2018年9月20日更新.3,327記事.5,533,947文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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テモダールの使い方を知ってますか?

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テモダールの用法

テモダールの連続投与で患者が死亡という医療事故が発生した。

医師は何の薬かわからずに処方したという。あー怖い。

山口県下関市の国立病院機構関門医療センターは10日、誤って抗がん剤を投与した70歳代の男性患者が死亡したと発表した。連続投与に制限がある薬であることに、医師も薬剤師も気付かずに投与を続けたためとみられる。骨折治療の患者、抗がん剤を39日連続投与され死亡

薬剤師の責任も大きい。

他の医療機関で処方されていた薬を、医師が何の薬か知らずにそのまま処方する、というケースは実際あります。
しかし、薬剤師は何の薬か知らずにそのまま投薬するということはあってはならない。。。だろう。
知らなければ、治療薬マニュアルでも今日の治療薬でも何でもいいが、用法を確認して投薬すべき、だろう。

しかし、正直私もテモダールという薬についてよく知らなかったし、休薬期間が必要な薬であるということも知らなかった。

テモダールの用法は以下のようになっている。

1. 初発の場合
放射線照射との併用にて、通常、成人ではテモゾロミドとして1回75mg/m2(体表面積)を1日1回連日42日間、経口投与し、4週間休薬する。
その後、本剤単独にて、テモゾロミドとして1回150mg/m2を1日1回連日5日間、経口投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールでは1回200mg/m2に増量することができる。

2. 再発の場合
通常、成人ではテモゾロミドとして1回150mg/m2(体表面積)を1日1回連日5日間、経口投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールで1回200mg/m2に増量することができる。

5日間連日投与のところを、39日間連日投与してしまったということだろう。

センターによると、男性は2月に骨折の治療で入院した。他の病院で脳腫瘍の治療を受けており、親族が持参した服用薬に抗がん剤「テモダール」が含まれていた。整形外科の男性主治医(53)ら複数の医師は、抗がん剤であることを十分に認識しないまま処方箋を書いたという。

そもそも、他の病院で脳腫瘍の治療を受けている患者が、骨折で他の病院に入院した場合の医師同士の連携とかどうなっているのだろう、という疑問がある。
骨折の程度がわかりませんが、脳腫瘍の治療を受けている病院のほうに転院させるということにはならなかったのだろうか。

細かい状況がよくわかりませんが、入院中に39日連続でテモダールを処方されて飲んでいたということだが、そこに関与した薬剤師は一人だったのだろうか?

休薬期間の必要な薬

副作用が出た時に休薬する条件が書かれている薬は多いが、無条件に休薬の必要な薬というのは限られている。
骨粗鬆症治療薬とか、ピルとかでも休薬期間があるが、特に抗癌剤の休薬期間は厳守すべきである。
テモダール以外の抗癌剤で休薬期間のある薬をピックアップしてみた。

医薬品名休薬期間の必要な用法
スタラシドカプセル50/スタラシドカプセル100●成人急性非リンパ性白血病
シタラビン オクホスファートとして、1日100~300mgを2~3週間連続経口投与し、2~3週間休薬する。これを繰り返す。なお、投与量は疾患、症状等により適宜増減する。本剤の投与時期は食後とし、1日1~3回に分けて服用する。

●骨髄異形成症候群(Myelodysplastic Syndrome)
シタラビン オクホスファートとして、1日100~200mgを2~3週間連続経口投与し、2~3週間休薬する。これを繰り返す。なお、投与量は疾患、症状等により適宜増減する。本剤の投与時期は食後とし、1日1~3回に分けて服用する。
スチバーガ錠40mg通常,成人にはレゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し,その後1週間休薬する.これを1サイクルとして投与を繰り返す.なお,患者の状態により適宜減量する.
スーテントカプセル12.5mgイマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
通常、成人にはスニチニブとして1日1回50mgを4週間連日経口投与し、その後2週間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
ゼローダ錠300手術不能又は再発乳癌にはA法又はB法を使用する。結腸・直腸癌における補助化学療法にはB法を使用し、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でC法を使用する。直腸癌における補助化学療法で放射線照射と併用する場合にはD法を使用する。胃癌には白金製剤との併用でC法を使用する。

