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緑内障の勉強まとめ
公開. 更新. 投稿者:緑内障/高眼圧症. 閲覧数:1402回
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目次
分類 | 分類 | 商品名 | 一般名 |
---|---|---|---|
緑内障点眼薬 | プロスタグランジン関連薬 | レスキュラ | イソプロピルウノプロストン |
緑内障点眼薬 | プロスタグランジン関連薬 | キサラタン | ラタノプロスト |
緑内障点眼薬 | プロスタグランジン関連薬 | トラバタンズ | トラボプロスト |
緑内障点眼薬 | プロスタグランジン関連薬 | タプロス | タフルプロスト |
緑内障点眼薬 | プロスタグランジン関連薬 | ルミガン | ビマトプロスト |
緑内障点眼薬 | 交感神経刺激薬 | ピバレフリン | ジピベフリン塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | α2刺激薬 | アイオピジンUD | アプラクロニジン塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | α2刺激薬 | アイファガン | ブリモニジン酒石酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬 | チモプトール/リズモン | チモロールマレイン酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬 | チモプトールXE/リズモンTG | チモロールマレイン酸塩持続性製剤 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬 | ミケラン/ミケランLA | カルテオロール塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬 | ミロル | レボブノロール塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬 | ベトプティック/ベトプティックエス | ベタキソロール塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬 | ハイパジール/ニプラノール | ニプラジロール |
緑内障点眼薬 | ROCK阻害薬 | グラナテック | リパスジル塩酸塩水和物 |
緑内障点眼薬 | α1遮断薬 | デタントール | ブナゾシン塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | 炭酸脱水酵素阻害薬 | トルソプト | ドルゾラミド塩酸塩 |
緑内障点眼薬 | 炭酸脱水酵素阻害薬 | エイゾプト | ブリンゾラミド |
緑内障点眼薬 | PG関連薬+β遮断薬 | ザラカム | ラタノプロスト+チモロールマレイン酸塩 |
緑内障点眼薬 | PG関連薬+β遮断薬 | ミケルナ | カルテオロール塩酸塩+ラタノプロスト |
緑内障点眼薬 | PG関連薬+β遮断薬 | デュオトラバ | トラボプロスト+チモロールマレイン酸塩 |
緑内障点眼薬 | PG関連薬+β遮断薬 | タプコム | タフルプロスト+チモロールマレイン酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬+炭酸脱水酵素阻害薬 | コソプト | ドルゾラミド塩酸塩+チモロールマレイン酸塩 |
緑内障点眼薬 | β遮断薬+炭酸脱水酵素阻害薬 | アゾルガ | ブリンゾラミド+チモロールマレイン酸塩 |
緑内障
緑内障は、不可逆的に視神経が障害されることにより、視野欠損をきたす慢性進行性疾患です。
緑内障は適切な治療を行わなければ失明に至る可能性があり、視覚障害の原因疾患の第1位に位置しています。
緑内障は、わが国の失明原因の上位を常に占め、社会的にも対応が求められる重大な疾患である。
40歳以上における緑内障有病率は5.0%であり、加齢とともに有病率が高まるため、高齢者人口が増えている今、患者数も増加している。
