更新日:2017年1月22日.全記事数:3,168件.

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NSAIDsで不妊症になる?


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NSAIDsで不妊症?

女性の方では生理痛のとき、痛み止めを飲んでいる人は多いと思います。

2001年4月、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を長期間服用していた女性で一時的な不妊が認められたという海外での症例報告に対応して、厚生労働省はNSAIDsの添付文書を改訂するように指示した。
これを受けて各メーカーは、NSAIDsの添付文書に「非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある」という注意書きを追記した。
添付文書改訂の根拠になった研究では、酸性NSAIDs(インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、ピロキシカム、ナプロキセンほか)を 数年間服用していた関節リウマチなどの炎症性関節疾患の女性患者で不妊状態が出現し、その後、同剤の服薬を中止したところ正常に妊娠したことが報告されている。

このNSAIDs服用による不妊は、NSAIDsがシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用を介してプロスタグランジンの合成を阻害することに関係していると考えられている。
NSAIDsが阻害するCOXには、COX1とCOX2の二つのアイソザイムがあるが、排卵前期の卵胞にはCOX2が発現し、これが排卵を促進する働きのあるプロスタグランジンE2の合成を促進する。
そのためNSAIDsを服用する と、COX2が阻害されて卵胞が成熟しても排卵されないまま黄体化する状態が続き、その結果、不妊が起きると推測されている。

NSAIDs貼付剤にもリスクはあるか?

これまでの研究では、NSAIDsによる不妊は可逆的なものであるとも報告されており、短期間の服用後に影響が残ることは考えにくい。
また貼付剤では、一般にパップ剤から血中に移行するNSAIDsの最は非常に少なく、排卵に与える可能性はほとんどないと考えられる。
実際、これまでの報告例は、いずれも経口剤の服用者である。
また、添付文書の改訂が行われたのは、NSAIDsの経口剤、注射剤、坐剤、注腸軟膏剤だけであり、パップ剤などの局所外用剤には改訂が求められていない。
従って、貼付剤による不妊の可能性については、 あまり心配しないようにアドバイスするのが妥当だろう。

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションSTANDARD篇

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