2019年1月19日更新.3,354記事.5,853,216文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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インスリンは最終手段?

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早めのインスリン治療に効果

インスリン注射を使うことに対して抵抗を持つ患者さんが多くいます。
インスリンを使う患者は糖尿病の末期、インスリン療法は最終手段というイメージ。

確かに以前はそうでした。
インスリンは最終手段。
膵臓からインスリンがほとんど出なくなってからインスリン開始。

しかし、この考え方は変わってきており、最近は2型糖尿病でも早い段階からインスリン療法を行うケースが増えています。

糖尿病にはいくつかの治療法がありますが、「仕事が忙しく、入院はできない」という患者に、約24時間効果が続く持効性のインスリンと経口薬を組み合わせたBOTという治療法が提案されます。

BOT(Basal supported oral Therapy)とは、服用中の経口糖尿病薬をそのまま継続しながら、持効型インスリン製剤で不足した基礎分泌のインスリンを補う治療法です。
これまでは、インスリン療法の導入に当たっては、経口糖尿病薬を中止して、入院で行うのが一般的でしたが、BOTの普及により外来での導入が容易になりました。
朝に1度の注射と朝と夜に経口薬を併用する。生活習慣によって膵臓の機能が低下する2型糖尿病では、早めのインスリン補給によって膵臓の負担を軽くすることで、失われた機能を取り戻すことができる場合があります。

インスリン注射と聞くと『もう終わり』と思う人は多いですが、大きく壊れた車を直すのは大変でも、早いうちに整備すれば長く乗れるということです。

インスリンは一生続けなきゃダメ?

ケースバイケースですが、2型糖尿病の場合は経口剤に切り換えられる可能性があります。
糖尿病は、4つの病型に分類されています。

①膵臓β細胞の破壊による絶対的なインスリン不足を生じる1型糖尿病、②インスリンの相対的な不足を特徴とする2型糖尿病、③他の疾患が原因で起こるその他の糖尿病、④妊娠を契機とする妊娠糖尿病、です。

1型糖尿病の場合、体内でのインスリン分泌ができない状態ですから、基本的には一生続けなければなりません。
2型糖尿病では、インスリン分泌量の不足やインスリン抵抗性(うまく利用できない)があり、そのうえで過食や運動不足などの環境因子が重なって発症しているため、膵β細胞がまだ生きていることが多いようです。

比較的軽度な時期に患者が糖尿病に気づくことができれば、インスリン療法と生活改善療法を併用後、インスリン療法を中止できる可能性があります。

糖尿病初期はほとんど自覚症状がありませんので、このときに気づかず高血糖状態が続くと、膵β細胞に過度な負担がかかり死滅してしまうことがあります。

そうなってしまうとインスリンに頼るほかはありません。

糖尿病の初期段階であっても、感染症を発症している患者や妊婦(妊娠している可能性がある患者を含む)など経口剤が禁忌の場合のみならず、膵β細胞を休ませる目的でインスリン療法を勧める場合があり、患者の膵臓がどのような状態にあるのか、医師に十分な説明を聞いておくことが大切です。

持効型インスリン製剤の利点

①作用持続時間が24時間であるため、1日1回注射で治療が可能
②明らかなピークが無いため、低血糖(特に夜間の低血糖)のリスクが低い
③個体内変動が少なく、再現性が高いため朝食前の空腹時血糖値が安定する
④撹拌する必要がない

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