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バルトレックスは多めの水で飲む?
公開. 更新. 投稿者:ヘルペス/帯状疱疹. タグ:バルトレックス. 閲覧数:746回
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アシクロビルと脱水と腎障害
バルトレックスの添付文書の重要な基本的注意に、
と記載されている。
ゾビラックスにも同様の文章が記載されている。
「多めの水で飲んでください」
と指導するような薬は、大抵胃腸障害を気にしてのものである。
あとは、下剤などで排便を促すときに、多めの水を推奨する。
腎機能障害回避のために「多めの水で飲んで」と言うことは想像しなかった。
バルトレックス錠500の添付文書には、コレとは別に、
「本剤を飲みにくい場合には多めの水で1錠ずつ、服用させること。」
とも記載されている。
こちらの記載は、腎障害ではなく、「粒が大きくて飲みにくいから、喉に引っかかると悪いし、多めの水で飲んだほうが良いよ」という助言のようだ。
グラクソのホームページには以下のようなQ&Aがある。
A1.脱水による尿量の減少がアシクロビルによる腎障害のリスクファクターとなるので、脱水症状を起こしやすいと考えられる患者(意識障害のある患者、高熱や下痢が発現している患者、高齢者、水痘患者など)では特に、本剤投与中には普段よりも多めの水で服用するようご指導をお願いしています。
バルトレックスによる腎障害については下記の報告があります。
バルトレックスの活性代謝物であるアシクロビルを急速に高用量で静脈内投与したところ、腎障害の発現が報告されています。アシクロビルによる腎障害は、腎尿細管におけるアシクロビルの濃度が溶解度を超えたとき、アシクロビルが結晶化することによって起こると考えられています。また、これは一過性であり、水分を十分に摂取することによって避けることができると報告されています
脱水を起こすと、尿細管でアシクロビルが結晶化して腎臓にダメージを負わすということらしい。
「薬を水で飲む」という当たり前のことすらしていない患者が、世の中にはいるので、バルトレックス以外でも食道潰瘍の防止目的も含め「多めの水で飲んでください」を口癖のように伝えていこうと思う。
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