2018年12月18日更新.3,342記事.5,770,694文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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骨粗鬆症の勉強まとめ

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分類商品名一般名
カルシトニン製剤エルシトニンエルカトニン
カルシトニン製剤カルシトランサケカルシトニン
ビスホスホネート製剤ダイドロネルエチドロン酸二ナトリウム
ビスホスホネート製剤アレディアパミドロン酸二ナトリウム水和物
ビスホスホネート製剤フォサマック/ボナロンアレンドロン酸ナトリウム水和物
ビスホスホネート製剤ベネット/アクトネルリセドロン酸ナトリウム水和物
ビスホスホネート製剤ボノテオ/リカルボンミノドロン酸水和物
ビスホスホネート製剤ボンビバイバンドロン酸ナトリウム水和物
ビスホスホネート製剤ゾメタゾレドロン酸水和物
SERMエビスタラロキシフェン塩酸塩
SERMビビアントバゼドキシフェン酢酸塩
活性型ビタミンD3製剤アルファロール/ワンアルファアルファカルシドール
活性型ビタミンD3製剤ロカルトロールカルシトリオール
活性型ビタミンD3製剤エディロールエルデカルシトール
イプリフラボン製剤オステンイプリフラボン
抗RANKLモノクローナル抗体ランマークデノスマブ
抗RANKLモノクローナル抗体プラリアデノスマブ
ビタミンK2製剤グラケーメナテトレノン
副甲状腺ホルモンテリボンテリパラチド酢酸塩
副甲状腺ホルモンフォルテオテリパラチド

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨がスカスカになり、もろくなった状態です。
腰や背中の痛みをともなうほか、高齢の人では骨折しやすくなります。

骨粗鬆症は骨強度が低下して骨折しやすくなった状態を示す疾患で、通常は閉経や加齢に伴う原発性骨粗鬆症を指す。
骨強度低下そのものには自覚症状がなく、生活に支障をきたすことは少ない。
一方で要介護認定者のうち約12%が、転倒・骨折が原因で介護が必要となっており、この割合は今後さらに増加すると考えられている。
骨粗鬆症性骨折を予防することは、要介護者の減少に直結する。

健常人の骨は日々、骨吸収(骨を壊す働き)と骨形成(骨を作る働き)が行われ、2つの働き(骨代謝)が釣り合うことで一定の骨量を維持している。
骨は、古い骨を溶かす“破骨細胞”と、新しい骨をつくる“骨芽細胞”の働きにより、常に修復を繰り返しています(専門的にリモデリングといいます)。

骨粗鬆症の薬物療法

骨粗鬆症の薬物治療で現在中心となっているのは、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、副甲状腺ホルモン(PTH)製剤、抗RANKL抗体製剤である。
PTH製剤は骨形成促進薬であり、他の3種は骨吸収抑制薬に分類される。

これらの薬剤に加えて、カルシウム製剤、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤などを必要に応じて併用する。

イプリフラボン製剤

骨のカルシウム分が血液に溶け出すのを防いだり、骨を丈夫にするカルシトニンというホルモンの分泌を促進します。骨粗鬆症の治療に用いますが、その効果は限定的です。骨密度の減少を遅らせる程度で、骨折予防効果はあまり期待できません。

ビタミンK2製剤

新しい骨ができるのを助ける働きがあります。
その作用はおだやかで、副作用もほとんどありません。
弱いながら、骨密度増加や骨折予防効果も多少期待できるようです。
老人性の軽い骨粗鬆症に向くほか、ステロイド骨症に対しビスホスフォネート薬が使用困難なときに用いることがあります。
ちなみに、納豆にはビタミンKがたくさん含まれるので、同様の効果が期待できます。

SERM

新しいタイプの治療薬です。
作用的にはエストロゲンと同様ですが、骨のエストロゲン受容体に選択的に作用するのが特徴です。
その特性により、副作用の軽減と他臓器に対する悪影響が回避され、副効用として乳がんの予防効果も期待できます。
現在、国内をはじめ世界的にも、閉経後の骨粗鬆症治療薬の主流となっています。
ただし、更年期障害を悪化させることがあるので、のぼせや発汗など更年期症状のある人は避けたほうがよいかもしれません。

カルシウム受容体作動薬

副甲状腺のカルシウム受容体に直接作用する新薬です。
副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑制することで、骨からのカルシウム溶出をおさえ、骨の性状を改善します。
長期透析療法中に多発する透析骨症の治療に用います。

