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調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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睡眠障害の勉強まとめ

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分類分類商品名一般名
非ベンゾジアゼピン系超短時間作用型(2~4時間)マイスリーゾルピデム酒石酸塩
非ベンゾジアゼピン系超短時間作用型(2~4時間)アモバンゾピクロン
非ベンゾジアゼピン系超短時間作用型(2~4時間)ルネスタエスゾピクロン
ベンゾジアゼピン系超短時間作用型(2~4時間)ハルシオントリアゾラム
ベンゾジアゼピン系短時間作用型(6~10時間)デパスエチゾラム
ベンゾジアゼピン系短時間作用型(6~10時間)リスミーリルマザホン塩酸塩水和物
ベンゾジアゼピン系短時間作用型(6~10時間)レンドルミンブロチゾラム
ベンゾジアゼピン系短時間作用型(6~10時間)ロラメット/エバミールロルメタゼパム
バルビツール酸系短時間作用型(6~10時間)ラボナペントバルビタールカルシウム
オレキシン受容体拮抗薬中時間作用型(12~24時間)ベルソムラスポレキサント
ベンゾジアゼピン系中時間作用型(12~24時間)ユーロジンエスタゾラム
ベンゾジアゼピン系中時間作用型(12~24時間)サイレース/ロヒプノールフルニトラゼパム
ベンゾジアゼピン系中時間作用型(12~24時間)ネルボン/ベンザリンニトラゼパム
バルビツール酸系中時間作用型(12~24時間)イソミタール
ベンゾジアゼピン系長時間作用型(24時間以上)ドラールクアゼパム
ベンゾジアゼピン系長時間作用型(24時間以上)ダルメート/ベノジールフルラゼパム塩酸塩
ベンゾジアゼピン系長時間作用型(24時間以上)ソメリンハロキサゾラム
バルビツール酸系長時間作用型(24時間以上)フェノバールフェノバルビタール
メラトニン受容体作動薬ロゼレムラメルテオン
有機ブロム系ブロバリンブロモバレリル尿素
クロラール系エスクレ坐剤抱水クロラール
クロラール系トリクロリールトリクロホスナトリウム

睡眠障害の分類

睡眠障害は主に症状や所見から大別され、①不眠症、②過眠症、③睡眠関連呼吸障害、④概日リズム睡眠障害、⑤睡眠時随伴症、⑥睡眠関連運動障害、⑦精神疾患に伴うもの、⑧身体疾患に伴うものなどに分類される。

不眠症

不眠症

不眠症は睡眠障害の代表的な病態であり、「適切な睡眠環境下において、睡眠の質や維持に関する訴えがあり、これに基づいて日中の機能障害が認められる」と定義されている。
不眠を訴える人は多く、わが国における成人の20~25%が睡眠に何らかの問題を抱えている。
特に60歳以上の高齢者では約30%に不眠の訴えがある。

不眠症の原因には、臨床症状として、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒および熟眠障害の4つのタイプがあり、その持続期間によって一過性不眠(数日間)、短期不眠(1~3週間)および長期不眠(1か月以上)に大別される。

治療に当たっては病態の正確な把握と診断に基づき、非薬物治療(睡眠衛生指導、高照度療法、認知行動療法など)と薬物治療を組み合わせて行う必要がある。

入眠障害:就寝後、入眠するまでの時間が延長して、寝つきが悪くなる状態。
中途覚醒:いったん入眠後、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚める状態。
早朝覚醒:本人が望む時刻、あるいは通常の起床時刻の2時間以上前に覚醒してしまい、その後、再入眠できない状態。
熟眠障害:睡眠時間は十分であるにもかかわらず深く眠った感覚が得られない状態。

不眠の原因となりうる要因

①身体的要因
痛み、かゆみ、咳などの身体的苦痛
睡眠時呼吸障害、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群
②生理的要因
寝室環境の変化、騒音や光などによる環境変化
③薬理学的要因
薬物の副作用による薬剤起因性不眠、カフェイン、アルコールなど
④心理学的要因
心配ごと、ストレスなどによる緊張の高まり
⑤精神医学的要因
気分障害、不安障害、統合失調症など精神疾患による不眠

正常な睡眠時間はどのくらいか?

