2018年10月23日更新.3,351記事.5,706,842文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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統合失調症の勉強まとめ

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分類分類商品名一般名
定型抗精神病薬フェノチアジン系ウインタミン/コントミンクロルプロマジン塩酸塩
定型抗精神病薬フェノチアジン系ベゲタミンクロルプロマジン塩酸塩+プロメタジン塩酸塩+フェノバルビタール
定型抗精神病薬フェノチアジン系ヒルバミン/レボトミンレボメプロマジン
定型抗精神病薬フェノチアジン系ピーゼットシー/トリホランペルフェナジン
定型抗精神病薬フェノチアジン系フルメジンフルフェナジン
定型抗精神病薬フェノチアジン系ノバミンプロクロルペラジン
定型抗精神病薬フェノチアジン系ニューレプチルプロペリシアジン
定型抗精神病薬ブチロフェノン系セレネースハロペリドール
定型抗精神病薬ブチロフェノン系インプロメンブロムペリドール
定型抗精神病薬ブチロフェノン系プロピタンピパンベロン塩酸塩
定型抗精神病薬ブチロフェノン系スピロピタンスピペロン
定型抗精神病薬ブチロフェノン系トロペロンチミペロン
定型抗精神病薬ベンザミド系ドグマチール/アビリット/ミラドールスルピリド
定型抗精神病薬ベンザミド系バルネチールスルトプリド塩酸塩
定型抗精神病薬ベンザミド系グラマリールチアプリド塩酸塩
定型抗精神病薬ベンザミド系エミレースネモナプリド
非定型抗精神病薬SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)リスパダールリスペリドン
非定型抗精神病薬SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)インヴェガパリペリドン
非定型抗精神病薬SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)ゼプリオンパリペリドンパルミチン酸エステル
非定型抗精神病薬SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)ルーランペロスピロン塩酸塩水和物
非定型抗精神病薬SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)ロナセンブロナンセリン
非定型抗精神病薬MARTA(多元受容体作用抗精神病薬)ジプレキサオランザピン
非定型抗精神病薬MARTA(多元受容体作用抗精神病薬)セロクエルクエチアピンフマル酸塩
非定型抗精神病薬MARTA(多元受容体作用抗精神病薬)クロザリルクロザピン
非定型抗精神病薬MARTA(多元受容体作用抗精神病薬)シクレストアセナピンマレイン酸塩
非定型抗精神病薬DPA(ドパミン受容体部分作動薬)エビリファイアリピプラゾール
非定型抗精神病薬ロドピンゾテピン
非定型抗精神病薬オーラップピモジド
非定型抗精神病薬クロフェクトンクロカプラミン塩塩酸水和物
非定型抗精神病薬クレミンモサプラミン塩酸塩
非定型抗精神病薬ホーリットオキシペルチン

統合失調症

統合失調症は、陽性症状(幻覚、妄想など)や陰性症状(感情の平板化、意欲低下など)、認知機能障害などを呈する精神疾患であり、これらの症状は患者の職業的機能や社会的機能を著しく低下させます。
統合失調症は主に青年期(10代後半~30代半ば)に好発し、寛解と再発・再燃を繰り返す慢性的経過をたどります。

陽性症状

● 妄想・幻覚(幻聴など)
● 自我意識の障害(他者に支配されていると感じるなど)
● 思考がまとまらない
統合失調症を特徴付ける症状であり、不安や焦燥、暴力、自殺念慮などにつながることがある。

陰性症状

● 感情の平板化
● 意欲低下
● 活動性の低下
心身の活動性が低下し、自閉傾向になる。

認知機能障害

● 注意力・記憶力・集中力の低下
● 見当識障害
● 予測や判断ができなくなる
日常生活や社会生活に必要な機能が障害される。

統合失調症の原因

統合失調症の原因は明らかになっていませんが、その人の持つストレスに対する脆弱性と環境からのストレスによって脳内神経伝達物質の分泌異常が生じることで感情や思考が制御できなくなると考えられています。
統合失調症を説明する有力な仮説として、脳内のドパミン過剰が関与するドパミン仮説が知られています。