一方で、平均寿命は延びる傾向にあり、治療期間はより長期にわたるようになってきている。
緑内障は眼圧がその目の許容量を超えている病態で、非可逆的・進行性の視神経障害をもたらす。
そのため、治療は「眼圧を下げる」ことであるが、眼圧をどこまで下げれば視神経障害の進行を止めることができるかについては、個々の症例によって異なる。
緑内障の症状
緑内障の症状は、病期が進行しないと気づきにくいといわれていますが、緑内障発作時には、眼痛や霧視、充血などの眼症状のほか、頭痛、嘔吐などの眼以外の症状も出現することがあります。
緑内障の発症機序
緑内障の視神経障害は、従来、眼圧の上昇により生じると考えられてきました。
現在では、高眼圧を伴わない例も多いことがわかっており、眼圧上昇以外にもさまざまな要因が関与すると考えられています。
緑内障の種類
緑内障は、
①角膜と虹彩の間である隅角と呼ばれる部分が閉塞している原発閉塞隅角緑内障
②隅角が見かけ上開放している原発開放隅角緑内障
③眼圧は正常範囲にもかかわらず緑内障を発症する正常眼圧緑内障
④ぶどう膜炎などの疾患やステロイドなどの薬剤による続発緑内障
の4つに大きく分けられる。
このうち最も多いのは、正常眼圧緑内障である。
従って、治療の評価・管理は単に眼圧値を指標とするのではなく、眼球内の構造変化と機能変化を定期的に検査し、総合的な判断に基づき行う。
眼圧
眼圧を下げる目標(目標眼圧)として、無治療時の20~30%減を目指す。
しかし、目標には達していなくでも無治療時眼圧(ベースライン眼圧)より下がり、視機能の低下もなければ、それまでの治療を続けることもある。
眼圧は主に房水の動態(房水産生・房水流出)により変動します。
高眼圧を示す緑内障の多くは、房水流出が低下することにより眼圧が生じています。
【房水産生】
房水は、毛様体で産生されます。
【房水流出】
房水は、後房から瞳孔を通って前房に入り、隅角から二つの経路を介して流出します(流出した房水は静脈に救出されます)。
①線維柱帯ーシュレム管を介した主経路(約90%)
②ぶどう膜強膜を介した副経路(約10%)
眼圧検査
眼圧を測定する機械には、直接眼に接触して測定するものと、眼に空気を吹きつけて測定するものがあります。
定期健診では眼に空気を吹きつける方法がよく行われています。
空気を吹きつけて、角膜のへこみ具合によって眼圧を測定すします。
緑内障治療薬
点眼薬による眼圧下降量のメタ解析によると、眼圧の下降幅が大きいのはプロスタグランジン関連薬とβ遮断薬で、第一選択薬となることが多い。
疾患の進行リスクが高い患者には、全身疾患のないことを確認した上でβ遮断薬を処方する。
仕事で忙しい世代には、点眼回数の少ない薬剤を選ぶ。
主な眼圧下降の作用機序
β遮断薬:房水産生抑制
αβ遮断薬:房水産生抑制、ぶどう膜強膜流出促進
α1遮断薬:ぶどう膜強膜流出促進
α2作動薬:房水産生抑制、ぶどう膜強膜流出促進
プロスタグランジン関連薬:ぶどう膜強膜流出促進
イオンチャンネル作動薬:ぶどう膜強膜流出促進
炭酸脱水酵素阻害薬:房水産生抑制
副交感神経刺激薬:線維柱帯流出促進
交感神経刺激薬:線維柱帯流出促進
Rhoキナーゼ阻害薬:線維柱帯流出促進
プロスタグランジン関連薬
この薬は体内の生理的な物質(プロスタグランジン)の誘導体で、房水の流出を促進させ、眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
強い眼圧下降効果があり、全身的な副作用が比較的少ない。
プロスタグランジン関連薬は、全身の副作用が少ないものの、局所の副作用が多い。
充血や角膜障害の他に、睫毛多毛、眼瞼・虹彩への色素沈着(メラニンの増加)などが挙げられる。
点眼薬によっては、上眼瞼溝深化、眼瞼皮膚の硬化などの Prostaglandin Associated Periorbitopathy(PAP) を起こすことがあるため、若年者、特に女性から拒否されることがある。
β遮断薬
この薬は交感神経のβ受容体を遮断して房水の産生を抑えて眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
全身的に吸収されることによる、循環器系や呼吸器系の副作用に注意が必要となる。
