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発声障害にボトックス?
公開. 投稿者:てんかん.この記事は約2分39秒で読めます.
968 ビュー. カテゴリ:ボトックスと痙攣性発声障害
しわ取りで有名なボトックスの適応症に「痙攣性発声障害」が追加となる。
現在のボトックスの適応症は、
「眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、痙性斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮、2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足、重度の原発性腋窩多汗症、斜視」
主に痙攣性の疾患に使われている。
ボトックスの作用機序は、添付文書に以下のように書かれている。
末梢の神経筋接合部における神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経筋伝達を阻害し、筋弛緩作用を示す。神経筋伝達を阻害された神経は、軸索側部からの神経枝の新生により数ヵ月後には再開通し、筋弛緩作用は消退する。
また、エクリン汗腺は主にコリン作動性神経により調節されていることから、本薬はコリン作動性神経及び汗腺の接合部において、神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経伝達を阻害し、発汗を抑制すると考えられる。
先日、LINDBERGの渡瀬マキが発声障害で活動休止というニュースをみたが、こちらは「機能性発声障害」だそうな。
器質的な異常のない発声障害が、機能性発声障害となる。
心因性?心、脳の病気ともとらえられる。
痙攣性発声障害も、声帯の見た目に異常があるわけではないので、耳鼻咽喉科を受診しても診断には時間がかかる場合もある。
痙攣性発声障害は内喉頭筋の不随意かつ断続的な痙攣による発声障害を生じる疾患で、国内患者数は4000~8000人程度とされる。9割以上を占める内転型のほか、外転型、両方を併せ持つ混合型に分類される。内転型には外科的治療があるが、外転型に対する外科的治療は確立していない。
内転型とは、声帯が内側に閉じてしまう型で、声が詰まったり震えたりして、苦しく絞り出すような声になる。
外転型とは、声帯が外側に開いてしまう型で、息漏れ声・かすれ声になる。
ボトックスを使っても根治するわけではなく、作用機序にも書かれているとおり、
「神経筋伝達を阻害された神経は、軸索側部からの神経枝の新生により数ヵ月後には再開通し、筋弛緩作用は消退する。」
注射の効果は2~3ヶ月ほどしか持続せず、繰り返し注射を行う必要がある。
また効果的な部位に注射するのが難しく、注射後しばらく嚥下しにくい、呼吸しづらいこともあるようです。
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