ドパミン仮説

ドパミンは運動調節やホルモン調節、幸福感、意欲、学習などに関与する神経伝達物質であり、主要なドパミン神経系として、中脳辺縁系、中脳皮質系、黒質線条体系、漏斗下垂体系が知られています。
統合失調症では、中脳皮質系の活動が低下し、フィードバックにより中脳辺縁系が活性化されることで陽性症状があらわれると考えられています。

【中脳辺縁系】快感や多幸感などに関与し、機能が亢進すると陽性症状があらわれるとされる。
【中脳皮質系】注意や認知機能などに関与し、機能が低下すると陰性症状や認知機能障害があらわれるとされる。
【黒質線条体系】運動機能に関与し、機能が低下すると錐体外路症状などがあらわれるとされる。
【漏斗下垂体系】プロラクチン生成を抑制しており、機能が低下すると高プロラクチン血症となり無月経、乳汁漏出などがあらわれるとされる。

グルタミン酸仮説

ドパミン仮説に基づいた薬物療法では陰性症状などを十分に改善できないことがわかっています。
これを説明する有力な仮説としてグルタミン酸仮説が知られています。
グルタミン酸仮説では、抑制神経系であるGABA神経上のNMDA受容体を介したグルタミン酸神経伝達が障害され、ドパミン機能の亢進や、セロトニン神経の拮抗優位が生じることで統合失調症の症状があらわれると考えられています。

抗精神病薬

抗精神病薬は、広義の向精神薬の一種で、主に統合失調症や躁状態の治療に承認されている精神科の薬である。
過去には、神経遮断薬、あるいはメジャートランキライザーとも呼ばれ、1950年代には単にトランキライザーと呼ばれた。薬事法における劇薬に指定されるものが多い。抗精神病薬は、それ以外にも幅広い精神障害に使用される。

現在使用されている抗精神病薬は、ドパミン仮説に基づいて開発されたものであり、ドパミンD2受容体を遮断することで統合失調症の症状改善が期待されます。
抗精神病薬は、受容体親和性や副作用の特徴から第一世代抗精神病薬(FGAs:first generation antipsychotics)と第二世代抗精神病薬(SGAs:second generation antipsychotics)に大別されます。
抗精神病薬はさまざまな受容体に対して親和性を示し、効果や副作用の発現に関与していると考えられています。なお、親和性の特徴は薬剤ごとに異なります。

抗精神病薬は大きく2分類することができ、古い定型抗精神病薬と、新世代型の非定型抗精神病薬がある。非定型抗精神病薬は、双極性障害のうつ状態やうつ病にも適応がある薬がある。

非定型抗精神病薬は、従来の定型抗精神病薬と比較してドーパミンD2受容体拮抗作用に加えてセロトニン5HT2A受容体拮抗作用を有したり、「緩い」ドーパミンD2受容体拮抗作用を有するなどの特徴をもった薬剤である。非定型抗精神病薬は、錐体外路症状、口が渇く、便秘といった副作用が少なく、統合失調症の陰性症状にも効果が認められる場合があるとされる。

しかし定型対非定型節に見られるように、大規模な試験による分析によれば、非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬よりも優れているという根拠は乏しい。
副作用として、口渇、便秘、無意識的に身体が動く錐体外路症状や、肥満といった代謝の異常、母乳が出るといった高プロラクチン血症などがある。
代謝の異常は、特に非定型抗精神病薬に特徴的である。抗精神病薬を服用している患者の代謝のチェックが日常的に適切に行われていないことが多く、約90%の患者が1つ以上の代謝性の危険因子を持ち、約30%がメタボリックシンドロームである。
さらに抗精神病薬の使用は高い無職率の原因となっている。
また服薬を中断する場合#離脱症状が生じる可能性がある。#有効性節以下で示されるが、効果がなかったり副作用のため服薬の中止が多い薬剤である。

