2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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うつ病の勉強まとめ

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分類商品名一般名
三環系抗うつ薬アナフラニールクロミプラミン
三環系抗うつ薬ノリトレンノルトリプチリン塩酸塩
三環系抗うつ薬トリプタノールアミトリプチリン塩酸塩
三環系抗うつ薬アモキサンアモキサピン
三環系抗うつ薬トフラニールイミプラミン塩酸塩
三環系抗うつ薬スルモンチールトリミプラミンマレイン酸塩
三環系抗うつ薬アンプリットロフェプラミン塩酸塩
三環系抗うつ薬プロチアデンドスレピン塩酸塩
四環系抗うつ薬テトラミドミアンセリン塩酸塩
四環系抗うつ薬ルジオミールマプロチリン塩酸塩
四環系抗うつ薬テシプールセチプチリンマレイン酸塩
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)パキシルパロキセチン塩酸塩水和物
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)ジェイゾロフト塩酸セルトラリン
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)レクサプロエスシタロプラムシュウ酸塩
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)デプロメール/ルボックスフルボキサミンマレイン酸塩
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)サインバルタデュロキセチン塩酸塩
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)トレドミンミルナシプラン塩酸塩
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)イフェクサーSRベンラファキシン塩酸塩
NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)リフレックス/レメロン  ミルタザピン
その他の抗うつ薬レスリン/デジレルトラゾドン塩酸塩
うつ病

うつ病は、気分がひどく落ち込んだり何事にも興味を持てなくなったりして強い苦痛を感じ、日常生活に支障が現れるまでになった状態です。
うつ病は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害である。

うつ病の原因ははっきりとはわかっていないが、モノアミン仮説が一般的に考えられている。
モノアミン仮説とはストレスを受けると脳内の視床下部→下垂体→副腎皮質系が活性化してストレスに対応するためのさまざまな生理反応が起こるが、持続的なストレス状況下でノルアドレナリンが放出され続け、ノルアドレナリンが枯渇することやセロトニン系の機能低下といった脳内シナプス間隙のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が減少することによりうつ状態を引き起こすというものである。
そこで、セロトニン再取り込みやノルアドレナリン再取り込みを阻害し、シナプス間隙のモノアミン濃度を上昇させることが薬剤作用ポイントのターゲットとなっている。

主な抗うつ薬

抗うつ薬による薬物療法は、患者さんが拒絶しなければまず選択する治療法です。
薬物療法を開始する際、基本的には抗うつ薬の単剤療法が推奨されていますが、抗うつ薬には即効性がないため、奏効するまでの間は抗不安薬や睡眠薬を併用してもよいとされています。
現在、最初に選択した抗うつ薬が奏効するのは60~70%といわれており、第一選択薬を十分な量と期間使用しても治療反応が不十分な場合は、治療法の変更を試みます。

薬物の選択

第一選択薬としては、忍容性が高く、抗うつ効果が三環系抗うつ薬に匹敵するとされるSSRIおよびSNRIが挙げられる。身体合併症や、服用中の薬剤との相互作用の問題から、使用しづらい抗うつ薬をまず除外して選択する。
睡眠障害に対し、鎮静作用の比較的強い抗うつ薬であるトラゾドン塩酸塩やミアンセリン塩酸塩、ミルタザピンを併用することもある。
精神病像を伴ううつ病は、抗うつ薬と抗精神病薬の併用もしくはECTが推奨されるが、抗うつ薬単剤を使用する場合は、抗ドパミン作用のあるアモキサピンおよびスルピリドが選択しやすい。
精神病像を伴わないうつ病でも、焦燥が強い場合などに抗精神病薬を少量併用する場合がある。

第一選択薬を十分量に達してから十分な期間(6~8週間)使用しても治療反応が不十分な場合、同じ作用機序の他の抗うつ薬への変更(SSRIからほかのSSRIへなど)、もしくは作用機序の異なる抗うつ薬への変更(SSRIからSNRIへ、SSRIもしくはSNRIから三環系抗うつ薬へ、など)を試みる。
あるいは、増強療法として投与中の抗うつ薬に炭酸リチウムや甲状腺ホルモン剤、もしくは他の抗うつ薬を付加する。

抗うつ薬

脳内の神経線維の間をつなぐ化学伝達物質(ノルアドレナリン、セロトニン、ドパミン等)が不足すると、うつ状態が起こると考えられています。

抗うつ薬は、刺激によって一度一度放出された伝達物質が脳内の神経線維に再び吸収されて減少するのを抑えたり、伝達物質の出てくる量が減るのを抑えたりすることで、気持ちを楽にして意欲を高め、うつ状態を改善する薬です。

うつ病のメカニズムとして、モノアミンであるセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの活性が低下しているというモノアミン仮説と、視床下部-下垂体-副腎皮質系の障害とする二つの仮説が主流である。
抗うつ薬はモノアミン仮説にならってモノアミンを活性化させることで効果を発揮する。

