2018年12月9日更新.3,338記事.5,761,212文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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トランサミンでシミが消える?

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トラネキサム酸とシミ

いわゆる「しみ」にトラネキサム酸が使われます。

Q: 肝斑に用いるトラネキサム酸の1日の用量は?

A:トラネキサム酸は抗プラスミン作用を有し,メラノサイトの活性化を阻害してメラニン生成を抑制する。肝斑に対する効能・効果は医療用としては認められていないが,一般用医薬品として承認を取得し,トラネキサム酸1日750mgを含有する配合剤トランシーノ™(第一三共ヘルスケア,第1類医薬品)が発売されている。なお皮膚科では1日1,000mg~1,500mgが保険適応外使用されている。質疑応答 2010年8月

肝斑とシミの違いは?

トランシーノの適応症は「肝斑」で、ふつうのシミには適応が無い。
メーカーも「トランシーノは肝斑の専門薬です。肝斑以外のシミには、効能・効果が認められていません。」としつこく言ってくる。

よくあるご質問 トランシーノII|第一三共ヘルスケア

しかし、肝斑もシミの一種であり、原因も不明だし、はっきりとした違いはわからない。

使用上の注意には、「ご自分のしみが、本剤の効能・効果である肝斑かどうかの識別が難しい場合、また、色が黒ずんでおり、色調が不均一で、表面が隆起したようなしみ状のものがある場合は専門の皮膚科医に相談して下さい。」と書かれている。
皮膚がんには注意しろと。

薬剤師が、肝斑かふつうのシミか鑑別するのは難しい。

「肝斑以外のシミに対しては、有効性・安全性を示す十分なデータがありませんので、使用しないでください。」と言われるが、作用機序的には効くだろうし。
安全性に関しては、その止血作用から血栓の恐れもあるので、ビタミンCよりもハードルは上げる必要はあるだろう。
美容目的で連用されることは避けた方が良い。
そのため、効能効果のハードルが「肝斑」と上げられているのだろう。

トランサミン

トラネキサム酸の肝斑に対する薬理作用については、抗プラスミン作用により、メラノサイト周辺でのメラノサイト活性因子(プラスミン)の産生を抑制する結果、色素沈着部位で亢進したメラノサイト合成系が定常レベルまで抑えられるのではないかと考えられている。

トランシーノとトランサミンの違いは?

女性の不正出血などで、止血剤のトランサミンを使います。
成分はトラネキサム酸。

肝斑に使われる市販薬トランシーノと同じ成分です。
トランサミンでシミが治るかも?

トランシーノにはビタミン類も含まれるから、より良いのかも知れませんが。
それに、トランサミンが不正出血や咽頭痛で処方されたとしても、短期間の処方なので、シミを治すほどの効果は得られないと思いますし。
トランシーノの服用期間は「まずは1ヵ月、効果が感じられたら2ヵ月間服用を続けてみましょう。」となっています。

肝斑

肝斑は30歳くらいから、主として女性の顔面に対側性に境界明瞭な褐色調の色素斑として現れます。
通常、左右対称性に認められます。

下眼瞼や鼻背には生じません。
妊娠やピルの内服により肝斑が出現したり、着色が増強することから、女性ホルモン、ことにエストロゲンの影響が考えられます。

鑑別すべき疾患としては、後天性真皮メラノサイトーシスがあります。
思春期から中年の女性で、額の両端や頬骨部などに灰褐色で直径1~3mmの点状色素斑を多発します。

太田母斑が片側性に生じるのに対し、後天性真皮メラノーシスでは両側性に生じる点が異なっています。
時には、日光黒子も肝斑と区別する必要があります。

肝斑に対するトラネキサム酸の効果

トラネキサム酸が肝斑に有効であるというのは、偶然見つかったものです。
OTC薬として最近トラネキサム酸、L-システイン、ビタミンCを含有するトランシーノが発売されました。