抗精神病薬の過剰処方が問題となっている。投与量の増大に伴う治療効果は頭打ちになるが、副作用発現率は上昇していくため、世界保健機関および英米の診療ガイドラインでは単剤療法を推奨している。日本でも2010年に、抗精神病薬の種類が2種類以下である場合に診療報酬が有利になる改定が行われた。厚生労働省自殺・うつ病等対策プロジェクトチームが「統合失調症に対する抗精神病薬多剤処方の是正に関するガイドライン」の策定を計画しており、2013年10月にSCAP法という減薬ガイドラインが公開された。抗精神病薬の大量処方からの減量は、過感受性精神病という離脱症状による精神症状の悪化を引き起こす可能性があり注意が必要である。
 

定型抗精神病薬

この薬は脳の中の感情や嘔吐をコントロールする部分に働いて、神経に過度な興奮を起こす物質(ドパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)の産生や放出をコントロールすることにより興奮を抑え、強い不安・緊張・衝動性などを鎮め、気分を安定させる薬です。

第一世代抗精神病薬(FGAs)は主に陽性症状の改善効果が期待されます。一方、「錐体外路症状を高頻度に発現する」「陰性症状や認知機能障害の改善効果が乏しい(あるいは悪化させる)」などの問題点が指摘されています。FGAsは化学構造によって分類されており、ブチロフェノン系やベンザミド系はD2受容体への親和性が比較的高く、フェノチアジン系はそのほかの受容体への親和性が高いといわれています。

クロルプロマジン、ハロペリドールなどは、従来型抗精神病薬などとも呼ばれ、精神分裂病の急性期における陽性症状(幻覚・妄想・思考障害など)には有効ですが、慢性期における陰性症状(感情の平板化、会話貧困、欲動低下など)にはそれほど有効ではなく、治療抵抗性分裂病患者には効果がないといわれています。
 
また、大きな特徴として、抗精神病薬による薬物療法で問題となる錐体外路症状を共通の副作用としてもっています。
定型抗精神病薬は、化学構造の違いによって、フェノチアジン系、ブチロフェノン系、イミノベンジル系、ベンザミド系、その他、と5つに系統分けされています。
しかしどの系統の定型抗精神病薬も、その主要な薬理学的特徴はドーパミン受容体の遮断です。
 
「この症状にはこの系統が効く」といったものがあるわけではなく、患者さんの個人差によって合う薬を探していくことになります。
定型抗精神病薬のほとんどはドーパミン受容体との親和性が高く、ドーパミン受容体を遮断してシグナルを伝えないようにするアンタゴニスト(拮抗薬)です。
その作用により、中脳辺縁系で過剰になりすぎたドーパミンのシグナルが抑えられ、統合失調症の症状のうち、幻覚・妄想などの、いわゆる陽性症状に対してのみ効果を発揮します。

ブチロフェノン系抗精神病薬

ハロペリドール(セレネース)は幻覚妄想に対する作用が強く鎮静作用が弱い。
躁病やせん妄などにも用いる。
抗コリン作用は弱いがEPSやプロラクチン値上昇作用が強いので注意する。

ベンザミド系抗精神病薬

スルピリド(ドグマチール)は抗潰瘍薬であるが、低用量(50~150mg)では抗うつ作用、大量(300mg以上)で抗精神病作用が認められる。
副作用として脳内移行が悪いため高プロラクチン血症が出やすく、乳汁分泌、月経異常などに注意する。
高齢者ではEPSが出やすい。
 
ベンザミド系抗精神病薬(定型抗精神病薬)
スルピリド(ドグマチール、アビリット、ミラドール)
スルトプリド塩酸塩(バルネチール)
チアプリド塩酸塩(グラマリール)
ネモナプリド(エミレース)
 

