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便秘で認知症症状?
公開. 投稿者:便秘/痔.この記事は約2分5秒で読めます.
1,663 ビュー. カテゴリ:便秘と高アンモニア血症
便秘などで血液中のアンモニアが過剰になると、脳に悪影響を及ぼし、物忘れやぼーっとするなどの症状が表れる場合がある。
高アンモニア血症で認知症と似たような症状を呈することがある。
高アンモニア血症の原因としては、先天的な機能異常が多いといわれるが、肝障害に伴うアンモニア代謝の低下、尿毒症、便秘などが原因でも起こるとされており、注意が必要である。
また、浮腫などでカリウム排泄型利尿薬を追加、増量した際に低カリウム血症を来し、これが代謝性アルカローシスを引き起こして尿中へのアンモニア排出が減少、高アンモニア血症を引き起こすケースもある。
そのほか、尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解するウレアーゼを産生する菌に感染して高アンモニア血症を起こす例も報告されている。
これは、ウレアーゼ産生菌への尿路感染によって尿のpHが上昇し、静脈叢から肝臓を経由せずにアンモニアが血中に移行するためだと考えられている。
肝性脳症
肝性脳症とは、肝臓機能の低下や門脈体循環短絡の形成などにより血中アンモニアが増加し、循環血を介して脳に到達し脳細胞に影響が出ている状態です。
肝性脳症はタンパク質の過剰摂取でも起こることがあります。食事由来のタンパク質は腸管内のウレアーゼ酸性菌により分解されアンモニアを生じます。これが腸管壁から吸収され血中アンモニアが増加します。肝性脳症になると以下のような症状が現れます。
高アンモニア血症とラクツロース
高アンモニア血症に使われる薬として、モニラックシロップ(ラクツロース)がある。
モニラックの適応は、
高アンモニア血症に伴う下記症候の改善
精神神経障害、手指振戦、脳波異常
産婦人科術後の排ガス・排便の促進
小児における便秘の改善
となっている。
ラクツロースを分解する酵素はヒト消化管粘膜には存在せず、下部消化管のビフィズス菌、乳酸菌といった腸内細菌によって分解され、有機酸(乳酸・酢酸)を産生する。
ラクツロースのインタビューフォームによれば、この有機酸の①腸管内のpHを低下させる、②アンモニア産生菌の発育を抑制する、③腸管内アンモニアの吸収を抑制する、といった作用により、同薬は血中アンモニア値を低下させる。
日本では適応外であるが、欧米では肝性脳症で意識障害などがあり経口摂取が難しい場合にラクツロースを注腸することもある。
認知症症状を引き起こす疾患
認知症の主な症状には、記憶障害や見当識障害などの中核症状と、うつ・抑うつ、不眠、せん妄などの周辺症状がある。
ただしこれらは、認知症以外の疾患でも生じることがあるため、注意が必要である。
例えば、鉄欠乏性貧血の場合、特に脳細胞の酸素量低下により活動性、集中力や判断力の低下、物忘れなど認知機能の低下といった症状が表れることがある。
甲状腺機能低下症も、疲れやすくなったり、ぼーっとしやすくなり、うつ病や認知症と間違えやすい。
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