よく、8時間睡眠といわれますが、必要な睡眠時間は個人差が大きく、健康な人では4~10時間までの幅があります。
日中すっきりと起きていられて、疲労感がなくさわやかに過ごすことができれば、それがその人にとっての適切な睡眠時間といえます。
日本人の平均睡眠時間は7時間前後で、6時間半~7時間半くらいの人が大多数です。

睡眠薬

睡眠薬

不眠症の薬物治療は、睡眠薬の使用が一般的である。
睡眠薬は化学構造式、作用機序からバルビツール酸系(BB)系、ベンゾジアゼピン(BZ)受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬、その他に分類される。
また、催眠鎮静作用のある抗うつ薬や抗精神病薬などが、睡眠の改善を目的として用いられることがある。

BB系薬は依存や耐性が生じやすく、大量服薬により致死的となる危険性があるため、その使用は不穏、興奮状態にある患者の救急的な鎮静や、急性でかつ短期間で改善が期待できる不眠などに限られている。また、これらの欠点を克服すべく開発された「その他」に分類されるブロムワレリル尿素、抱水クロラール、トリクロホスナトリウムは、いずれも耐性や依存性が強く、現在ではほとんど使用されていない。
BZ受容体作動薬は耐性や依存性が少なく、自殺目的における大量服薬時にも生命を失う危険性が小さいため安全性に優れている。
メラトニン受容体作動薬は、睡眠‐覚醒リズムを改善し、自然に近い生理的な睡眠を誘導する。BZ受容体作動薬に比べて催眠作用は弱いが、反跳現象や依存、奇異反応などを生じないため安全性が高い。
オレキシン受容体拮抗薬は、覚醒を促進するオレキシンの受容体への結合を阻害することにより、睡眠を誘導する。

通常用いられる睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系薬で催眠作用の強いものである。
ベンゾジアゼピン系薬はそれ以前に用いられていたバルビツール酸系より薬物依存形成作用や呼吸抑制が弱いため、現在まで広く用いられている。

血中半減期により超短時間型(2~4時間)、短時間型(6~10時間)、中間型(12~24時間)、長時間型(24時間以上)の4群に分けられるため、その特徴を利用して薬剤を選択する。

ベンゾジアゼピン受容体への結合が飽和状態になれば、それ以上脳に作用しないため、過量服用の際も死亡の危険性が少ない。
しかし、呼吸抑制が全くないわけではないため注意し、必要ならベンゾジアゼピン受容体拮抗薬フルマゼニル(アネキセート)の静注を用いる。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

ベンゾジアゼピン系睡眠薬

・睡眠誘発作用以外に、抗不安作用、筋弛緩作用、抗痙攣作用などを有する。
・呼吸中枢のある脳幹には作用しないため、大量服薬時も生命を失う危険性は少ない。
・耐性や依存性は、生じにくい。

この薬はベンゾジアゼピン受容体(ω1、ω2)と結びついて脳内の神経に抑制的に働く物質(GABA:ガンマーアミノ酪酸)の作用を増強し、興奮を抑えることで不安や緊張をやわらげ、寝つきをよくし、夜間の睡眠を持続させる薬です。

BZ系薬はそれぞれ化学構造は異なるが、いずれも大脳辺縁系を中心とする情動中枢を選択的に抑制し、覚醒中枢へ送られるインパルスを遮断する。
BZ受容体はGABAA受容体とともにGABAA‐BZ‐Clイオンチャネル複合体を形成しており、BZ受容体作動薬はBZ受容体に結合しGABA神経系の作用を増強し、細胞内へのCl⁻イオン流入を促進することで神経活動を抑制する。
GABAA受容体は5つのサブユニット(2つのα・βサブユニットと1つのγサブユニット)からなり、α、β、γにもそれぞれサブタイプが存在する。