トラネキサム酸の1日投与量が750mgとやや少なめですが、有効と報告されています。
トラネキサム酸の外用も肝斑に有効という報告もあります。

トラネキサム酸はなぜ肝斑に有効なのかは不明です。
肝斑の発症機序も不明です。

しかし、妊娠中に肝斑が出現し、出産とともに肝斑が消失する人もいます。
妊娠中にはエストロゲンの血中濃度が上昇しますが、同時にプラスミノーゲンの血中濃度が上昇することも知られています。

トラネキサム酸が抗プラスミン作用を有する薬剤であることを考えると、肝斑に対する有効性も抗プラスミン作用によるものと考えられます。

トラネキサム酸は薬用アミノ酸?

トラネキサム酸は止血剤、消炎剤として、使われる薬です。
シミにも使われます。

医療用だとトランサミン。
OTCにはトランシーノなどがあります。

このトラネキサム酸、歯磨き粉にも入っています。
歯ぐきからの出血や歯肉炎を抑える目的で。

“薬用アミノ酸”が、歯周病予防に効果があることを確認

薬用アミノ酸、と言われるとピンと来ない。

シミに効く薬

世の中には実にたくさんの「美白剤」が販売されていますが、これらの効き目はどうでしょうか。

残念ながら、現在のところほとんど効果ありません。

実は、ハイドロキノンのようにある程度有効な美白剤もあるのですが、副作用が出やすいために、わが国では一般に販売される場合の濃度が非常に低く抑えられています。

この濃度では効果はほとんど出ないでしょう。

病院では医師が自分で調剤・処方して濃いものを使用する場合もあるのですが、濃度を上げると肌が赤くヒリヒリしたり、ポロポロむけたり、いろいろな副作用が高率に出現します。

炎症が強く出て、しみの色がむしろ濃くなってしまう場合もあります。

安全で、なおかつはっきり有効性が証明された美白の外用療法は存在しないのが現状です。

高価な化粧品でシミが改善

夏のあいだに日に焼いてしまったりしてしみが目立つようになったので高価な化粧品をつけていたら数ヶ月でだいぶ薄くなった、というのはよく聞く話です。

ただし、この場合でも高価な化粧品の効果が出たのではなく、数ヶ月間日に焼かないように気をつけていたので「日焼けが褪めた」と考えるのが自然でしょう。

おそらく、その化粧品をつけなくても同様の改善が得られたと予想できます。

人間の皮膚には、ある程度の自然治癒力が備わっているのです。

シミ対策

日焼けはあらゆるタイプのしみの症状増悪因子ですから「日に焼けない」ことが、最も重要な対策となります。

日中外へ出る場合には、日傘や帽子で顔を日光に当てないようにしましょう。

各種日焼け止めも利用したほうが良いでしょう。

いつも「気をつける」ことが大切です。

ロドデノールは危険?

カネボウの化粧品回収問題。
大きなニュースになりましたが。

ロドデノールという美白成分。
白くなったのはいいけど、まだら模様じゃちょっと。
自然に美白になればいいのだけれどね。

回収された美白製品の有効成分「ロドデノール」は、皮膚においてメラニン色素(黒色・赤褐色)産生に関わる酵素「チロシナーゼ」の働きを抑制し、美白作用を示すとされています。
メラニンは、生体内でチロシンというアミノ酸から産生されます。
チロシンは、チロシナーゼによりドーパという化合物になり、さらにドーパキノンという化合物になります。このドーパキノンは化学反応性が非常に高く、ドーパキノンから変化した様々な物質同志がそれぞれ結合しあうことで(重合反応)メラニンの分子を作ります。
ロドレノールは、チロシンによく似た構造をしているので、チロシナーゼにチロシンが結合するのを邪魔します。すると、チロシナーゼがメラニンの材料であるドーパやドーパキノンを作れなくなるので、メラニンの産生は抑制される。

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