イミノベンジル系抗精神病薬

幻覚や妄想に対する作用はさほど強くありませんが、意欲の低下を改善する作用があります。
 
日本で最初に開発されたカルピプラミン塩酸塩水和物に代表される一群の抗精神病薬で,フェノチアジン系やブチロフェノン系薬剤と同じ様に使われる。抗精神病薬の場合に問題となる錐体外路系副作用は比較的弱いとされている。

非定型抗精神病薬

この薬は脳の中の感情をコントロールする部分に働いて、神経に興奮を伝達する物質が特定の部位に結びつくのを遮断することにより興奮を抑え、幻覚・妄想を抑え、意欲の低下などの症状を改善し、気分を安定させる薬です。

第二世代抗精神病薬(SGAs)は、FGAsで指摘されてきた問題点を軽減した薬剤であり、FGAsとは受容体親和性などが異なることから非定型抗精神病薬とも呼ばれます(これに対してFGAsは定型抗精神病薬と呼ばれる)。
副作用リスクの少なさや陰性症状・認知機能障害に対する効果から、現在では多くの症例でSGAsが第一選択薬として用いられています。

SGAsは、受容体親和性の違いからセロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)、多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)、ドパミン部分作動薬(DPA)に大別されます。

セロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)

セロトニン、ドパミン受容体に対する親和性が比較的高い。
抗セロトニン作用(精神賦活作用等の陰性症状)に対しても効果が期待できる。

主に5-HT2受容体とD2受容体の遮断作用を示す。
なお、5-HT2受容体遮断作用に比べて、D2受容体遮断作用が相対的に強いものはドパミン・セロトニン遮断薬(DSA)と呼ばれることがある。

少量で確実な抗幻覚妄想効果。
セロトニンとドパミンが拮抗することを利用し、中脳ー辺縁系のドパミンを遮断して抗精神病効果を得ながら、セロトニンを遮断することで黒質ー線条体系のドパミンをさほど遮断しないため、EPSが少ないという理論。
リスペリドン(リスパダール)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)がこれにあたる。
抗精神病効果に優れ、体重増加、血糖上昇は少なく、禁忌等もないため統合失調症治療の第一選択薬となる。
しかしプロラクチン値を上げ、無月経、乳汁分泌、射精不能を起こし得る。
ペロスピロンはセロトニン1A受容体の部分作動作用もあり、EPSが幾分少なく、また抗不安・抗うつ効果が期待されるが、鎮静効果はその分弱い。
ブロナンセリンはドパミン選択性がSDAの中では強く、EPSが見られやすいが、脳内移行がよいためプロラクチン値を上げにくい。
SDAとは、薬理学的にはドパミン受容体とセロトニン受容体の遮断作用を併せ持つ薬剤で、特にセロトニン受容体に対する親和性がドパミン受容体に対する親和性を上回っていることが特徴といわれています。
抗精神病薬による抗精神病作用は、主に中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体の遮断作用により発現しますが、線条体でのドパミンD2受容体の遮断作用により錐体外路症状が引き起こされます。
SDAではドパミンD2受容体遮断作用により、中脳辺縁系と線条体および前頭前野皮質系でのドパミンD2受容体を遮断しますが、線条体でのドパミン神経はセトロニン神経によって調節されているため、セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、錐体外路症状の惹起を抑制し、前頭前野皮質でのドパミン活性の向上により陰性症状が改善すると考えられています。
また、中脳辺縁系でのドパミンD2受容体の遮断作用はセトロニン5-HT2受容体の遮断により影響を受けないため、陽性症状が改善されると考えられています。
セロトニン・ドパミン遮断薬(SDA;serotonin-dopamine antagonist)
セロトニンとドパミンが拮抗することを利用し、ドパミン神経の中脳-辺縁系路を遮断して抗精神病効果を得ながら、セロトニンを遮断することによってEPSをもたらす黒質-線条体経路をさほど遮断しないため、EPSが少ないという理論である。
リスペリドン(リスパダール)、パリペリドン(インヴェガ)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)がこれにあたる。
リスペリドンは抗精神病効果に優れ、体重増加、血糖上昇は少なく、禁忌もないため統合失調症治療の第一選択薬となる。
しかし脳内移行が悪いためプロラクチン値を上げ、無月経、乳汁分泌、射精不能を起こしうる。
パリペリドンはリスペリドンの代謝産物であり、プロラクチン値を上昇させうるが、徐放剤のため立ち上がりは遅く、副作用が少ないことが期待される。
ペロスピロンはセロトニン1A受容体の部分作動作用もあり、EPSが幾分少なく、また抗不安・抗うつ効果が期待される。
ブロナンセリンはドパミン選択性がSDAの中では強く、EPSがみられやすい反面、幻覚妄想症状に効果がより期待できる。
鎮静効果は弱い。
なお、脳内移行がよいためプロラクチン値を上げにくい。

