2018年10月17日更新.3,349記事.5,698,974文字.

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ニューキノロン系抗菌薬と大正漢方胃腸薬を併用しちゃダメ?

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ニューキノロン系抗菌薬と漢方薬

ニューキノロン系抗菌薬のノルフロキサシンを服用中の患者が、服用後、胃の調子が悪くなり、胃腸薬を求めて近くのドラッグストアで安中散を買いました。
この症例の問題点とは?

ノルフロキサシンは、2価の陽イオンと難溶性のキレートを形成し、吸収が抑制されることが知られている。
特に水酸化アルミニウムゲルを同時に服用した場合、ノルフロキサシンの血中濃度がほとんど上がらず、抗菌作用が期待できないレベルまで血中濃度が低下した例も報告されている。

一方、2価の陽イオンを含む生薬には牡蛎、竜骨、石膏などがあり、それぞれリン酸カルシウムや炭酸カルシウムなどを含んでいる。
安中散は牡蛎を含有しており、ノルフロキサシンと同時に服用することによって炭酸カルシウムやリン酸カルシウムなどとキレートを形成する可能性がある。

漢方薬の製法と炭酸カルシウム含有量

漢方エキス製剤の場合、混合された生薬を溶媒で抽出する。

仮に牡蛎をそのままの形で水で煮だしても、炭酸カルシウムの化学的性質は「水にほとんど溶けない」ので、エキス製剤への炭酸カルシウムの移動は、水で抽出している限りほとんどないといえる。

しかし、刻み生薬の混合粉末製剤や凍結乾燥製剤の場合は、生薬そのものがフリーズドライされて含まれているので、エキス製剤とはくらべものにならないくらいの牡蛎、すなわち炭酸カルシウムが含まれることになる。

OTCの安中散の中には、生薬の混合粉末製剤、凍結乾燥製剤があるので、注意が必要になる。
例えば、大正漢方胃腸薬(安中散+芍薬甘草湯)の添付文書をみると、1包中に牡蛎を150mg含むと記載されている。

牡蛎(主成分:炭酸カルシウム、リン酸カルシウム)を含む漢方薬
・安中散
・桂枝加竜骨牡蛎湯
・柴胡桂枝乾姜湯
・柴胡加竜骨牡蛎湯

竜骨(炭酸カルシウム)を含む漢方薬
・桂枝加竜骨牡蛎湯
・柴胡加竜骨牡蛎湯

石膏(含水硫酸カルシウム)を含む漢方薬
・越婢加朮湯
・五虎湯
・消風散
・麻杏甘石湯
・白虎加人参湯

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