付文書に追記するよう指示した。

これは、ケトプロフェンのテープ剤を使用した妊娠後期や中期の女性において、胎児に悪影響を及ぼす副作用症例が報告・集積されたことを受けた措置である。
ただ、報告された悪影響は、妊娠の時期により異なる。
妊娠後期における使用では、胎児動脈管収縮に関連した副作用が問題となった。
動脈管とは、肺動脈と大動脈をつなぐ血管で、胎児期にのみ開存しており、出生後は12時間程度で閉鎖する。

なぜ胎児にだけこのような血管があるかというと、胎児は羊水中で呼吸をしておらず、胎盤を通して血液中の酸素を供給されているため、心臓から肺へ血液が流れる必要がない。
そのため、血液の一部は「心 臓から肺に行く肺動脈」から肺へ行かずに、動脈管を通って「心臓から全身に行く大動脈」に流れるのである。
胎児が子宮内にいる時には、血管拡張作用などを持つプロスタグランジンなどにより動脈管の開存が保たれている。
しかし、妊娠後期の女性に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を全身性に投与すると、プロスタグランジンの産生が妨げられて胎児の動脈管が収縮し、胎児死亡などを来し得ることが古くから知られており経口剤や注射剤などの使用は以前から禁忌とされていた。

一方、経皮的な投与ではNSAIDsの作用は局所にとどまると考えられていて、これまでは禁忌とされていなかった。
しかしケトプロフェンのテープ剤を使用した妊娠後期の女性で胎児動脈管の狭窄や閉鎖を生じた事例が14年1月までに4例報告され、うち1例は「1日1枚を1週間」という少量・短期間の使用による発生例だったため、妊娠後期の女性に対する使用が禁忌とされたのである。
また、ケトプロフェンのテープ剤については、妊娠中期の女性への使用で羊水過少症が生じた事例が1例報告されている。
そのため今回の改訂指示では、妊娠中期に対して慎重投与とされた。

なお、インドメタシンなどケトプロフェン以外のNSAIDsについては、妊娠後期の女性に対する外皮用剤の使用は禁忌とはされていない。
ただ、添付文書には今回、類薬で胎児動脈管収縮が生じたことへの注意を喚起する文言が記された。
今後の症例の集積状況を注視する必要がある。

胎児動脈管とNSAIDs

胎児の呼吸器系、泌尿器系、消化器系といった機能は、臍帯を通した胎盤に依存している。
臍帯には胎盤で酸素化された血液が流れる臍静脈(1本)と、全身に流れた血液が内腸骨動脈から静脈血として胎盤に戻る臍動脈(2本)が走っている。
臍静脈は胎盤で酸素化された酸素分圧の高い血液(動脈血)が流れており、これが静脈管→下大静脈→右心房を経て、卵円孔を経て左心系に入る。
一方、上大静脈から右心房に流入した酸素分圧の低い血液(静脈血)は、右心房から駆出されると、血管抵抗の高い主肺動脈をバイパスして大動脈弓に流入する。
このバイパスが胎児に特有の動脈管である。
動脈管を流れる血液は酸素分圧が低く、これは胎生期に動脈管が収縮することなく維持できる要因のひとつと考えられている。

動脈管は生後急速に閉塞し、肺呼吸・肺循環が確立する。
妊娠満期に近づくと、動脈管は隣接する肺動脈や大動脈に比べ厚い中膜をもつようになり、生後肺呼吸が始まると動脈血酸素分圧の上昇に伴って強く収縮する。
その後、機能的に閉鎖した動脈管の血管壁内で内皮細胞の増殖、平滑筋細胞の遊走やアポトーシス、線維化などのリモデリングが進展し、通常ヒトでは生後2~3日で器質的な閉鎖が達成される。
早産児の動脈管は動脈血酸素分圧が上昇しても器質的閉鎖に至らず再開通し、新生児の呼吸循環動態に悪影響を与える。
これを動脈管開存症と呼ぶ。
反対に、なんらかの要因で動脈管が出生前に閉塞してしまうと、肺性の高血圧をきたし、心不全から胎児死亡にいたる恐れもある。

動脈管の開通状態は弛緩因子と収縮因子のバランスによって調節されていると考えられている。
弛緩因子の代表はプロスタグランジンE2と一酸化窒素で、一方収縮因子としては酸素とエンドセリンが挙げられている。