A法
体表面積にあわせた投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、21日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。

B法
体表面積にあわせた投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

C法
体表面積にあわせた投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

D法
体表面積にあわせた投与量を朝食後と夕食後30分以内に1日2回、5日間連日経口投与し、その後2日間休薬する。これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
ティーエスワン配合OD錠T20/ ティーエスワン配合OD錠T25、ティーエスワン配合カプセルT20/ ティーエスワン配合カプセルT25/ ティーエスワン配合顆粒T20/ ティーエスワン配合顆粒T25通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合せて投与し、朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
ニンラーロカプセル2.3mg/ニンラーロカプセル3mg/ニンラーロカプセル4mgレナリドミド及びデキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはイキサゾミブとして1日1回4mgを空腹時に週1回、3週間(1、8及び15日目)経口投与した後、13日間休薬(16~28日目)する。この4週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
ファリーダックカプセル10mg/ファリーダックカプセル15mgボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはパノビノスタットとして1日1回20mgを週3回、2週間(1、3、5、8、10及び12日目)経口投与した後、9日間休薬(13~21日目)する。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
フルダラ錠10mg通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、40mg/m2(体表面積)を1日1回5日間連日経口投与し、23日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
ベプシドカプセル50mg/ ベプシドカプセル25mg、ラステットSカプセル25mg/ラステットSカプセル50mg1. 肺小細胞癌
エトポシドとして,通常成人1日175~200mgを5日間連続経口投与し,3週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
なお,投与量は疾患,症状により適宜増減する。

2. 悪性リンパ腫
患者の状態に応じA法又はB法を選択する。

A法
エトポシドとして,通常成人1日175~200mgを5日間連続経口投与し,3週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
なお,投与量は疾患,症状により適宜増減する。

B法
エトポシドとして,通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し,1~2週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
なお,投与量は疾患,症状により適宜増減する。

3. 子宮頸癌
エトポシドとして,通常成人1日50mgを21日間連続経口投与し,1~2週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
なお,投与量は疾患,症状により適宜減量する。

4. がん化学療法後に増悪した卵巣癌
エトポシドとして,通常成人1日50mg/m2を21日間連続経口投与し,1週間休薬する。これを1クールとし,投与を繰り返す。
なお,患者の状態により適宜減量する。
ペラゾリン細粒400mg/ペラゾリン細粒800mgソブゾキサンとして,通常成人には1日1600mgを1回又は2回に分割,5日間連続経口投与し,2~3週間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
ユーエフティ配合カプセルT100/ユーエフティE配合顆粒T100/ユーエフティE配合顆粒T150/ユーエフティE配合顆粒T200ホリナート・テガフール・ウラシル療法
結腸・直腸癌に対して通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量(300mg/m2を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。
ホリナートの投与量は通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。
以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
レブラミドカプセル2.5mg/レブラミドカプセル5mg多発性骨髄腫
デキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
通常、成人にはレナリドミドとして1日1回10mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
ロンサーフ配合錠T15/ロンサーフ配合錠T20通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし(トリフルリジンとして約35mg/m2/回)、朝食後及び夕食後の1日2回、5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。

今回のような事例は、院外処方でも起こり得ることである。

初めて見る薬が処方されてきたとき、忙しさにかまけて添付文書の確認をおろそかにしていませんか?
このような事故?事件?を教訓にして、薬剤師としての責任を果たさなかったときに、人の命を奪ってしまうこともあり得るということを念頭に置いて、明日からの業務も身を引き締めて行っていかなければなるまい。あー怖い。

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職業:管理薬剤師
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