更新日:2016年2月8日.全記事数:3,117件.

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ナウゼリンとプリンペランの違いは?


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ナウゼリンとプリンペランの違いは?

プリンペランナウゼリンも、ドパミン受容体拮抗薬という吐き気止め。
ドパミンが嘔吐中枢の化学受容器引き金帯(CTZ)のドパミン受容体を刺激するのを防ぎます。

ナウゼリンは催奇形性があるので、妊婦のつわりには使えません。
プリンペランは錐体外路障害があるので、小児の使用に注意します。

胎児にはナウゼリンが危険なのに、小児にはナウゼリンのほうが安全という矛盾。
催奇形性も錐体外路障害も、血液脳関門の通過しやすさに依存するのではないのかという疑問。

D2受容体は延髄のCTZ(化学受容器引き金帯)や上部消化管に存在するが、ドンペリドンは血液脳関門を通過しにくく、中枢へはほとんど移行しないため、CTZのD2受容体への作用は弱く、主に上部消化管のD2受容体に作用する。そのため、作用機構がよく似たメトクロプラミド(中枢に移行する)に比べて副作用が起きにくく、安全性が高い。ドンペリドン – Wikipedia

ナウゼリンはプリンペランに比べて血液脳関門を通過しにくいので、副作用は少ないらしい。

血液脳関門の通過しやすさとか脂溶性と、催奇形性とかは直接結びつくものではないようだ。
催奇形性って難しい。

ナウゼリンには催奇形性がある、とか妊婦さんが聞くと、万が一飲んでしまった場合、「奇形児が生まれる」と思って血相を変えて受診する。
催奇形性=奇形児が生まれるってわけじゃない。
人体実験はできないわけで、ブラックボックスなわけですが、「動物には毒でも人間には薬」ってものはよくある。

妊婦にナウゼリンを使っても問題ない、ってわけじゃないけど、妊婦にプリンペランも安易に処方していいというもんじゃない。

妊婦と吐き気止め

妊婦にナウゼリンは禁忌です。
同じような吐き気止めのプリンペランは禁忌ではありません。
なので、妊婦にはプリンペランが使われます。

しかし、一般的にはプリンペランのほうが副作用が強いので、ナウゼリンが使われます。
副作用が強いのに妊婦に安全?と疑問に思う患者さんもいます。

催奇形性の問題は難しい問題で、ほとんどわかっていない、というのが実状だと思います。
人間で確認することはできないので、動物実験で推測するしかありません。

ナウゼリンをラットに大量に投与したところ骨格、内臓異常の催奇形作用が報告されました。
妊婦がナウゼリンを飲んで危険度が上昇するというような報告はありません。

つわりと吐き気止め

つわりは、妊娠に伴う悪心、嘔吐、食欲不振などの消化器症状のことで、妊婦の50~90%が経験するといわれている。
妊娠4~7週に始まり、12~16週に終わるとされているが、実際にはかなりの個人差がある。

つわりの原因は不明だが、(1)妊娠によってホルモン環境が急激に変化したことに対する、母体の適応障害、(2)胎盤が未成熟なため、母体が胎児を異物と認識したためのアレルギー反応、(3)急激な母体の変化が副交感神経の緊張を招いたことによる、一種の自律神経失調症一などが考えられている。
つわりの程度は、様々であるが、治療が必要となるつわりは医学的に妊娠悪阻と呼ばれている。
妊娠中は、むやみな薬の服用は避けるのが基本である。
特に、つわりが起きやすい妊娠初期は、薬剤による催奇形性のリスクが高い時期に重なる(最も危険な時期は妊娠4~7週)。
このため、妊娠悪阻の治療も脱水症状や電解質バランス異常などを改善するための補液が中心となる。
補液には電解質溶液やブドウ糖溶液のほか、ウェルニッケ脳症予防のためのビタミンB1製剤などが添加されることが多い。
ただし、嘔吐が激しく、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合は、短期間に限定して制吐薬が使用される。

メトクロプラミド(プリンベラン)は、妊娠悪阻の吐き気に対して有効性が認められ、妊婦への安全性を示唆する報告がある。
米国食品医薬品周(FDA)が定め た薬剤胎児危険度分類では、A、B、C、D、Xの5分類のうち、危険度が2番目に低いB(動物実験では危険性が否定されているが、ヒトでの対照試験がない、または動物実験で有害作用が証明されているが、人での対照試験では証明されていないもの)に分類されている。
また、奇形のリスク増加にはつながらなかったという報告がある。

一方、ドンペリドン(ナウゼリン)は、動物実験により催奇形性が報告されており、妊婦には投与禁忌である。 妊娠初期の胎児が必要とする栄養量はごくわずかで、かつ母体が摂取した栄養は胎児に優先的に到達する。
このため、つわりで食欲がない場合の食事指導は、「好きなものを、 好きな時に、好きなだけ」食べるよう指導するのが基本である。
空腹状態は吐き気を起こしやすいので、1日5~6回に分けて食べた方がいい。
脱水症状予防のために水分摂取は重要だが、一度に大量に水分を補給すると、かえって嘔吐を引き起こすことがある。
少量ずつ摂取するよう指導するとよいだろう。

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇

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