更新日:2017年1月21日.全記事数:3,190件.

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甲状腺は全摘したほうがいい?


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甲状腺は無くても大丈夫?

甲状腺癌やバセドウ病などで甲状腺を全摘出することがあります。

甲状腺が無くなっても生きていけます。

しかし、甲状腺ホルモンが無いと生きていけないので、甲状腺ホルモンは薬で補う必要があります。

甲状腺ホルモンが全く無くなると1ヶ月くらいしか生きられないといわれています。

一生薬を飲み続けるのは嫌だな。
半分くらいの切除で済ませたい。

甲状腺切除と低カルシウム血症

バセドウ病(甲状腺機能亢進症)では一般に薬物療法が行われるが、⑴抗甲状腺薬による副作用発現例、⑵腫瘍の合併例、⑶コントロール不良な若年者、⑷短期間での治療を希望する患者-などの場合は、甲状腺摘出手術が施行される。
通常は、甲状腺の一部を亜全摘術が選択されるが、再発を防ぐためんは甲状腺を広範囲に切除しなくてはならず、術後に甲状腺機能低下症を起こすことが比較的多い。
その場合、甲状腺機能が正常に回復するまでの間、甲状腺ホルモン薬であるレボチロキシンナトリウム(チラーヂンS)を補充する治療が行われる。
加えて、術後約7~8%の患者では亜全摘術に伴い副甲状腺の血流が一時的に障害され、副甲状腺機能低下症を発現することが知られている。

副甲状腺は甲状腺の背面にある米粒大の4つの臓器で、副甲状腺ホルモンの合成・分泌を行う。
副甲状腺ホルモンには骨吸収の促進、腎臓のカルシウム再吸収増加などの作用があり、血中カルシウム濃度を上昇させる働きがある。
またビタミンD3の活性型である1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロールの生成を促進して腸管からのカルシウム吸収を増加させることも分かっている。
従って、副甲状腺の傷害により副甲状腺ホルモンの分泌が減少すると、血中カルシウム濃度が低下し、口唇周囲や手指先端の痺れ感・違和感などの症状が出てしまう。

さらに減少が著しい場合はテタニー、全身痙攣、呼吸困難などを生じる。
テタニーとは筋肉が持続的に強直・収縮する状態で、特に手指に現れやすい。
指関節が伸展するのに中手指節関節で屈曲する「助産婦様手」という特徴的な所見を伴うこともある。
これらの症状を防ぐために、一般に活性型ビタミンD3製剤やカルシウム製剤が投与される。
活性型ビタミンD3製剤は小腸からのカルシウムの吸収、腎におけるカルシウムの再吸収を促進する働きがあり、治療で中心的な役割を担う薬剤である。
アルファカルシドール(アルファロール、ワンアルファ)であれば、1~4μg/日程度用いる。

一方、カルシウム製剤は術後早期の段階では活性型ビタミンD3製剤と併用されるが、その後はしびれがある場合に追加するなど補助的に使用されることが多い。
カルシウム製剤を用いると、容易に高カルシウム血症や高カルシウム尿症を招くからである。
高カルシウム血症の主な症状には食欲不振、悪心・嘔吐、疲労感、口渇、便秘があり、重篤な場合は意識障害を起こす。
特にカルシウム製剤の服用中は、これらの副作用症状にも注意をしなくてはならない。

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇

甲状腺の手術療法

外科的に甲状腺を摘出する。

適応はアイソトープ治療とほぼ同じだが、禁忌、年齢制限がない(アイソトープ治療の禁忌は妊婦、妊娠している可能性のある女性、近い将来妊娠する可能性のある女性である。18歳以下は発がんの可能性が否定できないため原則として禁忌になっている。)。

以前は甲状腺機能低下症にならないように甲状腺を少量残していた。

しかし、少量残したがためにバセドウ病を再発し再度抗甲状腺薬を服用する患者がいるため、現在では、手術後の再発を防ぐという目的から甲状腺全摘術を選択する病院も少なくない。

合併症は稀だが、反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症がある。

反回神経麻痺

迷走神経の枝である反回神経に麻痺が生じ、喉頭の主な筋肉の運動が障害される。

抗甲状腺薬はいつまで続ける?

初期量(メルカゾール30mg/日、プロパジール300mg/日)から服用を始め、甲状腺ホルモン値がほぼ正常に戻ったら徐々に減量し、維持量(メルカゾール5~10mg/日、プロパジール50~100mg/日)の服用を続けます。

2年後には約半数の患者が抗甲状腺薬の服用を中止できます。
抗甲状腺薬が最終維持量に達した場合、1~2年継続後に中止されます。
約2年間服用しても休薬の見通しが立たない場合には、他の治療を考慮しなければなりません。
しかし、実際にはバセドウ病患者の30%は2~3年の服用で終了しますが、5~10年以上服用を続ける患者も少なくありません。

寛解して投与が中止されても再発することがあり、定期的な甲状腺ホルモン値の測定が必要です。

血中FT3、FT4が正常化したら、甲状腺機能を正常に維持しつつ抗甲状腺薬の投与量を減量していく。
抗甲状腺薬を内服してから2年で約半数が薬を中止できる。
しかし、薬をやめてから2年以内に約4人に1人が再発(寛解率は30~40%)する。
したがって、甲状腺ホルモンの量を正常に保つために薬を一生続けなければならない場合もある。

治療前に薬を中止できるかできないかを予測することは困難だが、甲状腺重量が100gを超えるような大きなものは寛解が得にくいことがわかっている。

参考書籍:ファーマトリビューン2011.6

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