2019年3月21日更新.3,396記事.5,979,523文字.

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エストロゲンで若返る?

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エストロゲンは若返りの特効薬?

HRTへの主薬であるエストロゲンの評価はあたかもジェットコースターのごとく、変動してきた。

HRTへの過大評価をもたらした最大の原因はアンチエイジング、いわゆる若返りの特効薬としての期待である。

卵巣の機能停止(すなわちエストロゲン低下)が女性の老化の原因であることは古代から理解されており、エストロゲンによる若返りは誰でも思いつく魅力的な仮説であった。

一方、エストロゲンブームを沈静化させてきたのは、発癌リスクへの懸念である。

女性がんである子宮体がん(子宮内膜がん)と乳癌は、典型的なエストロゲン依存性がんである。

しかも、エストロゲンには細胞増殖作用と血管増生作用があり、その他のがんに対しても増悪させる可能性がある。

第1次HRTブーム

1930年代後半に米国で結合型エストロゲン製剤プレマリンが開発され、エストロゲン療法が可能となった。

当初は月経異常など生殖器女性の内分泌疾患治療が主であったが、1960年代にいわゆる更年期障害などの閉経期女性疾患に適用が広がると、エストロゲン不足が女性の老化の主因という短絡的発想からアンチエイジング目的のHRTが急速に普及した(第1次HRTブーム)。

しかし、結合型エストロゲン単剤でのHRTは子宮体がんの増加を招き、この事実が公表された1970年代半ばからブームは沈静化する。1980年代に至って、HRTの最大の欠点とされた子宮体がん誘発がプロゲスチン併用により解決した。

時期を同じくして、HRTの骨粗鬆症予防効果、冠動脈疾患・アルツハイマー病の改善効果などが報告され、徐々にHRTが再評価されてきた。

第2次HRTブーム

1990年代初頭に看護師を対象にした巨大コホート研究 Nurses` Health Study の解析結果が報告され、HRT使用者では冠動脈疾患死が53%、脳卒中死が32%、乳がんは増加するもののがん死は24%減少することが判明した。

さらに1995年にはランダム化比較試験であるPostmemnopausal Estrogen/Progestin Intervention Trial (PEPI)にてHRTによるLDL-コレステロールの減少、HDL-コレステロールの増加が確認された。

これらの結果を受けて、米国内科学会と米国心臓協会が「閉経後女性はHRT使用を考えるべきである」という勧告を公布した。

またHRTの効用がマスメディアによって大々的に紹介され、医療関係者も一般市民も「HRTこそ理想のアンチエイジング」と確信するようになり、第2次HRTブームが到来した。

エストロゲンが高血圧の原因?

エストロゲンは血管への直接作用を持ち,血管を拡張させ,血管内皮細胞増殖作用などにより血管の保護に関与する。

これらの作用はLDLコレステロール低下,HDLコレステロール上昇作用とともに動脈硬化を抑制し,心血管系疾患を減少させる。
更年期の高血圧,脂質代謝異常,動脈硬化性疾患の増加は体内のエストロゲン減少による影響が大きく,エストロゲンは血圧をコントロールするうえでも重要なホルモンである

しかしその一方で,エストロゲンには,末梢血管透過性の亢進,尿細管でのナトリウムの再吸収促進などの作用があり, 薬剤としては,浮腫,高血圧などの副作用が発現することがある。
だだし,ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合剤では,ドロスピレノンに抗ミネラルコルチコイド作用があり,動物実験ではスピロノラクトンより強力であることが報告され,エチニルエストラジオールによる浮腫などを緩和する可能性も考えられる。

添付文書には,副作用として高血圧,浮腫が記載されている。
一方抗ミネラルコルチコイド作用による高カリウム血症の記載はないが,血漿中レニン活性・アルドステロン活性上昇が報告されており 抗ミネラルコルチコ
イド作用への代償機構が働いている可能性が推測される。

また,相互作用では,カリウム製剤,ACE阻害薬,ARB,インドメタシンなどとの併用による高カリウム血症のリスク増大が記載されている。
エチニルエストラジオール1mgを配合する製剤を、閉経後軽度高血圧例にエナラプリルと併用した試験,健康な閉経後女性にインドメタシンと併用した試験では,血漿カリウム値の有意な上昇は認められていないが,対象症例や,エチニルエストラジオールの量も異なり,可能性を否定することはできない。
特に腎機能の低下が見られる例では注意が必要である。

参考書籍:調剤と情報

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ジゴキシンに関する下記の記述で正しいものはどれか。2つ選べ。

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薬剤師

a. ジゴキシンは腎排泄率が高いことから、腎機能が低下すると血中濃度が上昇する。
b. ジゴキシンの血中濃度モニタリングを行う際には服用直前(トラフ)の採血を行うが、トラフでの採血が困難な場合は、服薬後1時間以内での採血が望ましい。
c. 末期腎障害患者・透析患者においても正常な腎機能患者と同様に、投与量変更後1週間目の血中濃度モニタリングで適切な投与量設定を行うことが出来る。
d. ジゴキシンの主な排泄経路は腎臓であるため、血液透析で容易に除去出来る。
e. DIGトライアルのサブスタディーでは、LVEF 45%以下の洞調律の心不全患者の至適血中濃度として、0.5-0.8ng/mLが提案されている。

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