更新日:2017年1月21日.全記事数:3,124件.

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重症低血糖が増えている?


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重症低血糖が増えている

糖尿病治療薬による低血糖という問題は以前より存在していたが、近年糖尿病患者に対してより厳格な血糖コントロールが推奨されるようになったこともあり、糖尿病治療薬による重症低血糖の患者数が年々増えてきている。

重症低血糖とは、「血糖値が50mg/dL以下で意識障害をきたし、受診・治療に第三者の援助を必要とする低血糖」と定義されることが多い。

低血糖による脳障害は、血糖値改善後、しばらくして意識が改善する可逆的な脳障害と血糖値改善後も意識障害が残る不可逆的な脳障害の大きく二つに分けられ、臨床現場で遭遇する低血糖症はほとんどが前者であるが、後者の中には意識障害が遷延し植物状態に至る重篤な後遺症を残す症例や肺炎などを併発し死亡する症例も存在する。

重症低血糖患者の大半はSU薬を内服している高齢者である。

しかし、その現状は糖尿病治療の現場でまだ十分に認識されていないように思われる。

厳格な血糖管理

2008年に海外にて高齢の糖尿病患者に対して厳格に血糖を管理して予後を評価したACCORD、ADVANCE、VADTが発表された。

いずれも予後の改善に至らず、ACCORD試験では厳格に血糖コントロールをすることで心血管病そのものは低下したが、特に罹病期間が長く、動脈硬化が進展した症例で重症低血糖が発生した場合には死亡率が高まってしまうことが明らかになり、厳格な血糖コントロールの際にいかに低血糖を回避させるかということが大きな課題として注目された。

インクレチン関連薬

2009年12月に本邦初のDPP-4阻害薬としてシタグリプチンが発売されたことを皮切りに、2010年にはビルダグリプチン、アログリプチン、さらにはGLP-1受容体作動薬としてリラグルチド、エキセナチドが発売され、わが国においてもインクレチン治療が開始されることとなった。

インクレチン関連薬は、新しい作用機序の薬剤で基本的には低血糖を起こさずにインスリン分泌を促進する特徴があり、発売後すぐに非常に多くの臨床現場で使用され、糖尿病治療に非常に大きな影響を与えている。

国内の臨床試験通りの効果が認められているとの報告がある一方で、発売前には指摘されていなかったスルホニル尿素(SU)薬にDPP-4阻害薬を追加投与後に重篤な低血糖による意識障害を起こすという症例報告が続いた。

その原因究明と対策をたてるために日本糖尿病学会及び日本糖尿病協会より「インクレチンとSU薬の適正使用に関する委員会」が発足し、重症低血糖を起こす患者の特徴が検討され、Recommendationが出されている。

参考書籍:日本薬剤師会雑誌2011.7

糖尿病患者の半分は治療を受けていない?

薬事日報ウェブサイト 【厚労省/07年度国民健康・栄養調査】40歳以上の3割が糖尿病‐半数は未治療者

 厚生労働省の2007年度「国民健康・栄養調査」で、糖尿病が疑われる人は予備軍も含め、前年度より340万人増え2210万人に達し、特に40歳以上では29.0%と、10人に3人は糖尿病が疑われことが明らかになった。
 糖尿病が「強く疑われる者」(HbA1c値6.1%以上で糖尿病治療を受けている)が約890万人、「可能性を否定できない人」(HbA1c値5.6%以上6.1%未満)が約1320万人で、計2210万人に上り、国民の25.6%、4人に1人に糖尿病が疑われる結果だった。また、糖尿病が強く疑われる人の28.6%が、インスリン注射や血糖降下薬を使用していた。
 糖尿病が強く疑われる人で、治療を受けているのは、10年前より10ポイント以上増え55.7%。さらに、医師から糖尿病と言われたことのある人は11.3%で、この中で現在治療を受けているのは50.8%、以前に受けていたが現在は受けていないが12.7%、ほとんど受けたことがないが36.5%で、指摘を受けた半数は治療を受けていないことが分かった。

糖尿病では自覚症状がありませんからね。

自分は病気だという意識はないのでしょう。

糖尿病予備軍ならなおさら。

まずは糖尿病患者の治療啓蒙が必要かと。

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