2019年1月19日更新.3,354記事.5,853,216文字.

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関節リウマチの勉強まとめ

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関節リウマチ

関節リウマチは、関節症状を主徴とする慢性炎症性疾患であり、関節破壊に伴う機能障害によってQOLやADLを著しく低下させます。
また、肺などの他臓器にも波及することがあり、全身性の合併症によっても生命予後が悪化することが知られています。

関節リウマチの症状

関節リウマチの関節症状は、滑膜炎による関節痛や関節腫脹から始まります。
滑膜炎が進行することで関節破壊が生じ、関節変形や関節拘縮が起こります。
これらの症状は、多発性かつ左右対称性に認められることが一般的です。

【滑膜炎】
重くうずくような痛みで、天候の影響を受けやすく、天気が悪い日や寒い日に悪化しやすい。
特徴的な朝のこわばり(痛みや腫脹により、起床時に手指が動かしにくくなる)が認められることが多い。

【関節破壊】
関節破壊が進行すると亜脱臼・脱臼が起こり、関節の変形や強直を招く。
手指や足趾では特徴的な関節変形が好発する。また、肘や膝では関節拘縮が生じやすい。

関節リウマチの原因

関節リウマチの発症機序は解明されていませんが、自己免疫応答が滑膜炎の発症に関与していると考えられています。
滑膜炎が進行すると滑膜が増殖し、パンヌスと呼ばれる肉芽組織が形成されます。
パンヌスが骨・軟骨組織を侵食することで関節破壊をきたします。

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断にあたっては、関節所見の診察を基本として種々の検査を行い、関節リウマチに比較的特徴的な症状・所見の確認や、他疾患の鑑別などにより総合的に判断します。

リウマトイド因子は、関節リウマチの約80%で陽性となる自己抗体の一つです。関節リウマチだけでなく、他の膠原病でも陽性となるなど特異度は高くありませんが、診断や治療効果の評価に有用と考えられています。

抗CCP抗体は、関節リウマチに特異度の高い自己抗体の一つです。抗CCP抗体は発症初期から検出されるため、関節リウマチの早期診断に有用と考えられています。

【関節所見の診察】
触診により関節痛や関節腫脹を確認する。また、関節可動域を測定し、炎症や変形による機能障害の程度を観察する。
関節腫脹や関節水腫などを認める場合には関節液検査を考慮する。関節液検査は感染性関節炎や結晶性関節炎(痛風・偽痛風など)の鑑別診断などに有用である。

【血液検査】
自己抗体(リウマトイド因子、抗CCP抗体など)や免疫複合体などの自己免疫疾患に特徴的な所見を測定する。
炎症を評価するため、C反応性蛋白(CRP)や赤血球沈降速度(ESR)などを測定する。
MMP-3は、増殖する滑膜組織が分泌する軟骨組織を分解する酵素であり、関節破壊の評価に有用である。

【画像検査】
単純X線検査は主に骨病変を観察することができ、骨びらんのパターンから他疾患を鑑別する際などに有用である。一方、滑膜炎や早期の骨びらんなどの検出には限界がある。
関節エコーやMRIは高コストだり、造影剤が必要になるなど簡便ではないが、関節エコーよりも詳細な情報を取得でき早期診断や薬効判定に有用である。

関節リウマチの薬物療法

抗炎症効果や関節破壊抑制効果が認められるDMARDを中心とした薬物療法を行います。
通常、メトトレキサート(MTX)を第一選択薬として使用し、効果不十分例に対しては、他のcsDMARD(従来型抗リウマチ薬)やdDMARD(生物学的製剤)の追加・変更などを行います。

csDMARD(従来型抗リウマチ薬)

csDMARDは、RA治療の中心的薬剤に位置付けられていますが、使用に際しては効果発現が遅い(数週間から数か月かかる)ことや効果に個人差が大きいことなどに注意が必要です。

【免疫調節薬】
この薬は体のリンパ球などの免疫機能に働いて、免疫が亢進しているときは抑制し、低下しているときは増強して免疫機能の異常を調節し、関節リウマチの関節の炎症や腫れをやわらげる薬です。
・シオゾール(金チオリンゴ酸ナトリウム)
・リマチル(ブシラミン)
・アザルフィジン(サラゾスルファピリジン)
・ケアラム/コルベット(イグラチモド)

【免疫抑制薬】
この薬は体のリンパ球などの免疫機能に働いて、異常な免疫機能を抑えることにより、関節リウマチの骨の破壊や、関節の炎症や痛み・腫れをやわらげる薬です。
・リウマトレックス(メトトレキサート)
・ブレディニン(ミゾリビン)
・プログラフ(タクロリムス)
・アラバ(レフルノミド)

bDMARD(生物学的製剤)

bDMARDは、炎症性サイトカインや免疫細胞に対する分子標的薬であり、MTXをはじめとしたcsDMARDで効果不十分な場合に使用されます。

【TNF阻害薬】
インフリキシマブ使用時は、中和抗体の発現を抑制するため、必ずMTXを併用する。また、他のTNF阻害薬は単剤使用が可能であるが、MTXとの併用による有効性と安全性が確認されている。
TNF阻害薬は心不全を招く可能性が報告されており、うっ血性心不全患者には重症度に応じて慎重投与または禁忌となる。
TNFを阻害することで腫瘍リスク増加の可能性が懸念されるため悪性腫瘍患者への投与は望ましくないとされている。
・レミケード(インフリキシマブ)
・エンブレル(エタネルセプト)
・ヒュミラ(アダリムマブ)
・シンボニー(ゴリムマブ)
・シムジア(セルトリズマブペゴル)

【IL-6阻害薬】
IL-6誘導性の炎症を抑制する薬剤であり、他のDMARDの不応例などに使用される。
消化管穿孔の報告があり、憩室炎の既往・合併がある場合は慎重に投与する。
・アクテムラ(トシリズマブ)

【T細胞選択的共刺激調節薬】
抗原提示細胞のCD80/86に結合することでT細胞の活性化を抑制する薬剤であり、他のDMARDの不応例などに使用される。
慢性閉塞性肺疾患を合併する患者には、症状を悪化させる可能性があるため、慎重に投与する。
・オレンシア(アバタセプト)

ヤヌスキナーゼ阻害薬

この薬はヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きを阻害し、細胞内の信号伝達経路を阻害することにより、免疫細胞からの炎症を誘発する物質(サイトカイン)の産生を抑え、関節リウマチの骨の破壊や、関節の炎症・痛み・腫れをやわらげる薬です。

JAK阻害薬は、IL-2やIL-6などのサイトカインによる細胞内シグナル伝達を阻害することで免疫反応を抑制し、抗リウマチ効果を示す薬剤です。
トファチニブ(ゼルヤンツ)はbDMARDと同等の効果が期待される内服薬です。

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