2024年3月28日更新.2,749記事.

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リウマトイド因子陽性なら関節リウマチ?

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リウマトイド因子と関節リウマチ

関節リウマチ患者では、リウマトイド因子は陽性であることが多いですが、関節リウマチがなくても陽性になります。

関節リウマチ患者における陽性率は約80%です。健常人でも1~5%は陽性になります。

リウマトイド因子陽性なら関節リウマチの可能性は高いですが、関節リウマチとは言い切れません。

リウマトイド因子

もっとも古くから知られている自己抗体です。
IgGのFc部分に対する自己抗体で、IgMクラスです。

一般的には、健康人の2~5%が陽性になります。
老人では陽性率が高く、75歳以上の高齢者の陽性率は5~25%といわれています。

関節リウマチ患者の約20%がリウマトイド因子検査で陰性を示します。

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断には、アメリカリウマチ学会の分類基準が世界で一般的に使われています。

1.朝のこわばり(一時間以上持続する)
2.多関節炎(少なくとも3領域以上の関節の腫れ)
3.手の関節の腫れ
4.対称性の関節の腫れ
5.リウマチ結節
6.リウマトイド因子(リウマチ因子)陽性
7.レントゲン検査で典型的な関節所見

以上7項目のうち4項目以上を満たせば関節リウマチと診断されます。

関節リウマチの診断にあたっては、関節所見の診察を基本として種々の検査を行い、関節リウマチに比較的特徴的な症状・所見の確認や、他疾患の鑑別などにより総合的に判断します。

リウマトイド因子は、関節リウマチの約80%で陽性となる自己抗体の一つです。関節リウマチだけでなく、他の膠原病でも陽性となるなど特異度は高くありませんが、診断や治療効果の評価に有用と考えられています。

抗CCP抗体は、関節リウマチに特異度の高い自己抗体の一つです。抗CCP抗体は発症初期から検出されるため、関節リウマチの早期診断に有用と考えられています。

【関節所見の診察】
触診により関節痛や関節腫脹を確認する。また、関節可動域を測定し、炎症や変形による機能障害の程度を観察する。
関節腫脹や関節水腫などを認める場合には関節液検査を考慮する。関節液検査は感染性関節炎や結晶性関節炎(痛風・偽痛風など)の鑑別診断などに有用である。

【血液検査】
自己抗体(リウマトイド因子、抗CCP抗体など)や免疫複合体などの自己免疫疾患に特徴的な所見を測定する。
炎症を評価するため、C反応性蛋白(CRP)や赤血球沈降速度(ESR)などを測定する。
MMP-3は、増殖する滑膜組織が分泌する軟骨組織を分解する酵素であり、関節破壊の評価に有用である。

【画像検査】
単純X線検査は主に骨病変を観察することができ、骨びらんのパターンから他疾患を鑑別する際などに有用である。一方、滑膜炎や早期の骨びらんなどの検出には限界がある。
関節エコーやMRIは高コストだり、造影剤が必要になるなど簡便ではないが、関節エコーよりも詳細な情報を取得でき早期診断や薬効判定に有用である。

朝のこわばりは関節リウマチ?

関節リウマチの特徴的な症状に、「朝のこわばり」というのがあります。
私も朝は体がだるい。
なんかこわばる感じがする。

それとは違うのだろう。

「朝のこわばり」とは、起床後すぐに関節を動かしたときに違和感や抵抗があることをいう。
これは長時間関節を動かさないでいる間に関節を構成する様々な組織の滑りが悪くなり、可動性が低下した状態で、全身の関節に起き得るが、特に手指の関節は細かい動きをするために、こわばりを強く感じる。

健常人でも手に負担のかかる作業をした翌朝などに起きることもあるが、通常は手指を動かしていれば、すぐに消失する。
リウマチ患者の場合は、「朝のこわばり」が毎日、それも30分~1時間も続くのが特徴で、時間が長いほど疾患の活動性が高いと考えられている。

関節リウマチの初期症状

関節リウマチの初期には、起床直後に手がこわばって物を握ることが困難となり、朝食の準備ができない、シャツのボタンが留められないといった不自由さに悩まされることになる。
こうした症状を、文字通り「朝のこわばり」と呼び、1時間以上続くようであれば関節リウマチまたは他のリウマチ性疾患の可能性が高い。

関節リウマチは早期診断・治療がきわめて重要であり、このような症状を自覚した段階でリウマチ専門医の受診を勧めることが望まれる。
朝のこわばりのような初期症状を放置すると、慢性炎症が進んで関節痛が手指や足指から次第に手首、肘、膝など大きな関節に広がっていく。
その痛みは関節を動かすと増強することから、患者は日常生活動作(ADL)の低下を余儀なくされる。

また、慢性炎症のため、発熱や全身倦怠感、疲れやすいといった症状を伴うことも少なくない。
さらに慢性炎症が進行すると、滑膜が増殖してさまざまな関節を破壊する物質を作り、その結果として軟骨が消失し、骨と骨がじかに接した強直という状態になり、患者はもはや痛みを感じなくなるかわりに関節を動かすことさえできなくなることもある。

関節リウマチの関節症状は、滑膜炎による関節痛や関節腫脹から始まります。
滑膜炎が進行することで関節破壊が生じ、関節変形や関節拘縮が起こります。
これらの症状は、多発性かつ左右対称性に認められることが一般的です。

【滑膜炎】
重くうずくような痛みで、天候の影響を受けやすく、天気が悪い日や寒い日に悪化しやすい。
特徴的な朝のこわばり(痛みや腫脹により、起床時に手指が動かしにくくなる)が認められることが多い。

【関節破壊】
関節破壊が進行すると亜脱臼・脱臼が起こり、関節の変形や強直を招く。
手指や足趾では特徴的な関節変形が好発する。また、肘や膝では関節拘縮が生じやすい。

関節リウマチの原因

関節リウマチの発症機序は解明されていませんが、自己免疫応答が滑膜炎の発症に関与していると考えられています。
滑膜炎が進行すると滑膜が増殖し、パンヌスと呼ばれる肉芽組織が形成されます。
パンヌスが骨・軟骨組織を侵食することで関節破壊をきたします。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
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