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オパルモンは一包化不可?
公開. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約3分7秒で読めます.
4,025 ビュー. カテゴリ:オパルモンが一包化可能になった?
オパルモンやプロレナールは以前は下記の(旧情報)のように吸湿性のため一包化不可でした。
しかし、現在はバラ包装も販売されており、吸湿性に関する取り扱い上の注意の記載も無くなりました。2014.10
耐湿性の向上については以下のような工夫がなされた。
リマプロストは、内因性の生理活性物質であるプロスタグランジンE1の誘導体であるが、水分に対し不安定で水分の存在下で加水分解と受け、11-deoxy-Δ10体(以下、分解物)といった類縁物質の生成を引き起こすことが認められている。
今回の耐湿性の向上は、添加物としてβ-シクロデキストリン(以下、β-CD)を加えるという新たな製造方法によって実現された。
添加されたβ-CDが製剤中の水分子の運動性を低下させ、さらに、水分によって分解するリマプロスト分子中の五員環部分を包接することで、湿度環境下における製剤の耐湿性を向上させるという。
リマプロストは、難溶性で、かつ微量で活性を示すプロスタグランジンE1誘導体である。
αーシクロデキストリン(CD)との包接体であるリマプロストアルファデクスを形成することにより、製剤の安定性が向上する。
CDは環状のオリゴ糖で、種々の薬物を環内の空洞に取り込んで薬物を包接するキャリアとして広く用いられている。
6員環のものをαーCD、7員環のものをβーCD、8員環のものをγーCDと呼ぶ。
先発医薬品のオパルモンは、一包化調剤などを可能とするため、これまで2度の大きな製剤的改良が行われた。
最終的には、主薬をβーCDとともに凍結乾燥後、添加物としてさらにβーCDを加えることで安定性を高め、長期間の一包化が可能となった。
これは、βーCDがリマプロストの5員環を包接することでリマプロストの分解を抑制するとともに、添加物中のβーCDが水分子の運動性を低下させるためと考えられている。
一方、オパルモンの後発医薬品は、PTPシートから取り出した際の安定性がメーカーごとに大きく異なるため、注意を要する。
「SN」「テバ」「日医工」の3製剤は、添加物が発売当初のオパルモンと同じく乳糖などであり、添付文書の取扱い上の注意には、PTP包装のまま保存するようにとの記載がある。
「F」も同様の起債があるが、2016年に安定性の改善を目的に添加物がデキストリンなどに変更され、1~2週間程度の一包化が必要である。
「サワイ」については、旧製剤は、主薬をデキストリン水溶液に混合して乾燥凍結後、添加物としてデキストリンを加える製法により、25℃、相対湿度(RH)75%において無包装で4週間まで安定とされていたが、新製剤で添加物がαーCD、βーCDなどに変更され、無包装状態で4か月までの安定性が示された。製剤変更に伴い、2018年6月にバラ包装が発売された。
オパルモンは湿気に弱い?(旧情報)
オパルモンは湿気に弱いです。
PTP包装で密封されていれば問題ないように思いますが、そうでもありません。
内袋のアルミ箔開封後はPTP包装であっても、気温25℃湿度75%の条件だと7ヶ月までしか持ちません。
オパルモンは一包化可能?(旧情報)
オパルモンの添付文書には、
「本剤は吸湿性を有するので、内袋開封後はPTP包装のまま保存し、服用時にPTPから取り出すこと。[本剤は乾燥剤を入れたアルミ箔の内袋及び防湿性のPTPを使用することにより品質保持をはかっている。] 」
と書かれています。
一包化不可です。
しかし、インタビューフォームを見ると無包装状態での安定性は3か月程度なら問題無く、現場では一包化を求められることもあります。
オパルモンは2006年に安定性向上を目的に製剤が改良され、一包化調剤が可能となったらしい。
添付文書上は上記のように書かれているので、一包化加算の算定は難しいでしょうけど。
オパルモンのジェネリックは一包化不可
オパルモンやプロレナールは上記のように、製剤の改良によって安定性が向上され、一包化が可能となりましたが、ジェネリックについては今も一包化するには耐えられないようで。
リマルモンのインタビューフォームには、無包装状態での安定性試験の結果が出ているので、大丈夫そう。
ゼフロプトとかは載っていないのでダメかなあ。
ジェネリックへの変更は注意しましょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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