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カナグルで下肢切断リスク増?
公開. 投稿者:糖尿病.この記事は約3分53秒で読めます.
2,692 ビュー. カテゴリ:SGLT2阻害薬による下肢切断
カナグル(カナグリフロジン水和物)の添付文書の「その他の注意」に、
海外で行われた脳・心血管疾患の既往又は高いリスクを有する,血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験において,カナグリフロジンとして100又は300mgを1日1回投与された患者では,プラセボを投与された患者よりも,下肢切断の発現頻度が有意に高かった(ハザード比:1.97,95%信頼区間1.41-2.75)との報告がある.
との記載がある。
欧州医薬品庁(EMA)は2017年2月にカナグリフロジンを用いた2つの臨床試験(CANVAS、CANVAS-R)の中間解析データに基づき、「2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬の使用で下肢切断リスクが上昇する可能性がある」とする警告文が発表しました。
添付文書上は、カナグル錠、カナリア配合錠にしか下肢切断リスクに関する記載はありませんが、その他のSGLT2阻害薬でも注意は必要なようだ。
CANVAS試験はカナグリフロジンの心血管への安全性を検証する目的で、CANVAS-R試験は腎機能に与える影響を解明することを目的として実施された試験です。
両試験で示されたカナグリフロジンの使用に関連した下肢切断リスクは、プラセボ群の2倍であった。
下肢切断を要した140例の切断部位は、足趾や中足部が99例、下腿または大腿が41例。先行症状では下肢の感染、壊疽、糖尿病足潰瘍、虚血であり、リスクが高い患者は下肢切断の既往、下肢末梢動脈疾患、神経障害を有する患者でした。
FDAではこれらの結果をふまえ、カナグリフロジンの処方開始前には、下肢切断の既往、下肢末梢動脈疾患、神経障害などの有無を確認するよう勧告しています。また投薬中においては、下肢感染の徴候なども認めた場合には投薬を中止すべきであると警告しています。
ただし、SGLT2阻害薬処方による下肢切断増加の機序はまだ不明です。皮膚障害や脱水による血栓、塞栓症などが関連している可能性はあると推測されます。
SGLT2阻害薬が処方されている患者については特に、末梢神経障害の症状の程度について観察することが必要。
キネダック(エパルレスタット)が処方されていたり、整形外科を受診していてリマプロストが処方されていたりした場合にはさらに注意必要。
透析と足切断
動脈硬化が原因で、足の動脈が狭くなったり詰まったりして血行が悪くなる「末梢動脈疾患(PAD)」は、早期に適切な治療を受けないと重症化し、足の切断につながることがある。
人工透析患者はPADの危険が高いとされるが、足病変の重症化が疑われても医療機関を受診しない人が数多くいる。
PADは、足の冷感やしびれ、痛みなどの症状が最初に現れる。さらに悪化すると潰瘍や壊疽(えそ)が生じる「重症下肢虚血(CLI)」という状態に陥り、足の切断にまで発展する恐れがある。
糖尿病が原因の壊疽で足を切断するのかと思いましたが、透析自体が足切断のリスクになる。人工透析によって、リンが排泄されにくくなると、高リン血症になり、血管にカルシウムとリンが沈着して、血管の石灰化(動脈硬化)が起こる。そして下肢の動脈硬化が進行して、壊疽が進んで、足を切断するハメになるという。
マゴットセラピー
糖尿病で手足の壊死した細胞を治療するのにうじ虫を使った治療法「マゴットセラピー」が有効である。
うじ虫の分泌物で壊死した細胞が液化され、うじ虫はそれを体内に取り込んで分解。その結果、傷が改善し、肉芽組織の形成を可能にするという。
壊死組織を除去することが、傷のケアの中でも重要なファーストステップです。
医療用に無菌で培養されたウジの幼若なものを、傷の中に置きます。
ウジは正常組織には障害を与えず壊死組織や膿だけを食べて創を浄化してくれます。
個人的には虫が大嫌いなので、足にウジ虫が這うさまをイメージするだけで背筋がゾクゾクしてきます。
カナグル錠100mg 1錠
1日1回朝食前 30日分
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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