BZ受容体には、ω1~ω3のサブタイプが存在し、中枢型(ω1、ω2)と末梢型(ω3)に分類される。
ω1受容体は小脳に多く分布し、主に鎮静・催眠作用に関与する。
ω2受容体は脊髄に多く分布し、筋弛緩作用・抗不安作用に関与している。
ω3受容体は腎臓などの末梢の組織に多く存在しているが、GABAA受容体との複合体には関与せず、末梢の組織や器官におけるBZ受容体作動薬の副作用などに関与しているものと考えられているが、詳細は不明である。

マイスリーやドラールはω1受容体への選択性が認められており、筋弛緩作用が弱く、ふらつきや転倒などのリスクが少ないものと考えられる。
また、反跳性不眠や退薬症候が出にくい。しかし、ω1受容体に選択性が高い薬剤は抗不安作用が弱いため、不安・焦燥感がある場合や他の精神的病態のある場合には、ω1、ω2両受容体に作用する睡眠薬のほうが効果を期待できる。
アモバンやルネスタは、ω2受容体よりω1受容体に対して比較的高い親和性を示すものの、明確な選択性は示されていない。

現在用いられている睡眠薬のほとんどが抗不安薬とともにベンゾジアゼピン系であり、安全性も高いといわれています。

大脳辺縁系と視床下部の活動を抑制することにより、不安や緊張を和らげて入眠しやすい状態を作り出します。

最高血中濃度到達時間や半減期の長短により使い分けられ、半減期の短い超短時間作用型から長時間作用型まで分類され、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、混合型などに使い分けられます。

バルビツール酸系睡眠薬に比べ依存性も少ない安全であるとされていますが、近年、常用量依存の問題や健忘が問題となっており、慎重な使用が求められています。

短時間作用型睡眠薬

切れ味は低下するが連用による蓄積は軽度で持ち越し効果は比較的少ないので使いやすい。 消失半減時間が短いために、朝の覚醒時に眠気が残ることは少ない。 ゾピクロン、エチゾラム、ブロチゾラム、P450に影響しないロルメタゼパムなどがある。

中間作用型睡眠薬

半減期が20時間前後のものは、入眠障害や中途覚醒、早期覚醒にも適する。
 
連用による蓄積があり、日中の抗不安作用が期待できるものの、持ち越し効果に注意する。
中間作用型は、消失半減期が、20~30時間であるため、連用すると中等度の蓄積が生じる。
 
また一過性不眠のみならず長期不眠にも有用である。
眠気の残存感、ふらつき、頭重感、作業能率の低下などの副作用を生じることがある。

バルビツール酸系睡眠薬

バルビツール酸系睡眠薬

この薬は中枢神経の働きを抑え、脳内の神経に抑制的に働く物質(GABA:ガンマーアミノ酪酸)の作用を増強し、脳の興奮を抑えることで不安や緊張をやわらげ、寝つきをよくし、夜間の睡眠を持続させる薬です。

バルビツール酸系は、鎮静薬、静脈麻酔薬、抗てんかん薬などとして中枢神経系抑制作用を持つ向精神薬の一群である。構造は、尿素と脂肪族ジカルボン酸とが結合した環状の化合物である。それぞれの物質の薬理特性から適応用途が異なる。バルビツール酸系は1920年代から1950年代半ばまで、鎮静剤や睡眠薬として実質的に唯一の薬であった。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

BZDと化学構造が異なるが、BZD受容体に作用する。

筋弛緩作用と関連するω2受容体には作用せず、ω1受容体に選択的に作用するゾルピデムは、筋弛緩作用が弱く徐波睡眠を増し、高齢者に作用しやすい。

ゾピクロンは徐波睡眠を回復するが、口中に苦味が出現することがある。

・BZ系薬と化学構造は異なるが、BZ受容体に作用する。
・ω1受容体への選択性および親和性が高いため、脱力や転倒などの副作用が少ない。

メラトニン受容体アゴニスト

メラトニン受容体アゴニスト

・睡眠―覚醒リズムに働きかけ、鎮静作用や抗不安作用によらない睡眠をもたらす。

脳の中央部にある松果体から分泌され睡眠・覚醒サイクルを調整するホルモンをメラトニンといい、分泌されると脳の中の「視交叉上核」にある受容体にくっついて、睡眠作用を現します。この薬はメラトニンの受容体に結びついて選択的に刺激し睡眠と覚醒のリズムを整えることで、脳と体の状態を覚醒から睡眠へと切り替えて、寝つきをよくし、夜間の睡眠を持続させる薬です。