交感神経は日中に優位となるため、長時間作用型の薬剤(ミケランLA、チモプトールXE、リズモンTG)は、通常朝に点眼する。
ベトプティックはβ1選択性が高いため、非選択性薬剤と比較して、喘息患者などに使用しやすい。
α1遮断薬
この薬は交感神経のα1受容体を遮断して房水の流出を促進させて眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
全身性副作用が比較的少ないとされており、高齢者にも使用しやすい。
αβ遮断薬
この薬は交感神経のαβ受容体を遮断して房水の産生を抑え(β遮断作用)たり房水の流出を促進(α遮断作用)させて眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
全身的に吸収されることによる、循環器系や呼吸器系の副作用に注意が必要となる。
交感神経刺激薬(α2受容体選択性刺激薬)
この薬は交感神経のα2受容体を刺激して房水産生を抑えたり房水の流出を促進させて眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
α2選択性があり、α1刺激による循環器などへの影響が少ない。
交感神経刺激薬(受容体非選択性刺激薬)
この薬は交感神経を刺激して房水産生を抑えたり房水の流出を促進させて眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
散瞳作用があるため、隅角が狭窄・閉塞している症例には使用しない。
副交感神経作動薬
コリン作動薬のサンピロと、コリンエステラーゼ阻害薬のウブレチドがある。
この薬は副交感神経を刺激してひとみを小さくし房水の流出を促進させて眼圧を下げ緑内障における視野の悪化を抑える。
緑内障発作に対し、縮瞳薬として使用する。
縮瞳や調節麻痺により暗黒感や近視化などがあらわれることがあり、日常生活上の注意を要する。
炭酸脱水酵素阻害薬
この薬は目の毛様体に存在する炭酸脱水酵素を特異的に阻害して、房水産生を抑え眼圧を下げ、緑内障における視野の悪化を抑える目薬です。
毛様体内で房水産生に関与する炭酸脱水酵素を阻害する。
単剤での眼圧下降効果は、β遮断薬などに劣るが、副作用が比較的少ない。
腎臓から排泄される薬剤であるため、重度の腎機能障害のある症例には使用しない。
Rhoキナーゼ阻害薬
Rhoキナーゼを阻害し、主に主経路からの房水流出を促進する。
Rhoキナーゼは、平滑筋細胞の収縮や、各種細胞の形態制御などに関連するシグナル伝達物質であり、眼においては毛様体筋、線維柱帯などに発現しています。
緑内障と抗コリン薬
以前は、抗コリン薬は緑内障に禁忌とされていたが、同薬で眼圧上昇の可能性があるのは閉塞隅角緑内障のみである。
ただ、開放隅角緑内障の眼が加齢とともに閉塞隅角の要素を伴うことがある。
また、虹彩光凝固術や眼内レンズの挿入により使用できるようになる。
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服薬指導のツボ②

今日も服薬指導で心が折れる
「薬の説明の紙いらない」「お薬手帳いらない」「服薬指導いらない」「薬袋いらない」
とか言ってくる患者さんいますよね。
それならもっと突っ込んで「薬いらない」と言ってほしい。


↑こういう患者いるよねー
薬剤師の情報収集法
時間の無い医療従事者にとって、効率的な情報収集は必要不可欠です。私は学生時代から効率的な勉強方法を探って生きてきました。
例えば、1時間でいかに効率よく勉強するか、ということを1週間かけて考えていました。。。今になって思えば1週間勉強すればよかったと思います。
とにかく、この情報過多の時代を生き残るカギは、質の高い情報をいかに入手するかということにかかっていると思います。
有象無象の情報がうずまく社会、インターネットでググってウィキペディアで調べるという私の得意技でもありますが、一般人と同じようなことをしていて薬剤師という専門性の高い職種の職能を発揮できるでしょうか?
自虐的になりますが、こんなくだらないブログを見るより専門性の高いサイトで情報収集したほうが有益でしょう。ぃぇ、私のブログも有益な情報を提供したいとは思っていますが。
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