プロスタグランジンE2はプロスタグランジン受容体(主としてEP4受容体)に結合し、Gs蛋白を介してアデニル酸シクラーゼを活性化させ、血管平滑筋細胞内のcAMP濃度を上昇させることによって動脈管を強力に弛緩させる。
胎生期の動脈管に作用するプロスタグランジンは、胎盤に由来するものと動脈管の血管壁内で産生されるものとがあるが、妊娠末期では量的に前者の寄与が大きいとされている。
その一方、酸素は動脈管平滑筋細胞のミトコンドリアの電子伝達系に作用して、膜電位依存性カリウムチャネルの不活化、次いでL型カルシウムチャネルの開口が起こり、細胞内カルシウム濃度が上昇して、血管収縮にいたると考えられている。
すなわち出生とともに弛緩因子であるプロスタグランジンが胎盤から供給されなくなり、肺呼吸の開始に伴って収縮因子である酸素が増加することで、胎児動脈管の血管トーヌスバランスは瞬時にして収縮へと向かう。
出生後の機能的動脈管閉鎖の機構は、大まかにこのように理解されている。

以上から、妊娠末期にNSADsを投与すると胎児動脈管収縮がみられることがあるのは、動脈管の主要な弛緩因子であるプロスタグランジンの産生が抑制されるためであると考えられている。
この効果を逆用して、インドメタシンやイブプロフェンの注射薬は新生児動脈管開存症の治療薬として用いられている。

羊水とNSAIDs

羊水は羊膜腔を満たして胎児を包む液体で、母体と胎児にとって極めて重要な役割を果たしている。
羊水中には各種電解質、ブドウ糖、タンパク質、脂質をはじめ、種々のホルモン、成長因子、酸素のほか、尿素、尿酸、クレアチニン、ビリルビンなど、非常に多くの物質が含まれている。
これらの成分は母体血・胎児血からの漏出や胎児からの排泄、胎盤あるいは脱落膜からの分泌により羊水中に移行し、一部は母体循環に吸収される。

羊水は常に産生と吸収という循環を繰り返しており、羊水量の異常は、過多であっても過小であっても、胎児の重大な問題を反映していると考えられる。
胎児は少なくとも妊娠12週ごろから羊水を嚥下していると考えられており、妊娠満期の近傍では嚥下の回数や量が増えることも知られている。
一方、羊水の起源は、妊娠初期には絨毛膜や羊膜を通して母体血漿が滲出した液、胎児血漿が未成熟の皮膚から滲出した液などであると考えられているが、妊娠4か月半ばからは胎児の尿が占める割合が大きくなる。
破水以外で羊水が過小となる要因としては、胎児腎尿路系の器質的異常(腎の形成不全、尿路閉鎖等)や、胎児の尿産生減少などが挙げられる。
NSAIDsは胎児の腎血流量を低下させ、胎児尿の産生を減少させることで、羊水過少をきたす可能性があると考えられている。

妊婦にボルタレンゲルは禁忌か?

妊婦に対して禁忌な外用剤としてはプロトピック軟膏やプロスタンディン軟膏があり十分な注意が必要です。

また、ボルタレンゲルは禁忌になっていませんが錠剤および坐剤は禁忌になっています。
ボルタレンゲルは添付文書では腰に広範囲に塗布する場合、3~5cmチューブより絞り出して使用するように説明されています。

5cmの重量は1.2g前後ですから、1日3回塗布すると3.6g前後となります。

ボルタレンゲルのインタビューフォームでは7.5g(有効成分75mg)塗布後の血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)はボルタレン錠25mg内服後の1/30に過ぎないことから、ある程度広範囲に塗布しても問題ないと考えられます。
ただし、密封療法(ODT)で誤って使用すると蓄積し、錠剤よりも血中濃度が上昇してしまうので正しい服薬指導が必要です。

参考書籍:日経DI2014.8

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喘息患者に禁忌の心不全薬は?

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薬剤師

下記の心不全治療薬の中で添付文書上、気管支喘息の患者に対して禁忌の薬剤はどれか。
A. フロセミド
B. スピロノラクトン
C. エナラプリル
D. カルベジロール
E. ビソプロロール

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