ロナセンはDSA(dopamine-serotonin antagonist)と呼ばれることもある。

MARTA

MARTA:multi-acting receptor targeted antipsychotics

多くの受容体(ドパミンD2・D3・D4、セロトニン5-HT2A・2B・2C、5-HT6、α1、アドレナリン、ヒスタミンH1、ムスカリン受容体等)に作用。
作用する受容体が標的化されている。(中脳辺縁系、大脳皮質前頭前野への選択的作用あり)
抗セロトニン作用(精神賦活作用等の陰性症状)に対しても効果が期待できる。

さまざまな受容体の遮断作用を示す。他のSGAsと比較して、α1・M・H1受容体に対する遮断作用が強い。

抗幻覚妄想効果に加え、鎮静、催眠効果、抗うつ効果あり。
EPS少ない。
セロトニン・ドパミン以外のコリン、ヒスタミン、アドレナリン他多くの受容体にも作用することで名前がついた。
諸外国で治療抵抗性統合失調症の治療に推奨され、日本でも発売されたクロザピンのように多くの受容体に作用することで効果発現すると考えられている。
抗精神病作用に加え、認知機能やうつ、双極性障害に対する効果が期待され、また鎮静効果があるため睡眠薬の代わりに使用されることもある。
EPSやプロラクチン値上昇もより少ないとされるが、体重増加、脂質代謝異常や血糖上昇が問題となる。
糖尿病患者には禁忌であり、また同疾患の家族歴のある者にも注意を要する。
クロザピン(クロザリル)はどの抗精神病薬よりも強力でEPSも少なく、さらに治療抵抗性症例への効果が期待されるが、無顆粒球症や血糖値上昇が出現しやすいため、しばらくは血液内科医や糖尿病内科医の対応が可能な施設での入院治療及び頻回の血液検査を要する。
MARTAとは、薬理学的には、ドパミン受容体、セロトニン受容体のみならず、さまざまな受容体に親和性をもっている薬剤です。
ドパミンD2受容体の遮断作用は比較的弱く(あるいは、緩く遮断する)、セトロニン5-HT2受容体に対する遮断作用が強いため、錐体外路症状の惹起が少なく、視床下部でのドパミンD2受容体に対する遮断作用も弱いことから、プロラクチンの上昇が起こりにくいといわれています。
また、中脳、皮質への選択性が高いこと、コンクリフトモデルでの活性、前頭葉でのNMDA系活性の正常化により、陰性症状や認知機能障害が改善されると考えられています。
 

DSS

ドパミン、セトロニン受容体に対して親和性が高い。
ドパミン作動性神経伝達が過剰のときはドパミンD2受容体のアンタゴニストとして、低下しているときはアゴニストとして、ドパミン神経伝達を安定化させる。
陽性症状への効果を示すとともに陰性症状をも改善する。