抗うつ薬の主な作用機序

①ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用【SNRI、三環系、四環系】 → シナプス間隙のノルアドレナリンの濃度上昇
②セロトニンの再取り込み阻害作用【SSRI、SNRI、三環系、SARI】 → シナプス間隙のセロトニンの濃度上昇
③α2-自己受容体遮断薬【NaSSA、セチプチリンマレイン酸塩、ミアンセリン塩酸塩】 →シナプス間隙へのノルアドレナリンの放出促進
④α2-ヘテロ受容体遮断作用【NaSSA】 → シナプス間隙へのセロトニンの放出促進
⑤5-HT2/3受容体遮断作用【NaSSA】 → シナプス間隙に放出された5-HTが特異的に5-HT1受容体を刺激

NA受容体刺激 → 抗うつ効果
5-HT1受容体刺激 → 抗うつ効果
5-HT2受容体刺激 → 不安・焦燥、不眠など
5-HT3受容体刺激 → 悪心、下痢など

NaSSA

NaSSAは神経(特にノルアドレナリン、セロトニン)の活動を高め、伝達物質が出てくる量を増やしたり、伝達物質の一つであるセロトニンの刺激を受ける部位(5-HT1、5-HT2、5-HT3などがある)の中で特に抗うつ効果の少ない5-HT2、5-HT3の作用を抑えることにより、5-HT1への作用を強めることで、気持ちを楽にして意欲を高め、うつ状態を改善する薬です。

ミルタザピンが該当する。四環系抗うつ薬で、鎮静系抗うつ薬とみなされる。
ほとんどの抗うつ薬がトランスポーター阻害によって効果を発現するのに対し、本剤はシナプス前部の自己受容体であるアドレナリンα2受容体の阻害によってセロトニンとノルアドレナリンの放出を促進することで効果を発揮する。
さらにシナプス後部のセロトニン5-HT2受容体を阻害することで性機能障害が、5-HT3受容体を阻害することで胃腸障害が各々出現しにくい。

抗うつ効果は、比較的早期(1週間程度)に発現することが多い。
抗ヒスタミン作用を有するため、体重増加や眠気に注意する。

NaSSAはノルアドレナリンとセロトニンに作用する新世代抗うつ薬ですので、SSRIやSNRIと共通して消化器症状が特徴で、特に便秘の出現率が高いといわれています。
そして、動悸とめまいがSNRIと同様にみられます。
NaSSAに特筆すべき副作用は、口乾、倦怠感、傾眠です。
口乾は時に三環系抗うつ薬と同程度の強さを示します。
また、倦怠感や傾眠はトラゾドン(SSRIが出るまではよく使われた、いずれの種類にも属さない特殊なタイプの抗うつ薬)のそれに似ています。
ただ、この傾眠作用を上手に利用して、うつ状態における不眠の改善に用いることもあります。

SSRI

頻度の高い副作用は消化器症状(悪心、嘔吐、下痢、食欲不振など)であり、投与初期に出現することが多いが、2~3週間以内に消失することが多い。
肝臓の代謝酵素であるシトクロームP450を阻害して、他の薬剤の血中濃度を上昇させることに対する配慮が必要である。

過量服薬しても比較的安全で、かつ治療域が広いことから第一選択薬として用いられるが、その効果は三環系抗うつ薬を上回らず、重症例には適さない。
鎮静効果がないことから非鎮静系薬とみなされる。
強迫性障害、社交不安障害(対人恐怖症)、パニック障害、過食症などにも効果的とされる。
心毒性がなく自殺の目的で過量服用しても致死的とならないが、薬物代謝酵素阻害作用があるため併用の際は注意する。

パロキセチン(パキシル)はうつ病のみならずパニック障害にも効果的で比較的強力だが、中断症候群が起きやすい。同剤のCR錠は吸収が遅く最大血中濃度が下がるため胃腸症状は少ないとされる。
セルトラリン(ジェイゾロフト)はうつ病、パニック障害などが適応で比較的安全で使いやすいが、下痢が多くみられる。
フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)やパロキセチンはP450を阻害するため、併用薬と相互作用を起こしやすいので注意する。
また、パロキセチンやセルトラリンはP糖蛋白を阻害するため、抗悪性腫瘍薬やジギタリス製剤との併用時は注意する。
エスシタロプラム(レクサプロ)は初期用量から既に効果発現するため使いやすいが、心電図上のQT延長があり、心疾患の患者への投与は控える。

SNRI

SNRIは、セロトニン・ノルアドレナリン再吸収阻害薬の略号で、セロトニン症候群の発生を回避するために、ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用を加えて抗うつ作用を増強したもので、従来の三環系および四環系抗うつ薬と比較して、コリン作用やモノアミン受容体遮断作用が低減されています。