ロゼレム錠は、2010年に発売された新しいタイプの睡眠薬です。

ロゼレム錠の特徴は、従来の睡眠薬とは違って強引に眠らせるのではなく、自然な眠気を強くしてくれる睡眠薬です。服用を続けていくことで、少しずつ効果の実感がでてくるような睡眠薬です。

体内時計のリズムをつくるメラトニンに作用する睡眠薬で、生理的なホルモンに作用するロゼレムは安全性が高く、依存性もありません。

しかしながらすぐに効果が出てくるお薬ではなく、その実感の乏しさがデメリットにもなります。これまでの睡眠薬を使われていた方は、その効き方の違いに違和感を覚えることもあります。

オレキシン受容体拮抗薬

オレキシン受容体拮抗薬

・覚醒を維持する神経ペプチドの受容体への結合を遮断して睡眠をもたらす。

オレキシンは視床下部のニューロンから産生される神経ペプチドで覚醒状態の維持に重要な働きをしています。
この薬は「オレキシン」の働きを弱めることによって、脳の状態が覚醒から睡眠に切り替わることを助けて、寝つきをよくし、夜間の睡眠を持続させる薬です。

ベルソムラは、覚醒中枢に特異的に作用することによって、本来の眠りをもたらします。
オレキシンは、視床下部のニューロンから産生される神経ペプチドであり、覚醒の調節に重要な働きをしていることが最近の研究で明らかとなっています。

ベルソムラ錠(一般名・スボレキサント)は,覚醒を維持する神経ペプチド・オレキシンに着目した不眠症治療薬である。オレキシンの受容体への結合を可逆的に阻害することで,脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させる。従来のGABA(γ-アミノ酪酸)受容体作動薬などとはまったく異なる機序で睡眠を誘発する。臨床試験では,入眠効果と睡眠維持効果が投与第1日夜から認められた。副作用は傾眠など。

オレキシンは神経ペプチドで,米テキサス大学の柳沢正史氏(現・筑波大学),櫻井武氏(現・金沢大学)らがオーファン受容体のリガンドとして1990年代に発見した。
視床下部のオレキシン神経細胞によって産生され,動物実験では脳脊髄液中のオレキシン濃度は覚醒時に高くなり,睡眠中は低いことが示されている。オレキシン受容体は脳内に広く分布し,ノルアドレナリン,ヒスタミン,ドーパミンなど覚醒に関わる神経細胞にシグナルを送り,覚醒システム全体を活性化している。
睡眠システムと覚醒システムは相互に抑制的に働いて調節されているが,オレキシンは,覚醒中に急に睡眠が生じないように適切な覚醒の維持に寄与していると考えられる。
そこでオレキシンの作用をブロックして覚醒維持を阻害し,バランスを睡眠優位に切り替えて睡眠を誘導するのがオレキシン受容体拮抗薬のベルソムラである。

その他の睡眠薬

・ブロバリン、エスクレ、トリクロリールなど。
・BB系薬と同様に、副作用が強く、安全域が狭い。
・睡眠薬としての使用は少なく、脳波などの検査時の睡眠に用いられる。

睡眠薬の服薬指導

「この薬の服用中は、車の運転など危険を伴う機械の操作は行わないでください」
→薬の影響が翌朝以後に及んで、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるため

「この薬は就寝直前に服用してください。就寝した後、途中で起きる仕事などをする可能性があるときは飲まないでください。」

レストレスレッグス症候群治療薬

この薬は足の裏やふくらはぎ、太ももなどにむずむずする、虫がはう、痛痒いなどの不快感が起こりじっとしていられなくなる(特発性レストレスレッグス症候群:むずむず脚症候群)等の症状を改善する薬です。

■ドパミン受容体刺激薬
ドパミン受容体を刺激することで症状を改善する。

■ガバペンチン
興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することで症状を改善する。

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生息地:雪国
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