2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

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イソニアジドはMAO阻害薬?

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イソニアジド

抗結核薬として有名なイソニアジドですが、はじめは抗うつ薬として使用されていたという。

第二次世界大戦が終わると、V2ロケットの燃料の1つであるヒドラジンの在庫を、製薬会社は非常に安価に入手し、構造を変化させて新しい化合物を作った。ホフマン・ラ・ロッシュ社は、ヒドラジン化合物のイソニアジドとイプロニアジドに結核菌を死滅させる結核薬の特性を見出した。1952年には、この結核薬による治療によって、患者が楽しそうに踊りだすといった多幸症の副作用が知られ、その経緯で精神科の患者で試験され、1956年にはイプロニアジドのうつ病への有効性が見出された。イプロニアジドは、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)と呼ばれる種類の抗うつ薬である。抗うつ薬 – Wikipedia

イソニアジドもイプロニアジドもMAO阻害薬。
MAO阻害薬(モノアミン酸化酵素阻害薬)は、神経伝達物質であるモノアミン類の分解を妨げることでモノアミン濃度を高める薬です。
モノアミンとはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称である。

イソニアジドがMAO阻害薬である、ということはすっかり頭になかった。
そういえば、イソニアジド服用中にチーズ、マグロに注意するのは、MAO阻害作用によるものだった。

チラミンはモノアミンの一種で、モノアミン酸化酵素(MAO)により不活化される。
イソニアジドは、MAO阻害作用を有し、チラミンの代謝を阻害するため、そのまま腸管から吸収され、アドレナリン作動性神経終末に取り込まれてノルアドレナリンの遊離を促進し、血圧上昇、発汗、動悸、頭痛等を起こす可能性がある。
また、ヒスチジンは細菌等によりヒスタミンに変化するが、MAO阻害作用によりヒスタミンの代謝が阻害されるため、発汗、そう痒、悪心等を起こす可能性がある。

チラミンを多く含む食品:チーズ、ニシンの塩漬け、醤油、牛レバー、サラミ、みそ等
ヒスチジンを多く含む食品:マグロ、ブリ、ハマチ、サバ、サンマ、イワシ等

MAO阻害薬と併用禁忌の薬

MAO阻害薬と併用禁忌の薬はトリプタン系の片頭痛治療薬や抗うつ薬にあるが、それらとイソニアジドも併用禁忌になるのだろうか?

ちなみにイスコチンの添付文書には併用禁忌となる薬の記載はない。
イミグランやルボックスの併用禁忌には、

モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者

とだけ書かれているが、サインバルタやレクサプロの併用禁忌には、

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩,ラサギリンメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者

と具体的な成分名が記載されている。
この場合においては、エフピー(セレギリン塩酸塩)、アジレクト(ラサギリンメシル酸塩)のみが禁忌の対象であり、イソニアジドはMAO阻害薬とみなさずに併用してよいということか。

イソニアジドにMAO阻害作用があるといっても、エフピーやアジレクトに比べれば問題ないレベルの弱い作用ということなのだろう。
イソニアジドをパーキンソン病に適応外処方するようなことも無いし。

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