活性型ビタミンD3製剤

活性型ビタミンD製剤は、腸からのカルシウムの吸収を促進するとともに、骨をつくる“骨芽細胞”の働きを高めます。

慢性腎不全で長く透析を受けていると、二次性副甲状腺機能亢進症を併発することが多いです。副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌されるため、骨からのカルシウム流出が激しくなり、いわゆる透析骨症(繊維性骨炎)を起こします。治療目標は、PTHの低下をはかるとともに、血液中のカルシウムとリンの濃度を長期間正常に保つことです。これには、活性型ビタミンD製剤の注射や飲み薬、カルシウム受容体作動薬のレグパラ錠などを用います。リンの濃度を下げるには、リン吸着薬を使います。

ビタミンD欠乏症の“クル病”は、栄養状態が非常に悪かった昔、雪が多く日光の少ない北日本の子供に多く見られました。ビタミンDの不足で骨や歯の発育が悪くなる病気です。最近はほとんどないと思いますが、ビタミンDはクル病の特効薬になります。

少量で効率的に作用するビタミンDの活性型製剤です。ビタミンDには、腸からのカルシウムの吸収を促進したり、骨の再形成を助けて骨を丈夫にする働きがあります。また、血液中のカルシウム分を適度に増やし、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を抑える作用をします。

アルファロールとワンアルファは、骨粗鬆症の基礎薬として使われるほか、慢性腎不全における骨病変にも有用です。それほど強力ではありませんが、骨密度増加や骨折予防効果もある程度期待できます。エディロールは骨作用を強めた新薬で、アルファロールをしのぐ骨折抑制効果が示されています。また、ホーネルは二次性副甲状腺機能亢進症におけるPTH分泌抑制作用が強く、透析骨症(繊維性骨炎)の改善効果が見込まれます。

副作用は少ないほうですが、効きすぎによる高カルシウム血症には十分な注意が必要です。予防のため、尿や血液中のカルシウム量を定期的に検査しなければなりません。市販のカルシウム剤なども含め服用中の薬は、医師に報告しておきましょう。

カルシウム製剤

骨をつくるカルシウムそのものを補給します。
カルシウム摂取が不足がちな人に効果的です。
ただし、治療的効果は低く、骨粗鬆症など骨の病気に対して単独で用いることはありません。

ビスホスホネート系薬

ビスホスフォネート系薬剤は、骨に付着して、骨のカルシウム分が血液に溶け出すのをおさえます(骨吸収抑制作用)。
その結果、骨の密度が増加し、骨が丈夫になるのです。骨折の予防効果が高いので、高齢の人などで骨折の危険性が高い重度の骨粗鬆症に向きます。
フォサマックやベネットなどによる いくつかの大規模骨折介入試験がおこなわれており、骨粗鬆症における骨折がおおよそ半減することが示されています。

ビスホスフォネートは化学構造として2つのC-P結合を特徴とし、さらに側鎖の違いから第一世代~第三世代に分類されることがあります。
ダイドロネルは国内初の第一世代ビスホスホネートになりますが、骨吸収抑制作用が弱く安全域が狭いうえ、変則的な飲み方になることもあり、最近はあまり使われなくなりました。
一方、側鎖に窒素(N)を含むフォサマック以降の新世代ビスホスホネート製剤は、骨吸収抑制作用が非常に強く、骨折抑制効果にも優れることから処方機会が増えています。

閉経後あるいは老人性の骨粗鬆症に広く用いられるほか、ステロイドなどによる薬物性の骨粗鬆症に対しても第一選択されます。
さらに、ダイドロネルは異所性骨化と骨ページェット病に、ベネットとアクトネルは骨ページェット病にも適応します。
なお、同系の注射薬は、飲み薬が使いにくい食道障害のある人や寝たきりの人、正確な服薬が困難な患者さんに使用されるほか、がんの骨転移にともなう骨病変や高カルシウム血症の治療薬としても重要です。

この系統の飲み薬は吸収率が悪く食べ物の影響を受けやすいです。
くわえて、局所刺激作用が強く、食道炎や胃潰瘍を起こす危険性があります。このようなリスクを回避するため、起床時に十分量の水で服用するなど厳格な飲みかたが求められます。
とはいえ、毎日となると大変です。
そこで、服薬負担の軽減をめざし、服用間隔が長い高用量製剤が新たに開発されました。
フォサマックとボナロンの高用量製剤は週1回、ベネットとアクトネルは週1回または月1回、ボノテオとリカルボンは4週に1回、ボンビバは月1回の服用で済みます。

副作用で比較的多いのは、吐き気、食欲不振、下痢または便秘などです。
多くはありませんが、食道炎や食道潰瘍、胃潰瘍などもみられます。
このような消化管障害を防ぎ、安全かつ効果的に用いるには、やはり、たくさんの水で服用するなど決められた飲み方を守ることが大事です。
ほかにも、特異な副作用として顎骨壊死や大腿骨の非定型骨折が報告されています。
歯や口まわりの違和感、太ももや足の付け根が痛むなど普段と違う症状があらわれたら医師と相談してください。

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