主にD2受容体に結合し、過剰なドパミン刺激を抑制する。
一方で弱いD2受容体刺激作用を示すことから錐体外路症状が少ないとされる。

DPA:dopamine partial agonist

抗精神病薬の副作用

● 錐体外路症状
錐体外路症状は、ドパミン神経系(主に黒質線条体系)の働きが低下し、相対的にアセチルコリン神経系の働きが強くなることで生じる運動障害と考えられています。
錐体外路症状には、発現時期の異なるさまざまな症状があり、いずれも早期に発見し、薬剤の変更や減量を行うことが原則となります。
また、症状によっては抗コリン薬や抗パーキンソン病薬などを使用することも考慮されます。
【急性ジストニア】体や首がひきつれる・捻れる、目が上を向くなど( 疼痛を伴うことがある。また、咽頭ジストニアは呼吸困難など生命に関わる場合がある)
【パーキンソン症状】振戦(ふるえる)、姿勢反射障害(前かがみで動きづらい)、寡動(体の動きが硬い、表情が乏しい)など
【アカシジア】手足が落ち着かない 、じっと座っていられない、強い不安焦燥感(自傷や自殺につながる恐れがある)など
【遅発性ジスキネジア】顔面の不随意運動(口をもぐもぐする 、 舌を出す)、上下肢が不規則に動くなど
【遅発性ジストニア】持続的に異常な姿勢や眼球の動きが持続するなど(円滑な動作ができず、日常生活が困難になることがある)

● 高プロラクチン血症
プロラクチン(乳汁分泌作用や性腺抑制作用をもつホルモン)はセロトニンの働きにより分泌が促進され、通常はドパミン神経系により制御されています。ドパミン神経系(主に漏斗下垂体系)の働きが低下すると、このバランスが崩れプロラクチンの分泌が亢進することで高プロラクチン血症を生じると考えられています。

高プロラクチン血症に対しては、症状のある場合に介入が必要となります。
・原因抗精神病薬の減量・中止
・血中プロラクチン値への影響が少ない抗精神病薬(アリピプラゾール、クロザピン、ぺロスピロン、クエチアピンなど)への変更
・D2受容体刺激薬の使用(統合失調症への安全性は確立していない)

● 悪性症候群
悪性症候群は、黒質線条体系や視床下部での急激で強力なドパミン受容体遮断や、ドパミン神経系と他の神経系との協調の障害などにより生じると考えられています。
悪性症候群は、抗精神病薬による副作用としては最も死亡率が高く(約10%)、通常は投与開始や減量・中止後、数週間以内にあらわれるとされています。
すみやかに抗精神病薬の投与を中止し、全身のモニタリング管理、輸液などの身体的治療を行います。また、ダントロレン(ダントリウム)やブロモクリプチン(パーロデル)の投与、電気けいれん療法の施行を考慮する。

● 体重増加
体重増加は、抗精神病薬(特にオランザピンやクロザピンなどのSGAs)の副作用としてしばしば認められ、5-HT2受容体やH1受容体の遮断によって生じると考えられています。
症状があらわれた場合も原則として抗精神病薬の投与を継続するが、薬剤の変更を考慮する場合もある(オランザピン使用例では、リスペリドンやペルフェナジン、アリピプラゾールへの変更により体重増加が抑制されると報告されている)。

● 耐糖能異常・糖尿病
耐糖能異常は、クエチアピンやオランザピン、クロザピン、アリピプラゾールなどの副作用として認められ、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどった症例が報告されています。
上記の抗精神病薬を投与中は、血糖値の測定などを行う。高血糖や糖尿病を疑う症状があらわれた場合には抗精神病薬の投与を中止し、必要に応じてインスリン製剤などにより対処する。

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コメント

  1. コメントありがとうございます。

    ありえます。

    yakuzaic:2018/10/2

  2. コメントありがとうございます。

    起こりえます。

    yakuzaic:2018/10/2

  3. 依然、ノバミン、グラマリール、寝る前にリスパダールという処方がでました。
    組み合わせ的には問題ないんでしょうか?

    あっく:2018/9/30

  4. いつも大変勉強になります。
    高プロラクチン血症は男の方にも起こり得る副作用でしょうか?

    あっく:2018/9/30

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名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう
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