ジスロマックＳＲを飲み残したら？

ジスロマックの飲み残し

ジスロマックＳＲは１回使い切りの抗菌剤。
１回だけ飲ませればいい、というのは高齢者に飲ませるときに便利。
施設なんかで特に重宝されている。

と思いきや、とっても飲みにくい薬。
医師は「錠剤が飲み込めない」という介護者の訴えを聞いて、じゃあドライシロップで、という安易な発想からこのジスロマックＳＲを処方してくることがある。

ジスロマックＳＲの用法及び用量に関連する使用上の注意

3.本剤は、食後2時間以上の空腹時に服用する。服用後は、次の食事を2時間以上控えること。
4.本剤を懸濁する際は、容器の目盛りを目安に適量の水（約60mL）で十分に振とうした後、速やかに服用すること。また、本剤を完全に服用すること。

これが結構難しい。

施設で、夕食の２時間後に、しかも嚥下困難のある高齢者に飲ませる場合、６０ｍＬは多い。

そのままだとむせてしまうので、とろみ剤を使ったりする。
もともと嚥下困難でとろみ剤を使わないと飲めないことも多い。
それもまたお腹いっぱいになってしまう要因。
空腹時服用の薬にとろみ剤を混ぜていいのかどうかもわかりませんが。

時間をかけてチビチビと飲ませていると、何時間も過ぎてしまったり。
飲み残したら、あとで飲ませるそうな。

インタビューフォームには、懸濁直後及び懸濁後12時間で、明確な品質の変化は認められなかったとあるので、水に混和したのであれば問題は無さそう。

本剤は水を加えて振とうすることにより、白色～淡黄色の懸濁液となる。懸濁液を放置すると分離してしまい、残さずに飲みきることが難しくなることから、懸濁後は速やかに服用することとした。

ポリエチレン瓶中における本剤の懸濁後の安定性は、室温保存12時間後の評価において、明確な品質の変化は認められなかった。

ジスロマックＳＲはなぜ空腹時服用？

ジスロマックＳＲは食事の影響を受けやすく、食後に服用すると空腹時に比べてＣｍａｘが約２．２倍に上昇し、下痢などの副作用が起こりやすくなります。
そのため、空腹時に服用します。

添付文書の使用上の注意欄には、「食後２時間以上の空腹時に服用し、服用後は次の食事を２時間以上控えること」と記されています。

ジスロマックSRは空腹時の環境下でアジスロマイシンがマイクロスフェアから徐々に放出されるよう工夫されている。食事の摂取により本剤の胃内の滞留時間が長くなるなど、胃内環境の変化によりアジスロマイシンの放出が促進されることから消化管系有害事象の増加傾向が認められているため、食事の影響がない「食後2時間」に服用する。

下痢するから空腹時服用ということですね。
効果については問題ない。
たとえばうっかり服薬後1時間半くらいで食事したとしても、下痢について注意すればいいだけ。

ジスロマックＳＲは２グラム？

ジスロマックSR成人用ドライシロップ2gという薬があります。
２グラムかあ、2グラムにしては多いな。
と、思っていたら、力価で2グラム。つまり2000ｍｇだそうで。

じゃあ、実際の量はどのくらいなんだと添付文書をよく読むと、「本剤は白糖（約20g）を含む」という記載が。
20ｇ以上はある。「薬局のオモテとウラ」さんで実際に計っていましたが、25グラムだそうです。
大量だね。
このままじゃ飲めない。

ジスロマックＳＲは苦くない？

ジスロマックＳＲはドライシロップで、そのまま服用せず、水に溶かして服用します。
その量は60ｍＬ。

ジスロマック小児用ＤＳの苦味を考えると「ウゲッ」っとなりますが、ジスロマックＳＲはマイクロスフェアに封入することで、マクロライド特有の苦味を抑えたとのこと。