2019年1月19日更新.3,354記事.5,853,216文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

ペニシリンを飲んで熱が上がる?

スポンサーリンク


ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー現象

梅毒の治療でペニシリン系抗生物質を使うと、39℃前後の高熱や頭痛が表れることがあるという。

治療開始後、数時間以内に39℃前後の高熱や悪寒、頭痛、発疹の増悪などが見られる。
これは、ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー現象と呼ばれ、梅毒トレポネーマが大量に死滅することで中毒反応が生じるためと考えられている。
どの段階でも起こり得るが、第2期に治療を開始すると70~90%に起きると報告されている。

患者が自己判断で薬を中断しないよう、あらかじめ説明しておくことが望ましい。
多くの場合、対症療法で軽快するが、妊婦はこの反応により流産や早産を来す恐れがあるため、注意が必要とされる。

ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応の症状としては、次のようなものが知られている。
全身の倦怠感
発熱
頭痛
悪寒
筋肉痛
頻脈
体温の上昇
呼吸切迫
血圧の低下
一時的な病変部の悪化
通常は投与後1〜4時間前後から始まり、24時間で軽快する。病原の細菌が大量に死滅・破壊されて、細菌内部の毒素が血液に混入する事が原因と見られている。この機序から明らかなように、他の感染症の治療の目的で抗菌薬を投与した時にも起こり得る反応である。例えば、梅毒患者に対してヘリコバクター・ピロリの除菌を行った場合などが挙げられるヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応 – Wikipedia

梅毒

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が、主に性的接触により皮膚や粘膜の小さな傷から侵入することで感染し、次のような経過で進行する。
第1期では、約3週間の潜伏期を経て、感染部位の硬結、潰瘍やリンパ節腫脹を認める。痛みなどの自覚症状はなく、約3週間で自然消退した後、約3か月の無症候期に入る。
続く第2期では、梅毒トレポネーマが全身へ移行し、3か月~3年にわたり梅毒性バラ疹、丘疹性梅毒疹などが出現する。多くは自然消退し無症候性となる。
第3期では感染後3年以上経って結節性梅毒疹やゴム腫が、第4期では大動脈瘤や進行麻痺などが表れる。
ただし、早期発見・治療が進み、現在は第3期以降の梅毒はほとんど見られない。
なお、初感染後、臨床症状を全く認めないこともある。

妊婦が梅毒に感染すると、流産や死産、胎児の先天梅毒の原因となる。
梅毒トレポネーマが胎盤を通過する妊娠16~20週以前に治療を開始することで母子垂直感染を防げるとされ、妊娠8週前後の梅毒スクリーニング検査が推奨されている。

梅毒の治療では、いずれの病期もペニシリン系薬が推奨されている。
第1期は2~4週間、第2期は4~8週間、第3・4期は8~12週間投与する。
なお、無症候性梅毒の治療の場合は、感染時期を推定し、その期に準じた投与期間とするが、感染時期が不明な場合や、感染後1年以上経過する場合は、8~12週間投与することとされている。

妊娠中の感染例に対しても、治療不要と考えられる陳旧性梅毒を除き、速やかに抗菌薬を投与する。
梅毒陽性妊婦に対しペニシリン系薬治療を行うことで、98.2%の児の先天梅毒を予防できるとの報告もある。
ペニシリンアレルギーの患者にはミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシン)などを用いるが、妊婦の場合は胎児への影響を回避するため、スピラマイシン酢酸エステル(アセチルスピラマイシン)の内服が推奨されている。
治療効果の判定は妊娠28~32週と分娩時に行う。

スポンサーリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
好きな言葉:三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう byカルテット

人気の記事(月間)


リンク

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサーリンク

SNS

検索