2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

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血糖値が上がると尿酸値が下がる?

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糖尿病発症による尿酸値の低下

肥満と痛風、糖尿病の関係は強く、高尿酸血症と糖尿病を併発している患者さんは多い。

肥満の高尿酸血症の患者で、血糖値が上がってきて初期の糖尿病状態になると、一時的に尿酸値が下がるという。

肥満者はインスリン抵抗性が生じやすく、糖尿病の前段階として高インスリン血症を来していることが多い。
高インスリン血症になると、腎近位尿細管におけるナトリウム再吸収が促進されるとともに、これと共輸送される尿酸の再吸収が亢進する。
この尿酸排泄の低下により、血清尿酸値は上昇する。

ところが、血糖値が上昇し、糖尿病の発症段階になると今度は、「逆U字現象」と呼ばれる、血清尿酸値の低下がみられる。
これは、高血糖状態のために生じる浸透圧利尿、尿細管機能の低下、糸球体濾過量の増加などにより、尿酸の排泄が促されるためと考えられている。
その後さらに糖尿病が進行し、糖尿病性腎症を発症する段階に至ると、糸球体濾過量の減少により尿酸の排泄が低下し、再び尿酸値は上昇する。

サルは痛風にならない?

ヒトを含めたヒト上科は尿酸をアラントインに分解する酵素である尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)が失活していることから高尿酸血症をひきおこす(下流をせき止められた川の状態である)。霊長類ヒト上科を除く多くのほ乳類はウリカーゼを有しており、尿酸を5-ヒドロキシイソ尿酸に酸化し、さらにアラントインに酸化・代謝することができるため先天性の原因がないかぎり高尿酸血症がおこることはない。

(尿酸オキシダーゼによる代謝反応)
尿酸+O2+H2O→5-ヒドロキシイソ尿酸+H2O2→アラントイン+CO2
なぜヒトを含む霊長類ヒト上科がウリカーゼを失ってしまったかは明らかではないが、進化の途中において突然変異によりウリカーゼを失ってしまった霊長類ヒト上科がその環境に適していた可能性はある。あるいは、ある時代の霊長類は肉・魚を主なエネルギー摂取源としなかったため体内へのプリン体の蓄積がなく、ウリカーゼがないことが生存について問題がなかったというのもありうる仮説である。

ヒト上科の共通の祖先が旧世界のサルから分枝した際に、尿酸オキシダーゼ活性が消失したものと推定される。

尿酸

尿酸は、ヒトにおけるプリン体(プリン環を持つ物質の総称で、生体内エネルギーや核酸に利用される)の最終代謝産物です。
血液などの体液には難溶性であり、pHや温度の低下によって溶解度が低下すると、結晶として析出します

生体内のプリン体は、食事からの摂取、または肝臓などでの合成に由来しており、キサンチンオキシダーゼの働きによって尿酸へ変換されます。
尿酸は主に腎臓から、残りは腸管や汗などから排泄されます。
尿酸は、腎糸球体で濾過されたのち、尿細管での再吸収・分泌によって、尿中排泄量が調整されます。
健常者では、尿酸の産生量と排泄量は同等であり、体内の尿酸は一定量に保たれています(尿酸プール)。

参考書籍:日経DI2016.7

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