セロトニンの再吸収阻害作用のみで高い抗うつ作用を得ようとすると、副作用であるセロトニン症候群が発生してしまうため、ノルアドレナリン再吸収阻害作用を添加して、両者の作用の合わせ技によって、少ない副作用で充分な抗うつ作用を得ようという意図でつくられました。

副作用の発現様式や程度がSSRIとは異なることから、患者の有する他の疾患等を考慮してSSRIと使い分けられています。

SNRIは、セロトニンとノルアドレナリン再取り込み阻害作用があり、広い治療領域が期待でき、効果が早く確実で、安全性が高いことが特徴です。
三環系抗うつ薬のもつノルアドレナリン取り込み阻害作用に注目し、副作用の発現にかかわる各種受容体の遮断作用をできるだけ除いたものです。

欧米における大うつ病に対する効果では三環系抗うつ薬とほぼ同等、SSRIよりも勝っていると考えられています。
また、作用発現までの時間が早いことが示唆されています。 神経終末でのセロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み部位に選択的に結合し、これらのモノアミンの再取り込みを阻害することにより、うつ病で低下していると考えられるシナプス間隙のセロトニンとノルアドレナリンの濃度を増加させる。

ミルナシプラン(トレドミン)とデュロキセチン(サインバルタ)が含まれる。
セロトニンとノルアドレナリン双方に作用するため、SSRIの効果に意欲向上が加わり、より広い治療スペクトラムとなりうる。

脊髄の下行性疼痛路でセロトニン及びノルアドレナリンを活性化させて慢性疼痛に作用することが期待されている。
ミルナシプランはSSRIと異なりCYP阻害作用がないため、他剤との併用も比較的安心であるが、尿閉や頭痛、頻脈、血圧上昇に気をつけなければならない。
デュロキセチン・ベンラファキシンはセロトニン再取り込み阻害作用が強く効果が期待されるが、投与早期の胃腸症状や肝障害に注意する。

スルピリド

【作用機序】ドパミンD2受容体遮断作用により、抗うつ効果を示す。
【特徴】精神病像を伴ううつ病に用いられる。「統合失調症」などに適応を持つ。
【主な副作用】月経異常、乳汁分泌、錐体外路症状、睡眠障害、眠気、口渇、体重増加、悪性症候群

世界的には、三環系、四環系抗うつ薬、SSRI、SNRI、NaSSA、モノアミン酸化酵素阻害薬、これら6つで分類されることが多いのですが、抗うつ薬の分類には入っていないスルピリド(ドグマチール)を抗うつ薬の分類に入れている場合もあります(これは日本特有というべき現象です)。
スルピリドは主にドーパミンの動態に影響を及ぼすことはわかっていますが、現在もはっきりとした作用機序は明らかではありません。
臨床的に、スルピリドはその用量によって異なった特性を示します。
低用量(1日量およそ300mgまで)では抗うつ効果を示し、高用量( 1日量300~600mgまでで、最高1200mg)では病的体験など、統合失調症の症状に効果を示すという特性です。
スルピリドの特性を考慮して、軽いうつ状態で食欲がなかったり、ストレス性潰癌の既往がある患者には低用量、うつ状態で衝動性が高く行動に問題が出たり、被害妄想を有したりする場合は高用量、と使い分けることになるでしょう(150mgまでの範囲で前者の効果をねらって処方する内科の医師は意外に多いようです)。

抗うつ薬の主な薬理作用と副作用

抗コリン作用:口渇、便秘、排尿障害、視力調節障害、眼内圧亢進、記憶障害、せん妄
アドレナリンα1受容体遮断作用:起立性低血圧、眠気
ヒスタミンH1受容体遮断作用:眠気、体重増加
キニジン様作用:不整脈、心電図異常
ドパミンD2受容体遮断作用:高プロラクチン血症、錐体外路症状(パーキンソン症状、アカシジアなど)

アクチベーション・シンドローム(賦活症候群)

抗うつ薬の投与初期や増量時などに見られる精神行動症候群のことをいうが、その定義はまだ確立されておらず、下記のような症状が挙げられる。
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁など。

これらの症状がうつ病やその併存障害として出現したのか、抗うつ薬に関連して生じたのかを区別することは容易ではないが、抗うつ薬との因果関係は原則として時間的関係が見られることが多い(抗うつ薬の投与開始後、増量後など)
これらの症状を来した症例において、因果関係は明らかではないが、自殺関連行動のみならず、他害行為が報告されている。
抗うつ薬の投与初期や増量時には、患者さんの状態および病態の変化を注意深く観察し、アクチベーション・シンドロームが疑われる場合には、抗うつ薬を徐々に減量し中止する、鎮静作用のある薬剤を併用するなど適切な処置を行う。また、家族など患者さんに日常接する人々にも情報を提供し、注意を喚起しておく。

中断症候群

抗うつ薬の急激な減量や投与中止により、下記のような症状が現れることがある。
ふらつき、めまい、頭痛、不安、悪心、嘔吐、不眠など。
抗うつ薬の投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行う。

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職業:管理薬剤師
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